「a detective of sorts」から「worth a try」まで、当たって砕けろの交渉英語|『メンタリスト』S01E13で学ぶ英会話

『The Mentalist』コラム: 「a detective of sorts」から「worth a try」まで、当たって砕けろの交渉英語|『メンタリスト』S01E13で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『メンタリスト』シーズン1エピソード13では、盗まれた名画の行方を追うジェーンが、免責特権を持つロシア人石油王アーロフの邸宅へ単身乗り込む場面が描かれます。今回は、この交渉のやり取りを起点に、自分の立場を軽くぼかす言い方から、あっさり退けられてもなお引き下がるときの言い方まで、当たって砕けろの精神で交渉に臨むときの英語を読み解いていきます。

名乗り方、拒まれ方、そして引き際。三つの局面をたどりながら、その言い回しに触れていきます。

目次

「a detective of sorts」と名乗るジェーンの飄々とした自己紹介

囮の絵を手土産に邸宅へ乗り込んだジェーンに、警戒したアーロフはこう切り出します。

Arlov: Why are you here, Mr. Jane?
(どうしてここに来た、ジェーンさん)

Jane: I’m a detective of sorts.
(まあ、探偵のようなものです)

The Mentalist Season1 Episode13 (Paint It Red)

of sortsは名詞のすぐ後ろに置いて「〜のようなもの」「一応〜と呼べるもの」というニュアンスを添える言い回しです。a detectiveとだけ言い切らずにof sortsを添えることで、自分の立場をやんわりとぼかしながら、探偵にも捜査官にも分類しきれない自分の存在を、飄々とした調子で紹介しています。

似たような「〜のようなもの」を表す言い方には、置く位置によって違いがあります。

表現 位置
a sort of 〜 名詞の前 a sort of detective
〜 of sorts 名詞の後ろ a detective of sorts
kind of 〜 形容詞・動詞の前 kind of tired

a detective of sortsという一言だけで、ジェーンが警察官でも私立探偵でもない、CBIの犯罪コンサルタントという曖昧な立場を軽やかに言い表しているのが分かります。免責特権を持つ相手に単身乗り込むという場面設定も相まって、自己紹介の時点からどこか掴みどころのない人物像が伝わってきます。

「running out of luck」で拒まれ、「worth a try」で引き下がる

自己紹介を軽くいなしたアーロフは、免責特権を盾に取り合おうとしません。賄賂の話だと決めつけて、こう告げます。

Arlov: If you’re looking for a bribe, I’m afraid, um, you’re running out of luck.
(賄賂が目当てなら、あいにくだが、あなたの運もそろそろ尽きるようだ)

The Mentalist Season1 Episode13 (Paint It Red)

run out of luckは「運が尽きる」「ツキが切れる」という意味の言い回しで、run out of 〜という「〜を使い果たす」型の応用です。ガソリンや時間だけでなく、運のような目に見えないものにもこの型が使えることが分かります。それでもジェーンは怯まず、免責特権があるのだから本物の絵を売った相手を教えても自分の身は安全なはずだと持ちかけます。相手を追いつめずに情報を引き出そうとする誘い文句が続きますが、アーロフは、密告者を売れば今後誰も自分に絵を売らなくなると理由を説明し、あっさりと拒否します。粘ったジェーンは、最後にこう締めくくって席を立ちます。

Jane: True. Well, I thought it was worth a try.
(まあ、そうでしょうね。でも、試してみる価値はあると思ったので)

The Mentalist Season1 Episode13 (Paint It Red)

worth a tryは「試す価値がある」という意味で、結果がどうなるか分からないまま挑戦したことを振り返るときによく使われる言い方です。it was worth a tryという形で使うと、うまくいかなかった試みに対しても、後悔ではなく前向きな一言として響きます。免責特権を持つ相手に真正面から交渉を挑み、あっさり退けられてもなお、軽やかに引き下がるジェーンらしい幕引きです。

まとめ|押しては引く、交渉の呼吸

「a detective of sorts」で自分の立場をやんわりとぼかし、「running out of luck」で交渉の行き詰まりを告げられ、「worth a try」で潔く引き下がる。押しの強さだけでなく、引き際の軽やかさも交渉の英語として押さえておきたいところです。

次回も『メンタリスト』の登場人物たちのやり取りを通して、英語表現を見ていきます。

同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。

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