海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
「任せて」「頼りにしてるよ」と、誰かを当てにしたり、逆に当てにされたりする場面は、日々の暮らしの中にたくさんありますよね。
そんなときに使える「count on」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン1第12話の研究室のシーン、学長から重要な任務を命じられたシェルドンが胸を張って請け合う場面から、一緒に見ていきましょう。
「count on」の意味とニュアンス
count on
意味:〜を頼りにする/当てにする/信頼する/期待する
count は「数える」、on は「〜の上に」。直訳すると「〜を勘定に入れる」となります。その人や物が「必ず役割を果たす」と見込んで、自分の計算に入れることを表します。
このフレーズには、信頼と期待の両方が込められています。You can count on me.(任せて/頼っていいよ)は、相手に「自分は当てになる」と伝える決まり文句です。人を目的語にすれば「あの人を頼りにする」、物事を目的語にすれば「その状況を当てにする」となり、Don’t count on it.(当てにしないほうがいい)のように否定形でもよく使われます。日常からビジネスまで活躍する、実用度の高い表現です。
【ここがポイント!】
- 核は「この人(物)は確実な戦力」と自分の計算に入れるイメージ
- 信頼と期待の両方がこもる、温かみのある言い回し
- 人にも状況にも使え、否定形「当てにするな」もそのまま使えるのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S01E12のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
学長ガブルハウザーから「天才少年デニスを必ず引き入れろ」と命じられたシェルドン。表向きは頼もしく請け合いますが、その直後、別のことに気を取られて態度が一変します。
Gablehouser: We want him here boys, make it happen.
(彼に来てほしいんだ、何とかしてくれ。)Leonard: Yes sir.
(はい、わかりました。)Sheldon: You can count on us, we’re on it.
(お任せください、取りかかります。)The Big Bang Theory Season1 Episode12(The Jerusalem Duality)
シーン解説と心理考察
“You can count on us.” と胸を張るシェルドンの頼もしさが、ほんの一瞬で崩れていくところに、このシーンの可笑しさがにじみます。請け合った直後、彼は少年に研究を否定されたことを思い出し、急に食ってかかる――言葉と本心のずれが、彼らしさとして表れています。
count on は本来「私は当てになる」という頼もしい宣言です。ところがシェルドンの場合、その言葉が口先だけで、すぐに自分のプライドの方へ関心が移ってしまう。請け合いの言葉がいかに簡単に上滑りするかを、直後の話題転換が会話の温度を変えて見せています。頼もしい返事と本心のギャップが、短いやり取りの中で際立っています。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
指を折りながら「この人は確実に一人分の戦力」と数え入れている場面を思い描いてみてください。count(数える)+ on(〜に乗せて)で、「頼れる人を自分の計算の土台に乗せる」というイメージが浮かびます。
シェルドンが学長に “count on us(お任せを)” と胸を張る、あの一瞬の頼もしさ。請け合いとは「相手を自分の計算に入れること」だと結びつければ、count on の核がそのまま記憶に残ります。
例文で覚える「count on」
「当てにする」というこの表現は、人にも状況にも使えて幅が広いのが特徴です。3つの例文で使い方を見ていきましょう。
You can count on me. I won’t let you down.
(頼りにしていいよ。がっかりさせないから。)
相手に信頼を約束する場面です。最もよく使われる、決まり文句のパターンです。
Don’t count on the weather staying nice all weekend.
(週末ずっと天気がいいなんて当てにしないほうがいいよ。)
不確実なことへの期待を戒める場面です。人だけでなく、状況や物事を目的語にできることが分かります。
A: Can I count on your help with the move on Saturday?
B: Of course. I’ll be there at nine.
(A:土曜の引っ越し、手伝いを当てにしていい?)
(B:もちろん。9時に行くよ。)
友人同士の会話で協力を取りつける場面です。Can I count on 〜? で、やわらかく頼みごとを確認できます。
あわせて覚えたい関連表現
rely on
(〜に頼る/依存する)
ほぼ同義ですが、やや硬めで客観的な響きです。count on のほうが口語的で、「期待・信頼」の感情がこもります。You can rely on me. より You can count on me. のほうが温かい印象を与えます。
depend on
(〜次第である/〜に依存する)
「〜に左右される」という条件の意味も持つ点が特徴です(It depends. など)。count on は「当てにする」一択で、条件のニュアンスを含まないところが違います。
bank on
(〜を当てにする/〜に賭ける)
より口語的で、「強く見込む・賭ける」というニュアンスがあります。count on よりもリスクを伴う期待に使われやすい表現です。
Note|「数える」がなぜ「頼る」になるのか
You can count on me. の count は、もちろん「数える」のあの count です。数を数える動詞が、どうして「頼りにする」という意味になるのでしょうか。
鍵は on にあります。count on someone を文字どおりにたどると、「誰かを(数の)上に乗せて数える」、つまり「その人を自分の計画の頭数に加える」となります。何かを成し遂げようとするとき、「あいつは確実に一人分働く」と当てにできる人を、戦力として勘定に入れる――そこから「頼りにする・当てにする」という意味が育ちました。似た発想は数字の世界から来た表現に共通していて、たとえば bank on は「銀行に預ける」、つまり「確実に戻ってくるものとして見込む」イメージから「当てにする」を表します。count on が「頭数に入れる」なら、bank on は「資産として預ける」。どちらも、信頼を数量的・経済的なものに置き換えて捉える英語の発想がうかがえます。
この成り立ちを知ると、count on が単なる「頼る」よりも、「確実な戦力として計算に入れる」という前向きで具体的な信頼を含むことが見えてきます。シェルドンの “You can count on us.” も、本来はそういう力強い請け合いだったわけです。
数えるという行為の先に、信頼の言葉が立ち上がってくる。言葉の来歴が見えてきます。
まとめ|「当てにできる人」を計算に入れる言葉
count on は、その人や物が確実に役割を果たすと見込んで、自分の計算に入れる――そんな信頼と期待のこもった表現です。rely on よりも温かく、相手に「あなたを頼りにしている」と伝える力を持っています。
この一言が自然に使えると、「任せて」と請け合う場面でも、「頼りにしてるよ」と伝える場面でも、相手との信頼が言葉になって伝わります。否定形の「当てにしないで」まで含めて、人間関係の機微を表せる表現です。
誰かを頼りにする場面、誰かに頼られる場面を思い浮かべながら、会話のレパートリーに加えてみてください。


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