「get on with one’s life」の意味と使い方|『メンタリスト』S05E05で学ぶ英会話

「get on with one's life」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

つらい出来事のあと、周りから「前を向いて」と繰り返し言われて、かえって重く感じてしまう瞬間が、ドラマには時々あります。

そんな場面にちょうど重なる「get on with one’s life」を、『メンタリスト』シーズン5第5話の中盤、車内でリズボンがジェーンに語りかけるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「get on with one’s life」の意味とニュアンス

get on with one’s life
意味:自分の人生を前に進める、生活を立て直して先へ進む

出来事そのものを忘れることではなく、いったん止まっていた生活を再び動かすことに焦点がある表現です。get on は本来「乗る」という意味を持ち、乗り物に乗って進んでいく動きが土台にあります。

喪失・失恋・失職など、何かをきっかけに歩みが止まった後に使われることが多い言い方です。命令形で他人に向けると、事情によっては冷たく響くこともあります。自分について語るときは、再出発への前向きな宣言として届きます。

【ここがポイント!】

  • 核は「乗り物に再び乗って動き出す」という、止まっていたものを動かすイメージ
  • 出来事を消すのではなく、生活全体を前へ進める広い射程を持つ一言
  • 他人への忠告として使うときは、相手の状況次第で重みが変わるのに注意

『メンタリスト』S05E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、同じ助言を誰もが口にしてしまう状況が浮かび上がる場面を見ていきましょう。一日だけ同行を許されたジェーンに、リズボンが車を止めて向き合います。まず同情を示したうえで、レッド・ジョンを追うのをやめるよう伝える場面です。

Jane: What about the Red John files?
(レッド・ジョンの資料は?)

Lisbon: Mr. Jane, I truly sympathize. I understand how you’re feeling. I would probably feel the same way. But nothing good will come from chasing this man. It’s the kind of obsession that destroys people. Go someplace else. Try to get on with your life.
(ジェーンさん、本当に同情します。お気持ちはわかります。私でも同じように感じるでしょう。でも、あの男を追っても何もいいことはない。ああいう執着は人を壊すの。どこか別の場所へ行って。自分の人生を前に進めなさい)

Jane: That’s just what Hannigan said.
(ハニガンにも同じことを言われましたよ)

The Mentalist Season5 Episode5 (Red Dawn)

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シーン解説と心理考察

リズボンの言葉は、突き放しではなく順序立てて組まれています。まず同情を示し、自分でも同じように感じるだろうと認めたうえで、それでも追うべきではないという結論に進む流れです。彼女なりに考えた末の忠告であることが表れています。

その重みに水を差すのが、ジェーンの一言です。数時間前にすでに別の刑事から同じ助言を受けていたことを、静かに指摘します。

反論ではなく事実の報告に過ぎない一言ですが、誰もが同じ答えしか持っていないという状況の重さがこの一言に重なっています。この直後、リズボンは翌朝の出頭を許すことになり、二人の関係が動き出すきっかけの一つになる場面でもあります。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

get on は、バスや電車に乗り込む動作を表す語です。人生という乗り物からいったん降りてしまった人に、もう一度乗って動き出そうと呼びかけている絵を思い浮かべると、この表現が出来事をなかったことにする話ではないと実感できます。乗り物は変わらず、止まっていたものが再び動き出すだけです。

劇中では、リズボンがこの言葉を口にした直後、ジェーンが「同じことを言われた」と静かに返します。助言の中身より、誰もが同じ答えに行き着いてしまう状況そのものが印象に残る場面として覚えておくと、この表現が帯びる正論としての重さも一緒に思い出せます。

例文で覚える「get on with one’s life」

前向きな再出発を語るときにも、他人への忠告として使うときにも姿を変える表現です。3つの場面で確認してみましょう。

It took me a year, but I’m finally getting on with my life.
(一年かかりましたが、ようやく前に進み始めています)
つらい時期を抜けたことを、久しぶりに会った友人に伝える場面です。進行形にすると、今まさに動き出している感じが出ます。

He needs time before he can get on with his life.
(彼が前に進めるようになるには時間が必要です)
立ち直れずにいる知人について、第三者に説明する場面です。before を挟むことで、急かしていない姿勢が伝わります。

A: How’s he doing since the divorce?
B: Slowly getting on with his life, I think.
(A:離婚してから彼はどうしてる?)
(B:少しずつ前に進んでいると思うよ)
共通の知人の近況を尋ねる、日常のさりげないやり取りです。

あわせて覚えたい関連表現

move on
(次へ進む、切り替える)
対象が特定の出来事や相手に絞られやすい表現です。get on with one’s life は生活全体が対象で、射程がより広くなります。

get over it
(乗り越える)
痛みが消えることまで含む言い方で、命令形で他人に言うとかなり冷たく響きます。この点が最大の違いです。

put something behind one
(過去のこととして置いていく)
出来事を背後に置くという位置関係の比喩です。前へ進む動きよりも、切り離す動作に焦点があります。

Note|前へ進むを表す4表現の役割分担

「前へ進む」を表す英語表現は一つではなく、対象の広さと痛みの扱い方で住み分けられています。

get on with one’s life・move on・get over it・put something behind one の4つを並べると、違いが見えてきます。get on with one’s life は生活全体が対象で、痛みが残っていても使える表現です。move on は特定の出来事や関係を離れることに焦点があり、get over it は痛みそのものが消えることまで含みます。put something behind one は、出来事を背後に置くという位置関係の比喩で、前進よりも切り離しに重心があります。特に get over it を他人への命令形で使うと強い響きになりやすいのは、痛みの消失まで求めてしまう構造があるためです。

get on with one’s life が、忠告としては比較的使いやすいとされているのも、痛みの有無を問わず生活を動かすことだけを求める射程の広さゆえと言えます。

どの語を選ぶかで、相手に求めているものの重さが変わってくるのです。

まとめ|止まっていた生活を、もう一度動かす言葉

get on with one’s life は、出来事を消すのではなく、止まっていた生活を再び動かすことに焦点を当てた表現です。

自分について語れば前向きな再出発の宣言になり、他人への忠告として使えば、状況次第で重みを持つ言葉にもなります。似た表現との違いを知っておくことで、伝えたいニュアンスに合わせた選び方ができるようになります。

つらい時期を経て前を向く場面を思い浮かべながら、表現の幅を広げてみてくださいね。

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