「at stake」の意味と使い方|『BONES ―骨は語る―』S11E22で学ぶ英会話

「at stake」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

「これに失敗したら大きなものを失う」——そんな、後がない状況で交渉や決断を迫られた経験はありませんか。

そんな緊迫した場面で使われるのが「at stake」、つまり「危機に瀕している、懸かっている」を表す表現です。『BONES ―骨は語る―』シーズン11第22話の中盤、守秘義務を盾に協力を渋る医師に、ブースが切り込む心理クリニックのシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「at stake」の意味とニュアンス

at stake
意味:危機に瀕している、(失う恐れがあって)懸かっている

大切なもの——命、評判、お金、将来など——が失われるかもしれない、緊迫した状況を表す表現です。be 動詞と組み合わせて「〜 is at stake」の形で使い、何が懸かっているかを主語に置きます。

stake はもともと、賭け事で賭け金として置く「杭」を指す言葉。そこから「勝負次第で失うかもしれないもの」という意味が生まれ、at stake で「賭けの場に出ている=失われる恐れがある」状態を表すようになりました。「Lives are at stake(命が懸かっている)」「My reputation is at stake(評判が懸かっている)」のように、重大な決断や交渉、危機の説明など、「ここでしくじったら取り返しがつかない」場面で力を発揮します。a lot at stake(多くが懸かっている)という形もよく使われます。

【ここがポイント!】

  • 核は「失うかもしれない大切なものが、賭けの場に出ている」状態
  • 「〜 is at stake」の形で、懸かっているものを主語に置くのが基本
  • 命・評判・将来など、重みのあるものと組み合わさると効果的な一言

『BONES ―骨は語る―』S11E22のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

被害者の心理療法を担当していた医師フォークのもとを、ブースとブレナンが訪ねます。フォークは「医師と患者の守秘義務は破れない」と協力を渋りますが、ブースは「人の命が懸かっている」と一歩踏み込みます。すると医師は態度を一転させ、答えられる範囲で協力すると応じるのです。

Dr. Faulk: I’m happy to do whatever I can do to be of assistance, however, that said, I can’t breach doctor-patient confidentiality.
(できる限り力にはなりたい。ただ、それでも医師と患者の守秘義務は破れません。)

Booth: What if I told you other people’s lives are at stake?
(他人の命が懸かっていると言ったら、どうします?)

Dr. Faulk: I see. Well, then, please, ask. I’ll do what I can to answer.
(なるほど。では、どうぞ訊いてください。できる限りお答えします。)

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シーン解説と心理考察

守秘義務という職業上の原則と、人の命という重み——その二つを天秤にかける緊張が、このやり取りに表れています。フォークは丁寧ながらも一線を引き、ブースはその壁を「命が at stake だ」という一言でこじ開けにかかります。

注目したいのは、ブースが声を荒げるのではなく、What if 〜? という問いの形で迫っているところ。「もし命が懸かっているとしたら?」と仮定を投げかけることで、相手自身に原則と人命を秤にかけさせ、答えを引き出していく駆け引きがにじむ場面です。交渉のプロらしい、静かで的確な一押しがこの場面の見どころです。at stake が、相手の倫理観に直接訴える切り札として会話の温度を変えています。

『BONES ―骨は語る―』流・覚え方のコツ

このフレーズは、「テーブルに置かれた賭け金」で覚えるのがおすすめです。ポーカーのテーブルの中央に、自分の大切なものを賭け金として差し出す——勝負次第でそれを失うかもしれない、あの張りつめた空気を思い浮かべてみてください。

劇中のブースは、「人の命」という何より重い賭け金をテーブルの上に置いて、医師に決断を迫りました。at stake は、その「失うかもしれないものが、いま場に出ている」状態を指す言葉です。大切なものをそっと台の上に置く手の動きと、それを見つめる緊張感を一緒にイメージすると、stake の語感ごと記憶に残ります。

