海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン1第12話に登場する、アメリカの職場行事 take your daughter to work day です。研究所に若い女性たちが集まっているのを見て困惑する上司ゲイブルハウザーの反応をきっかけに、この行事について見ていきます。
子どもを職場に連れて行く日、と聞いてもすぐにはぴんと来ない読者もいるのではないでしょうか。ドラマのワンシーンをきっかけに、その成り立ちと呼び名の変化を追いかけます。
研究所に集まった若い女性たちの謎
カリフォルニア工科大学の廊下に見慣れない若い女性たちが集まっているのを見て、研究所の責任者であるゲイブルハウザーが戸惑いを見せます。事情を知るレナードが、その理由を説明します。
Gablehouser: Why are all these young women here?
(これだけの若い女性たちが、なぜここに?)Leonard: It’s take your daughter to work day.
(今日は take your daughter to work day なんです。)Gablehouser: Really, I was not aware of that.
(へえ、それは知らなかったな。)TBBT Season1 Episode12 (The Jerusalem Duality)
take your daughter to work day は、その名のとおり「娘を職場に連れて行く日」を意味する行事名です。アメリカでは1993年、女性団体である Ms. Foundation for Women の呼びかけをきっかけに始まったとされ、働く親の姿を娘に見せることで、将来の職業選択の幅を広げる狙いがありました。その後2003年には対象が息子にも広げられ、Take Our Daughters and Sons to Work Day という名称で実施されるようになっています。
このシーンで興味深いのは、研究所の責任者であるゲイブルハウザーですら Really, I was not aware of that.(へえ、それは知らなかったな)と、この行事の存在を知らなかった点です。全米規模で広がった行事とはいえ、職場や年代によって浸透度に差があることが、この一言から読み取れます。
歓迎会の挨拶でも触れられる行事名
同じ日の午後、新しく加わったデニス・キムを迎える歓迎会の場でも、ゲイブルハウザーは同じ行事名に触れます。
Gablehouser: Could I have everyone’s attention please. What a wonderful occasion this is. And how fortunate that it should happen to fall on take your daughter to work day. We’re here to welcome Mr Dennis Kim to our little family.
(皆さん、少しよろしいでしょうか。今日という日を迎えられて、実に喜ばしい限りです。しかもちょうど take your daughter to work day に重なるとは、何とも幸運なことですね。本日は、デニス・キム君を私たちの家族に迎える日でもあります。)TBBT Season1 Episode12 (The Jerusalem Duality)
how fortunate that it should happen to fall on 〜 は、「よりによって〜に重なるとは、何と幸運な」というように、偶然の一致を大げさに述べるフォーマルな言い回しです。挨拶の冒頭で使われる Could I have everyone’s attention please.(少しよろしいでしょうか)と合わせて、この行事名がスピーチの中でも自然に引用されるほど、社内の共通認識として扱われている様子がうかがえます。最初の場面でゲイブルハウザー自身がこの行事を知らなかったことと合わせて見ると、同じ職場の中でも情報の伝わり方に差があることが、二つの場面から見えてきます。
| 名称 | 対象 |
|---|---|
| Take Your Daughter To Work Day(1993年〜) | 娘のみ |
| Take Our Daughters and Sons to Work Day(2003年〜) | 娘と息子の両方 |
まとめ|職場に子どもを連れて行く日という文化
take your daughter to work day は、1990年代のアメリカで生まれ、後に対象を息子にも広げながら根づいてきた職場行事です。研究所の責任者ですら知らなかったという反応と、歓迎会の挨拶で自然に使われる場面。同じ行事名でも受け取り方に差があることが、二つのシーンから見えてきます。
『ビッグバン★セオリー』の研究所を舞台にした、こうしたアメリカの職場文化をこれからも紹介していきます。
研究所でのやり取りは、フレーズ記事やエピソードまとめでも詳しく紹介しています。
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