「have one’s fingers crossed」の意味と使い方|『メンタリスト』S05E01で学ぶ英会話

「have one's fingers crossed」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

「約束は守るよ」と言いながら、実は心の中で舌を出していた。そんな子どもじみたずるさに、思わず笑ってしまった経験はありませんか。

そんな場面で登場するのがhave one’s fingers crossed。「指を交差させておいた」、つまり約束を本気にしていなかったという意味の言い方です。『メンタリスト』シーズン5第1話、ジェーンが上司への約束を早々に破ったことを追及されるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「have one’s fingers crossed」の意味とニュアンス

have one’s fingers crossed
意味:指を交差させて幸運を祈る、または約束を無効にする言い訳をする

中指を人差し指に重ねる仕草を指し、大きく2つの使われ方があります。相手に見えるところで行えば「うまくいきますように」という祈りの合図になり、相手に見えないところで行えば「今の約束は無効」という子どもじみた言い訳になります。

同じ形の仕草が、見せるか隠すかだけで正反対の意味に切り替わるのがこの表現の面白さです。keep one’s fingers crossed の形で祈りの意味を表すことが多く、過去形の had one’s fingers crossed は、約束を破った側の開き直りとして使われがちです。

【ここがポイント!】

  • 指を交差させる同じ仕草が、祈りにも言い訳にもなる二面性
  • 見せれば願掛け、隠せば約束の無効化という使い分けが核
  • 過去形で使われると「本気ではなかった」という開き直りに読める一言

『メンタリスト』S05E01のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

被害者の部屋から持ち出した写真をFBI捜査対象の財布に忍ばせ、無関係の男を「容疑者」に仕立てて厄介なFBIを追い払ったジェーン。上司バートラムへの誓いを破ったばかりだと、リズボンに突きつけられます。

Lisbon: You know full well that is illegal in 20 different ways. What about your promise to Bertram?
(それが20通りくらい違法だって、よく分かってるでしょう。バートラムへの約束はどうなったの?)

Jane: I had my fingers crossed. Didn’t you wish for Mancini and Smith to just disappear?
(指を交差させておいたからね。マンシーニとスミスに消えてほしいと願ってなかったかい?)

Lisbon: That is not the point.
(そういう問題じゃないの。)

The Mentalist Season5 Episode1(The Crimson Ticket)

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シーン解説と心理考察

ジェーンの返答には、悪びれる様子がまったく感じられません。子どもが背中で指を交差させて約束を無効にする、あの仕草をそのまま大人の会話に持ち込んでいる図々しさが表れています。

しかも彼は、そのまま「君だって同じことを願っていただろう」と話の矛先を変えてしまいます。リズボンの「そういう問題じゃない」という切り返しは、その理屈ごと正面から拒否する姿勢がにじむ一言です。

この短いやり取りには、ルールを重んじるリズボンと、結果さえ出せば手段は問わないジェーンという、2人の価値観の違いがそのまま凝縮されています。軽い言い訳のはずが、彼の行動原理そのものを物語る一言になっている点が見どころです。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

両手を前に出して、指を交差させたまま笑っている場面を思い浮かべてみてください。見せれば「うまくいきますように」、隠せば「今の話はなかったことに」。同じポーズが正反対の意味を持つのは、その手が見えているかどうかだけの違いです。

ジェーンが上司への誓いを破った直後にこの一言を口にする場面と、指を隠したまま澄ました顔をしている絵をセットで思い出せば、祈りの意味しか知らなかった人にも、もう一つの顔が自然と定着します。

例文で覚える「have one’s fingers crossed」

祈りの意味で使う場面が多く、日常会話でとても身近な表現です。

I’ll keep my fingers crossed for your interview tomorrow.
(明日の面接、うまくいくよう祈ってるね。)
友人を励ますときの定番の言い方です。keep の形が最も一般的で、これから先の結果を祈るニュアンスになります。

A: We’re still waiting on the test results.
B: Fingers crossed everything comes back fine.
(A:まだ検査結果を待っているところなんだ。)
(B:何もかも問題ないといいね。)
結果待ちの不安を分かち合う会話形式です。主語と動詞を省いた Fingers crossed だけの形もよく使われます。

He promised he’d call, but I think he had his fingers crossed.
(電話すると約束したけど、本気じゃなかったんだと思う。)
相手の約束を信じきれないと打ち明ける場面です。過去形にすると、劇中のジェーンと同じ「約束を無効にする」側の意味になります。

あわせて覚えたい関連表現

knock on wood
(木を叩く、縁起直しをする)
口にした幸運が逃げないよう厄除けをする仕草です。これから先を願う have one’s fingers crossed とは、向いている時間の方向が異なります。

break a leg
(成功を祈る)
舞台や発表など、人前に立つ本番に限って使われる決まり文句です。fingers crossed が結果待ち全般に使えるのに対し、こちらは特定の場面専用です。

wish someone luck
(幸運を祈る)
仕草を伴わない一般的な言い方です。fingers crossed のような、見せるか隠すかで意味が変わる二重性はありません。

Note|見せる指と、隠す指

同じ仕草が、見せれば祈り、隠せば嘘の免罪符として働く。この二重性は、英語圏の子どもの遊びの作法として広く共有されてきたものです。

指を交差させておけば、その場でついた小さな嘘や破った約束が「本気ではなかったこと」になる、というルールは、子ども同士の遊びの中で暗黙のうちに受け継がれてきました。大人になってからこの仕草を持ち出すのは、本来は子ども時代の免罪符を、真面目な場面にわざと持ち込む一種のおどけた開き直りにあたります。

ジェーンがまさにこの調子で口にしているのが印象的で、上司への誓いという重い約束を、子どもの遊びのルールで片づけようとしている構図が浮かび上がります。祈りの仕草としての fingers crossed が世界的に広く知られているのに対し、免罪符としての使われ方は英語圏の文化的背景を知らないと読み取りにくい側面かもしれません。

一つの仕草に、正反対の役割が同居している。そのことを知っているだけで、この表現の奥行きがぐっと広がります。

まとめ|約束を無効にする、大人げない仕草

have one’s fingers crossed は、指を交差させることで幸運を祈る、あるいは自分がついた約束を心の中で無効にしていたと開き直る表現です。

祈りの意味で使う場面が圧倒的に多いものの、過去形で使われたときは、劇中のジェーンのような「本気ではなかった」という開き直りの合図になります。同じ仕草が見せ方ひとつで正反対の意味になる、そんな英語ならではの表情の豊かさが、このフレーズには詰まっていました。

結果を祈りたい場面でも、ちょっとしたユーモアを添えたい場面でも、表現の引き出しに加えてみてくださいね。

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