例文で覚える「at stake」

懸かっているものを主語に置くこのフレーズは、重大さを伝えたい場面で活躍します。場面の違う3つの例文で、使い方の幅を見てみましょう。

Thousands of jobs are at stake if the factory closes.
(工場が閉鎖されれば、何千もの雇用が危機に瀕する。)
重大な決定がもたらす影響を訴える、フォーマルな一文です。失われうるものを主語に置くことで、事の深刻さがひと目で伝わります。

My reputation is at stake, so I have to get this right.
(私の評判が懸かっているから、これは絶対に成功させないと。)
責任の重さを語る場面です。reputation(評判)との相性がよく、「失敗できない」という覚悟がにじみます。

A: Why are you being so careful with this presentation?
B: There’s a lot at stake — if it goes wrong, we lose the client.
(A:なんでそのプレゼン、そんなに慎重なの?)
(B:いろいろ懸かってるんだ。しくじったら、あの顧客を失う。)
同僚同士で、慎重になっている理由を説明する場面です。a lot at stake で「多くが懸かっている」と、漠然とした重みを手早く伝えられます。

あわせて覚えたい関連表現

on the line
(危険にさらされて、懸かって)
at stake とほぼ同じ意味で使える口語表現です(My job is on the line=職が懸かっている)。at stake よりややくだけた響きで、職・評判・命などと組み合わせて、日常会話でも気軽に使えます。

in jeopardy
(危機にさらされて)
「危険な状態にある」ことに焦点を当てた、ややフォーマルな表現です。at stake が「賭けとして失われうる」というニュアンスを含むのに対し、in jeopardy は単に「危うい状況だ」と状態を述べる点が異なります。

hang in the balance
(どちらに転ぶか分からない、宙ぶらりんで懸かっている)
天秤が傾く前のように、結果が未確定で運命が左右される状況を強調する表現です。at stake が「何が懸かっているか」に重きを置くのに対し、こちらは「結末がまだ分からない」という宙づりの緊張を描きます。

Note|stake は「賭け金の杭」―語源からたどる at stake

at stake の stake には、いくつかの顔があります。「杭・棒」を指すこともあれば、「賭け金」や「利害・出資」を指すこともある——この一見バラバラな意味は、実は一本の線でつながっています。

stake はもともと、地面に打ち込む「杭・棒」を意味する古い英語の言葉でした。その杭が、賭け事の場で特別な役割を持つようになります。賭けの参加者が、自分の賭け金や賞品を杭に掛けたり、杭のそばに置いたりして「これを賭ける」と示した、という説が知られています。ここから stake は「賭け金」そのものを指すようになり、at stake は「賭けの場に出されている=勝負次第で失われうる」状態を表す慣用句になりました。さらに時代が下ると、この「失う恐れのあるもの」という発想がビジネスにも広がり、stakeholder(利害関係者=その事業に何かを賭けている人)や、raise the stakes(賭け金を上げる=リスクや緊張を高める)といった派生表現が生まれていきます。一本の杭から、これだけの語彙が枝分かれしているのです。

こうした成り立ちを知ると、at stake が単なる「危機」ではなく、「自分の大切なものを賭けの場に差し出している」という、ひりつくような緊張を帯びた言葉だと分かります。劇中のブースが置いた賭け金は、ほかでもない「人の命」でした。

杭一本に込められた歴史が、たった二語の重みを支えています。

まとめ|ブースが置いた「賭け金」から学ぶ at stake

at stake は、命や評判、将来といった大切なものが失われるかもしれない、緊迫した状況を表す表現です。「〜 is at stake」の形で、何が懸かっているのかを主語に置くのが基本の使い方になります。

この一言を知っておくと、「ここで失敗したら大きなものを失う」という状況の重さを、ひと言で的確に伝えられます。交渉や説得の場面で、相手に事の深刻さを実感させる切り札にもなる表現です。

後がない場面の張りつめた空気を言葉にしたいとき、その重みを担う一言として、表現の引き出しに加えてみてください。

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