「cover one’s tracks」の意味と使い方|『メンタリスト』S02E22で学ぶ英会話

「cover one's tracks」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

送信したメールを読み返して、まずいと思った箇所をこっそり消しておこうか。そんな考えが一瞬よぎるような場面があります。

その「痕跡を消す」動きを表すのが「cover one’s tracks」です。『メンタリスト』シーズン2第22話の終盤、ジェーンが仕掛けた場で事件の構図が明らかになるシーンに登場します。tracks がなぜ複数形なのかも合わせて、一緒に見ていきましょう。

目次

「cover one’s tracks」の意味とニュアンス

cover one’s tracks
意味:痕跡を消す、足がつかないようにする

自分が関わった証拠を後から消して、たどられないようにすることを指します。track はもともと地面に残る足跡のこと。雪や土の上についた足跡を、枝や布で払って消していく動作がそのまま比喩になっています。

犯罪の文脈が典型ですが、それだけの表現ではありません。仕事のミスを隠す、支出をごまかす、遊んだ形跡を消すといった日常の場面でも自然に使われます。事の重さより「自分の関与が見えないようにする」という動きそのものを指す語です。

tracks が複数形である点にも意味があります。足跡は一つの点ではなく、歩いた分だけ線として残ります。一か所だけ消しても意味がないという厄介さが、この語形に表れています。

主語は隠す本人で、one’s は主語と一致します。否定形の I’m not covering my tracks のように、疑いを否定する場面でもよく使われます。

【ここがポイント!】

  • 雪の上の足跡を払って消していく動作が、そのまま意味になった一言
  • 犯罪だけでなく、仕事のミス隠しや日常のごまかしにも使える表現
  • tracks が複数形なのは足跡が線として残るから。一か所では終わらない

『メンタリスト』S02E22のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。ここから先は事件の結末に触れるため、未視聴の場合は注意が必要です。

ジェーンは霊能者に交霊会を開かせ、事件の関係者全員を一つのテーブルに集めます。狙いは死者との対話ではなく、特定の言葉に反応してしまう人物を見つけることでした。仕掛けが働いた直後、ジェーンは相手が踏んだ手順を順に言葉にしていきます。

Bigelow: What, because I got frantic and fell out of my chair?
(何です、僕が取り乱して椅子から落ちたからですか?)

Jane: Because you managed Brava’s correspondence, you were the first one to read Carmen’s letters, yes?
(君がブラバの書簡を管理していて、カルメンの手紙を最初に読んだのが君だからだ。違うかい?)

Lisbon: And you killed poor Sally Alvarez to cover your tracks.
(そして自分の痕跡を消すために、気の毒なサリー・アルバレスまで殺した)

Jane: Mm-hmm.
(そういうことだ)

The Mentalist Season2 Episode22(Red Letter)

Amazon Prime Videoで見る ※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)

シーン解説と心理考察

ジェーンが並べているのは、推理というより順序そのものです。手紙を最初に読んだのは誰か、次に何が起きたのか。事実を時系列に置き直していくだけで、相手が隠したかった道筋が浮かび上がる構成になっています。

そこへリズボンが最後の一段を差し込みます。cover your tracks という一言で、二件目の事件が何のために起きたのかが確定します。動機の説明を長く重ねず、痕跡を消すためだった、と言い切ってしまう。この短さが、逃げ場のなさをやわらかく見せています。

ジェーンの返事が「Mm-hmm.」だけである点も見どころです。詰め寄るでも勝ち誇るでもなく、相棒が置いた一言を静かに肯定するだけ。派手な追及を経ずに事実を並べ終える二人の呼吸が、終盤の緊張をつくっています。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

雪の積もった道を歩いたあと、振り返って自分の足跡を枝で掃き消していく姿を思い描くと定着しやすくなります。消しているのは物ではなく、自分がそこを通ったという事実そのものです。

しかも足跡は一歩ごとに残っているので、一か所を消しても線は途切れません。歩いた分だけ、後ろ向きに作業が続きます。このシーンで消そうとされた痕跡が一つで終わらなかったことも、その厄介さと重なります。覚えるときは「後ずさりしながら足跡を消していく後ろ姿」を一枚の絵として持っておくと、cover と tracks が離れずに結びつきます。

