海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン4 第19話に登場する、オンラインゲームの盗難被害を届け出たシェルドンに対し、警官が対応を断る場面の英語表現です。同情を示す言い回しを使いながら、結局は何もしないという結論を伝える、独特な断り方の型が描かれています。
被害を訴える切り出し方から、同情の言葉に包んだ断り文句まで、順に見ていきます。
「report a robbery」で切り出す、通報の場面
シェルドンのアパートに警官が駆けつける場面から始まります。何もかも奪われたと訴えるシェルドンについて、帰宅したレナードが状況を尋ねると、警官はこう切り出します。
Policeman: Your friend here called 911 to report a robbery.
(お宅の友人が、強盗の被害を届け出るために911に電話してきたんですよ。)TBBT Season4 Episode19 (The Zarnecki Incursion)
report a robbery は「強盗被害を届け出る」という意味の定型表現で、call 911 to … の形に乗せることで「911に電話して〜する」という通報の目的を一続きで伝えられます。事件・事故の通報を扱う場面でよく使われる型です。
シェルドン自身も、被害の大きさをこう訴えます。
Sheldon: They stole everything, Leonard, everything.
(奴らは何もかも奪っていった、レナード、何もかもだ。)TBBT Season4 Episode19 (The Zarnecki Incursion)
stole everything という言い切りと、everything を繰り返す強調の型は、被害の深刻さを訴える話し方として押さえておきたいところです。実際にはオンラインゲーム内のアイテムの話ですが、シェルドンの言葉遣いは本物の強盗被害さながらの切実さです。
「there’s nothing…」から「I’m sorry for your loss, but」への断り方
立ち去ろうとする警官をシェルドンが引き止めると、警官は管轄外だと告げようとしてこう切り出します。
Policeman: Mr. Cooper, there’s nothing…
(クーパーさん、できることは何も…)TBBT Season4 Episode19 (The Zarnecki Incursion)
there’s nothing … は、その先に we can do のような言葉が続くと予想させる、途中で言いさす言い方です。日本語の「できることは何も…」と同じく、最後まで言わなくても結論が伝わる話し方として使われています。
シェルドンに”Doctor”の肩書きを訂正され、警官は改めてこう告げます。
Policeman: Fine. Dr. Cooper. I’m sorry for your loss, but the Pasadena Police Department doesn’t have jurisdiction in Pandora.
(わかりました。クーパー博士。お悔やみ申し上げます、が、パサデナ警察はパンドラに管轄権を持っていないんです。)TBBT Season4 Episode19 (The Zarnecki Incursion)
I’m sorry for your loss は、本来は身近な人を亡くした相手にかける「お悔やみ申し上げます」という弔意の定型表現です。この場面では、警官がその言葉を仮想アイテムの「損失」に転用し、深刻そうな前置きのあとに doesn’t have jurisdiction(管轄権がない)という事務的な理由で話を打ち切っています。同情の言葉から入って結論として断るという型は、あくまでこの場面で警官がその場しのぎに使った一回のやり取りであり、日常会話で広く使われる断り方として一般化できるものではありません。
まとめ|同情の言葉に包まれた、その場限りの断り方
report a robbery、there’s nothing…、I’m sorry for your loss, but。通報の切り出し方から、同情に見せかけた断り方まで見てきました。I’m sorry for your loss は本来、身近な人の死を悼むときの表現であり、この場面はその言葉を管轄外を告げる前置きに転用した、劇中ならではの言い回しと言えます。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話を通して、英語表現の型を見ていきましょう。
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