海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン1第12話に登場する、年下の天才に自尊心を脅かされたときについ漏れてしまう本音の英語表現です。カリフォルニア工科大学に十五歳の天才少年が加わったことで、研究者として長年築いてきた自信を大きく揺さぶられるシェルドンの様子を追いかけます。
自分よりずっと若く優秀な相手が現れたときの複雑な気持ちは、誰にとっても他人事ではないのではないでしょうか。そんな場面で交わされる、遠回しな愚痴の切り出し方や、友人からの支え方の英語を見ていきます。
「もう〜されている」とこぼす愚痴と、自虐の言い方
研究所に現れた十五歳の天才、デニス・キムに研究内容を訂正されたシェルドンは、その晩ペニーの部屋での夕食の場でも上の空です。様子がおかしいことに気づいたレナードが、遠回しに事情を尋ねます。
Leonard: Something you’d like to share? A tale of woe perhaps.
(何か話したいことでも? 悲しい身の上話とか。)Sheldon: Fifteen years old. Dennis Kim is fifteen years old, and he’s already correcting my work. Today I went from being Wolfgang Amadeus Mozart to… you know, that other guy.
(十五歳だ。デニス・キムは十五歳にして、もう僕の研究を訂正している。今日という日で、僕はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトから…ほら、あのもう一人の方に転落した。)Howard: Antonio Salieri?
(アントニオ・サリエリか?)Sheldon: Oh, God, now even you’re smarter than me.
(ああもう、これで君にまで頭で負けたことになる。)TBBT Season1 Episode12 (The Jerusalem Duality)
Something you’d like to share? は、深刻な話を無理に聞き出すのではなく、相手が自分から話し出すのを待つ、遠回しな聞き方です。続く a tale of woe は「悲しい身の上話」を指すやや古風な言い回しで、からかい半分の水の向け方によく合います。
シェルドンの返答にある already + 過去分詞 の形は、「もうすでに〜されてしまっている」という進行中の深刻さを語るときに便利な型です。he’s already correcting my work は、まだ状況が終わっていない、今この瞬間も続いている、というニュアンスを運びます。
さらに even + 対象 を使った now even you’re smarter than me は、「(普段は自分より下だと思っていた)君にまで」という意外性を強調する自虐的な比較の言い方です。
振り回されるな、と発破をかける友人の言い方
落ち込みが収まらないシェルドンに対し、レナードは核心を突く一言を投げかけます。
Leonard: You can’t let this kid get to you. You always knew that someday someone would come along who was younger and smarter.
(あの子にそこまで振り回されちゃだめだよ。いつか自分より若くて賢い誰かが現れるって、前からわかっていたことじゃないか。)TBBT Season1 Episode12 (The Jerusalem Duality)
let X get to you は、「Xに心を乱される、こたえる」という意味の句動詞です。you can’t let this kid get to you のように can’t let 〜 の形と組み合わせることで、「〜のせいで自分を見失うな」という忠告になります。感情そのものを主語にせず、let という一語で相手に判断を委ねる分だけ、押し付けがましさが薄まる言い方でもあります。
それでも拗ねた様子を崩さないシェルドンに、レナードはさらに一言たたみかけます。
Leonard: Well, what are you going to do, Sheldon, give up?
(で、どうするんだよシェルドン、諦めるのか?)TBBT Season1 Episode12 (The Jerusalem Duality)
give up? は、それだけで「諦めるのか?」という開き直りを促す聞き方になる、シンプルな一語です。what are you going to do, Sheldon, give up? のように問いの形で突きつけることで、相手に選択を迫るニュアンスが生まれます。
| 表現 | ニュアンス |
|---|---|
| already + 過去分詞 | すでに〜されている、進行中の深刻さを語る言い方 |
| even + 対象 | 〜にまで、という意外性を強調する自虐的な比較 |
| let X get to you | Xに心を乱される、こたえるという意味の句動詞 |
| give up? | 諦めるのか、と開き直りを促す一語の聞き方 |
まとめ|年下の天才を前にした本音は、遠回しな言い方に表れる
Something you’d like to share? のような遠回しな聞き方、already や even を使った自虐的な語り方、let X get to you や give up? を使った友人の支え方。年下の優秀な相手に自尊心を脅かされたときの、それぞれの立場からの本音の出し方が、このシーンには詰まっています。
次回も『ビッグバン★セオリー』のキャラクターたちと一緒に、英語表現を追いかけていきましょう。
このエピソードで交わされる会話は、フレーズ記事やエピソードまとめでもあわせて紹介しています。
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