例文で覚える「cover one’s tracks」

隠す側の動きを描く表現です。3つの場面で使い方を見ていきましょう。

Whoever did this was careful to cover their tracks.
(これをやった人物は、慎重に痕跡を消していた)
犯人が分からない状況を語る場面です。whoever と組み合わせると、劇中のような捜査の響きが出ます。

If you make a mistake in the report, just fix it — don’t try to cover your tracks.
(報告書でミスをしたら直せばいい。ごまかそうとしないで)
後輩に注意する場面です。犯罪でなくても使えることが分かる、実務寄りの用法になります。

A: You’ve been checking your phone all evening.
B: I’m not covering my tracks, I promise. Work emails.
(A:今晩ずっとスマホ見てるよね)
(B:やましいことなんてないって。仕事のメールだよ)
親しい相手とのやり取りです。否定形で使うと、疑いを軽く払いのける言い方になります。

あわせて覚えたい関連表現

cover up
(もみ消す、隠蔽する)
出来事そのものを覆い隠す言い方で、組織ぐるみの隠蔽にも使われます。今回のフレーズが自分の関与の痕跡に限られるのに対し、こちらは事件全体が対象になります。

throw someone off the scent
(追跡者の目をそらす)
犬が匂いを追う比喩から生まれた言い方です。痕跡を消すのではなく別の方向へ誘導する動きを指す点が、今回のフレーズとの違いになります。

leave no trace
(痕跡を残さない)
後ろめたさを含まず、自然保護の標語としても使われる言い方です。最初から残さないことを指すため、後から消す今回のフレーズとは時間の順序が逆になります。

Note|刑事ドラマが育てた定番表現

海外の犯罪ドラマを続けて見ていると、cover one’s tracks は驚くほど頻繁に耳に入ってきます。しかも登場する位置には偏りがあります。どこに置かれやすいのかを整理してみます。

この表現が現れる位置は、大きく三つに分けて考えられます。ひとつは捜査側が行き詰まりを説明する場面。証拠が出てこない理由として「相手が痕跡を消している」と言えば、それだけで状況の説明になります。もうひとつは犯行の手順を並べる場面です。動機、実行、そして痕跡の始末という順序の最後に置かれ、一連の流れを閉じる役割を担います。三つめは自白の場面で、隠した本人が自分の行動を振り返る言葉として使われます。

本作でもこの二つめの型がそのまま使われています。手紙を読んだこと、なりすましを仕組んだこと、事件が起きたこと。並べられた順序の最後に cover your tracks が置かれ、二件目が何のために起きたのかが確定します。動機を説明する長い台詞を挟まずに済むため、緊迫した場面を短く締められる言い回しとして働いていると読み取れます。

視聴者の側から見れば、この表現が出た時点で「話は終盤に入った」という合図にもなります。聞き取りの練習をするときは、単語の意味だけでなく、どの位置で現れるかを一緒に覚えておくと、場面の展開まで先読みできるようになります。

言葉が置かれる場所を知ることも、意味を知ることの一部と言えます。

まとめ|足跡を消して歩いた人の背中

cover one’s tracks は、自分が通った跡を後ろ向きに消していく動作を、そのまま人の行動に重ねた表現です。犯罪の場面に限らず、ミスを隠す、都合の悪い記録を消すといった日常の動きにも広く使えます。

この一言が使えると、「ばれないようにした」という説明を長く重ねずに済みます。隠した行為の中身ではなく、隠そうとした動き自体を指せるので、疑いを述べるときにも、否定するときにも短く収まります。

消しても線は続き、後ろ向きに歩いた分だけ跡は残る。終盤の一言は、そのことを最後まで知らなかった人の背中を照らす瞬間でした。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



おすすめ記事
日常英会話を学びたい方におすすめの海外ドラマはこちら
「cover one's tracks」のような、日常で使いやすい英語表現をもっと学びたい方におすすめです。
日常英会話が学べる海外ドラマを見る

cover one's tracks

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次