海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン1第6話の終盤、被害者の妻アンが事情を打ち明けたいと申し出たことを、リズボンが電話でジェーンに伝える場面があります。話を聞く前からその展開を見抜いていたようなジェーンの返しには、「勘」を表す英語表現が続けて登場します。
観察と推理を売りにするジェーンが、自分の勘をどんな言葉で説明しているのか、セリフの流れに沿って見ていきましょう。
「have an air about」―ようすから何かを感じ取る
リズボンから「アンが事情を打ち明けたがっている」と聞いたジェーンは、驚く様子もなくこう答えます。
Jane: I knew it. She had that air about her.
(やっぱりな。彼女、なんだかそんな様子だったんだ。)The Mentalist Season1 Episode6 (Red Handed)
have an air about someoneは、「その人からある種の雰囲気やようすが漂っている」ことを表す言い回しです。airには「空気」「雰囲気」という意味があり、はっきりした証拠ではなく、態度や表情からにじみ出るものを指して使われます。ジェーンが被害者の妻アンの様子から、何かを隠している気配を感じ取っていたことが、この一言から伝わってきます。
日常会話でも、”He had an air of confidence about him.”(彼にはどこか自信に満ちた雰囲気があった)のように、人物の印象をひとことで言い表す場面で使われる表現です。confidence(自信)のほかにも、mystery(謎めいた感じ)やsadness(悲しげな感じ)など、さまざまな名詞と組み合わせて使うことができます。フォーマルな響きも持ち合わせているため、日常会話だけでなく、人物評を落ち着いた調子で述べたいときにも使いやすい言い回しです。
「have a hunch」―根拠より先に働く勘
驚くリズボンから「知っていたなら、なぜ黙っていたのか」と問われたジェーンは、こう説明を続けます。
Lisbon: If you knew it, why didn’t you tell us?
Jane: It’s an exaggeration. I had a strong hunch. If I told you about every hunch, you’d get very irritated.
(分かってたなら、どうして黙ってたのよ?)
(大げさに言っただけさ。強い勘があっただけだよ。いちいち報告してたら、君もいらいらするだろう?)The Mentalist Season1 Episode6 (Red Handed)
have a hunchは、「なんとなくそんな気がする」「勘が働く」という意味の言い回しです。論理的な根拠を積み上げた結論というより、経験や直感から先に湧き上がる感覚を指します。観察眼の鋭さで周囲を驚かせるジェーンが、自分の推理をあえて「hunch(勘)」というやわらかい言葉で片付けているところに、この人物らしい飄々とした距離の取り方が見えてきます。
近い響きを持つ表現にgut feeling(直感、腹の底からの感覚)があります。hunchが「ふと浮かぶ思いつき」に近いのに対し、gut feelingは「身体の奥から湧き上がる確信」に近いニュアンスを持ち、どちらも捜査ドラマのセリフでよく使われる言い回しです。”act on a hunch”(勘を頼りに動く)のように動詞と組み合わせて使われることも多く、推理や決断の場面で登場しやすい表現です。
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| have an air about someone | 相手の態度・雰囲気から何かを感じ取る |
| have a hunch | 根拠が固まる前に働く、なんとなくの勘 |
態度から感じ取る”air”と、頭の中に浮かぶ”hunch”――どちらも、確証のないままに何かをつかみ取る感覚を言い表す表現です。
まとめ|証拠の前に動く勘を言い表す英語
“have an air about”の雰囲気を読み取る感覚と、”have a hunch”のなんとなくの勘――どちらも、はっきりした証拠より先に働く感覚を英語でどう言い表すかを教えてくれる表現です。観察眼の鋭いジェーンだからこそ、この二つの言い回しがよく似合う場面と言えます。
次回も『メンタリスト』と一緒に、セリフの中の英語を見ていきましょう。
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