「hit the ground running」の意味と使い方|『メンタリスト』S04E02で学ぶ英会話

「hit the ground running」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

新しい職場の初日に、挨拶もそこそこで「じゃあ早速これをお願い」と仕事を渡されて、少し面食らった経験はありませんか。

そんな場面で飛び出す「hit the ground running」は、新しい活動をすぐ力強く、効果的に始めることを表します。『メンタリスト』シーズン4第2話の冒頭、上層部のベルトラムがコンサルタントとして復帰したジェーンに、次の事件現場の住所をその場で差し出すシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「hit the ground running」の意味とニュアンス

hit the ground running
意味:新しい活動をすぐ力強く始める

直訳すると、走りながら地面に着地する、となります。普通なら着地して、体勢を整えて、それから走り出す。その真ん中の段階をまるごと省いてしまうのがこの表現です。

指しているのは、新しい活動や課題に取りかかるとき、準備に長く時間をかけず、すぐ勢いよく進み始めることです。転職や異動の初日だけでなく、新規プロジェクト、会議、試合、キャンペーンなどにも使えます。start が開始の事実を述べるのに対して、こちらは立ち上がりの速さや有効さに焦点を当てます。

主語になるのは人が中心ですが、チームや組織にも使えます。求人や採用の文脈では、新しい役割にすぐ取り組み、早く貢献できる人への期待を示すことがあります。相手の準備が整っていない状況で使えば、早い立ち上がりを求める圧力として受け取られることもあります。

【ここがポイント!】

  • 着地した瞬間にはもう走っている、という時間の詰まり方が核になる一言
  • 仕事に限らず、新しい活動・課題をすぐ力強く始める場面で使える表現
  • 求人の文面に出てきたら、早い立ち上がりを期待する表現として読むのがコツ

『メンタリスト』S04E02のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

レッド・ジョンの一件が片づいた直後、CBIではジェーンがコンサルタントとして呼び戻される一方、リズボンは停職処分を受けています。その決定を告げるのが上層部のベルトラムです。納得のいかないジェーンに対して、彼は議論を続けさせないまま次の事件の住所を差し出します。この一言が出るのは、まさにそのタイミングです。

Bertram: Uh, Haffner and his team already caught another case. Here’s the address. You can hit the ground running.
(ハフナーのチームがもう次の事件を抱えている。住所はこれだ。すぐ動き始められるぞ。)

Jane: No, I don’t think so.
(いえ、やめておきます。)

The Mentalist Season4 Episode2 (赤い手帳)

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シーン解説と心理考察

ベルトラムが並べているのは、責任の所在と、次の仕事の段取りです。処分の話を終える前に住所を渡してしまう運びに、この会話を早く畳みたいという意図が表れています。hit the ground running は、その段取りの締めくくりとして置かれた一言です。もう準備は整っている、あとは走るだけだ、と告げることで、抗議の余地を塞いでいます。

一方のジェーンは、条件そのものを受け取りません。返答は五語だけで、理由も説明もありません。長い理屈を並べたベルトラムに対して、最短の否定だけを返す落差が会話の温度を変えています。相棒を外した上で仕事だけを渡すという取引に乗らない姿勢が、この短さににじむ場面です。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

飛行機から降りた人が、足が地面に触れた瞬間にはもう走り出している。この一枚の絵だけで、表現の中身はほぼ足ります。着地して、立ち上がって、走り出す。三段階のうち真ん中が抜け落ちているところが、この言い回しの正体です。

ドラマの場面と重ねるなら、ベルトラムが差し出す一枚の紙を思い浮かべてみましょう。引き継ぎもなければ挨拶もなく、現場の住所だけが手渡されます。その紙を受け取らずに立ち去るジェーンまで含めて覚えておくと、「走れと言われて、走らなかった人」という対比で記憶に残ります。

例文で覚える「hit the ground running」

準備期間を置かずに走り出す、という一点さえ押さえれば応用は簡単です。仕事の場面を中心に、三つの使い方を見ていきましょう。

She hit the ground running on her first day and closed two deals before lunch.
(彼女は初日から全開で動いて、昼までに二件の契約をまとめました。)
同僚の働きぶりを上司に報告する場面です。過去形で使うと、実際に走り出した結果まで含めて伝えられます。

We’re looking for someone who can hit the ground running — there’s no time to train anyone.
(すぐに戦力になれる人を探しています。誰かを育てている時間はないので。)
採用要件を説明する会議での一言です。求人の文面にも現れ、新しい役割にすぐ取り組める人を求めていることが伝わります。

A: How’s the new project manager working out?
B: Great. She hit the ground running and already fixed the schedule.
(A:新しいプロジェクトマネージャーはどう?)
(B:いい感じだよ。着任早々動いて、もうスケジュールを立て直した。)
職場の雑談で人事の評価を交わす場面です。相手の問いに対して、成果ではなく立ち上がりの速さで答えているところがこの表現らしい使い方になります。

あわせて覚えたい関連表現

get up to speed
(必要な水準まで慣れる、状況に追いつく)
こちらは「これから速くなる」段階を指します。習熟の過程があることを前提にしている点で、最初から速い hit the ground running とは向きが逆です。

jump right in
(前置きなしにいきなり本題へ入る)
準備を省く点は共通していますが、焦点は始め方の勢いにあり、その後の成果までは含みません。劇中でもハフナーが初対面のジェーンに近い言い方をしています。

be up and running
(稼働している)
主語が仕組みやシステムになりやすく、立ち上がりの速さではなく現に動いている状態を指します。人の初動を語る場面では入れ替えができません。

Note|即戦力を求める言葉が映す、準備の責任

hit the ground running は、立ち上がりの速さを肯定的に評価するときによく使われます。新任者が早く成果を出した、準備してきたチームが初日から機能した、といった文脈なら素直な褒め言葉です。

一方、求人や上司の指示で「hit the ground running できる人」を求めると、研修や引き継ぎに十分な時間を取れないという含みまで伝わることがあります。表現そのものが不当なのではなく、必要な情報や権限が渡されているかで、期待と圧力のどちらに聞こえるかが変わります。

劇中のベルトラムは、停職と配置転換の説明を終えると、ジェーンへ住所を渡してすぐ次の事件に向かわせようとします。ここでは新しい職場への着任より、組織側が準備時間を与えず次の課題を始めさせる働きが前面に出ています。

使う側は、速さだけでなく走り出せる条件が整っているかも考える必要があります。受け取る側は、称賛なのか即応の要求なのかを、主語と状況から読み分けます。

走り出しの速さは、本人の能力だけでなく、スタート地点を誰が整えたかも映します。

まとめ|立ち上がりの速さを一言で

hit the ground running が伝えているのは、能力の高さそのものではなく、活動の立ち上がりが速く、力強く、効果的であることです。仕事の着任時に限らず、新しい課題や計画が始まる場面で使えます。

この一語を知っていると、求人の文面や上司の言葉の裏側が読み取りやすくなります。研修は用意されていないのか、それとも単に期待されているだけなのか。同じ表現でも、誰が誰に向けて言うかで温度がまるで変わります。

新しい何かが始まる場面に出会ったとき、表現の引き出しに加えてみてください。

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