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『メンタリスト』シーズン2第18話には、記憶を失っていた女性が、捜査官から伝えられた自分の名前や身元の事実をきっかけに、少しずつ自分自身の記憶を取り戻していく場面があります。今回はこの場面から、「I remember」と「I know who I am」という言い回しに注目し、記憶がよみがえる瞬間を言葉にする英語表現を読み解きます。
途切れがちな一言から、短い言葉が少しずつ積み重なっていく様子に目を向けながら、表現の使い方を見ていきます。
「My name is Camille?」と「something was wrong」-記憶が戻り始める最初の言葉
捜査官から自分の名前や住んでいる場所を伝えられた女性は、まず自分の名前を問い返すところから記憶を取り戻し始めます。
My name is Camille?
(「私の名前は、カミール?」)The Mentalist Season2 Episode18 (Aingavite Baa)
平叙文の語順のまま文末を上げて疑問文として使う言い方です。本来はMy name is Camille.と言い切れるはずの文が疑問形になっていることから、伝えられた事実をまだ自分のものとして受け止めきれていない様子が伝わってきます。疑問符がついているのは文法上の疑問文だからではなく、話し手の戸惑いがそのままイントネーションに表れた結果だと分かります。
続けて、少年院時代に指導していた相手から連絡があったことを説明されかけたところで言葉が途切れ、そこから彼女自身の記憶が言葉になり始めます。
Something… something was wrong.
(「何かが…何かがおかしかった。」)The Mentalist Season2 Episode18 (Aingavite Baa)
somethingが繰り返され、文全体もwas wrongという簡潔な過去形で終わる、途切れがちな言い方です。同じ語を繰り返しながら少しずつ言葉を継ぎ足していく話し方は、記憶をたどりながら話す際の自然な言い回しとして表れています。somethingという漠然とした語だけがまず出てきて、その具体的な中身は、このあとの言葉の積み重ねの中で少しずつ明らかになっていきます。
「I remember」の積み重ねと「I know who I am」という締めくくり
その後、彼女の語りは次第に具体性を帯びていきます。誰かが有害物質を投棄していたこと、その人物が助けを求めて連絡してきたことを話したあと、同じ動詞を繰り返しながら記憶をたどっていきます。
I remember him. I remember him asking for my help. I remember. I remember me. I know who I am.
(「彼のことを覚えている。彼が助けを求めてきたことを覚えている。思い出した。自分のことを思い出した。自分が誰か分かる。」)The Mentalist Season2 Episode18 (Aingavite Baa)
rememberには、remember himのように名詞を目的語に取る形、remember him asking for my helpのように「remember+人+動詞のing形」で「(人)が~したのを覚えている」という意味になる形、そして目的語を伴わずI remember.とだけ使う形と、三通りの使い方がこの短いやり取りの中に並んでいます。himという他者から始まり、meという自分自身へと目的語が移っていく流れも見どころです。誰かの助けを求める声を思い出すことが、自分自身を思い出すことへとつながっていく順序が、この繰り返しの中に表れています。最後のI know who I amは、knowのあとに疑問詞whoで始まる節(who I am)が続く形で、「自分が誰であるかを知っている」という意味になります。短い一人称の言葉を積み重ねていくことで、記憶がよみがえっていく過程が言葉の上にも表れています。
まとめ|短い言葉に表れる記憶の戻り方
something was wrongという途切れがちな言い方から、I rememberの繰り返し、そしてI know who I amという締めくくりまで、短い言葉が少しずつ積み重なっていく様子が見えてきます。rememberの使い方ひとつを取っても、目的語の有無や形によって表現の幅が変わることが分かります。疑問形の一言から始まり、言い切りの一言で終わるまでの流れそのものが、記憶のたどり方を映し出しています。
『メンタリスト』の場面を通して、こうした一人称の言葉づかいにもこれから注目していきます。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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