「pick up where one left off」の意味と使い方|『メンタリスト』S05E18で学ぶ英会話

「pick up where one left off」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

中断していた打ち合わせに戻ってきて、「じゃあ、さっきの続きから」と切り出すような場面があります。前回の内容を一から説明し直すのではなく、止まった地点をそのまま拾い上げる言い方です。

そんなときに使える「pick up where one left off」を、『メンタリスト』シーズン5第18話の序盤、被害者の元恋人をチョウが取り調べるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「pick up where one left off」の意味とニュアンス

pick up where one left off
意味:中断したところから再開する、続きから始める

leave off は「途中でやめる、中断する」を表します。pick up は落ちているものを拾い上げる動作で、ここでは中断した地点を拾い直すという絵になります。二つを合わせて、止まった場所をそのまま引き継いで再開する、という意味になります。

大きな特徴は、間が空いたことを認めたうえで、その空白を埋めずに飛び越える点です。これまでの積み上げが失われていないという前提が、言葉の中に含まれています。

対象は幅広く、会議や作業のような具体的な手順にも、会話や人間関係のような目に見えないものにも使えます。where we left off、where they left off のように主語を変えて使い、時制は文脈に応じて変わります。中立的な響きの表現ですが、人間関係に使うと「あの続きが再び始まった」という含みが生まれます。

【ここがポイント!】

  • 核にあるのは、落としたものを拾い直すように中断地点を拾い上げる動き
  • 空いた時間を埋めるのではなく、飛び越えて前の続きに戻る一言
  • 会議にも人間関係にも使えるので、何が再開したのかは文脈から読むのがコツ

『メンタリスト』S05E18のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

被害者の元恋人ビリー・ラシーンを、チョウが取り調べている場面です。二人はニューヨークへ発つ前に激しい交際をしていて、大声の言い争いや壁を殴るような出来事もありました。彼女が1か月前に戻ってきてから、その関係がどうなったのかをチョウが探ります。事務的な言葉選びのまま、いちばん重い可能性を差し出しているところに注目です。

Cho: You two had quite the tempestuous relationship before she moved to New York. Shouting matches. You even put your fist through a wall. Did you pick up where you left off when she came back a month ago?
(彼女がニューヨークへ移る前、あんたたちはずいぶん荒れた関係だった。怒鳴り合い。壁を殴って穴を開けたこともある。1か月前に戻ってきてから、あの続きが始まったのか?)

Racine: Don’t even try to pin this on me. I know what’s happened, and I didn’t kill her.
(俺になすりつけようとするな。何があったかは知ってる。だが俺は殺してない)

Cho: Why should I believe you?
(なぜ信じられる?)

Racine: Because I would never put my hands on that girl. I loved her.
(あの子に手を上げるなんて絶対にしない。愛してたんだ)

The Mentalist Season5 Episode18 (Behind the Red Curtain)

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シーン解説と心理考察

チョウの質問の組み立て方に、この人物の取り調べの型が表れています。まず過去の事実だけを短い文で三つ積み、そのうえで pick up where you left off と尋ねます。荒れた関係が再燃したのかと直接聞かず、中立的な句を選んでいるところが特徴です。

この言い方には、相手が答えやすい入口という側面もあります。よりを戻したのかと聞かれれば否定しやすいものの、続きから始まったのかという問いは、事実確認の形をしているため反論しにくくなります。感情を交えない語の選び方が、そのまま圧力として働いています。

ラシーンの返しは、質問に答えないまま先回りして否定に入るものです。聞かれていない殺害の話を自分から持ち出す反応に、この問いをどう受け取ったかがにじみます。愛していたという一言で締める組み立ても、事実の説明ではなく心情の主張に逃げた形と読めます。取調室では、答え方そのものが情報になる場面です。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

本にしおりを挟んで閉じ、しばらくしてからまた開く場面を思い浮かべてみてください。読んでいなかった期間がどれだけ空いていても、しおりのページを開けばそこから続きが始まります。前に戻って読み直すのでも、最初のページに戻るのでもありません。

pick up where one left off が指しているのは、このしおりを拾い上げる動きです。チョウの質問が重く響くのも、二人の関係にしおりが挟まったままだったという前提を、言葉の中に忍ばせているからにほかなりません。中断した会議、途中で止まった作業、連絡が途絶えていた相手。どれも見えないしおりが挟まっていると思うと、この表現の守備範囲の広さがつかめます。

例文で覚える「pick up where one left off」

仕事の場面でも私的な場面でも同じ形で使える表現です。三つの場面で、何が再開したのかの違いを見てみましょう。

Let’s pick up where we left off yesterday.
(昨日の続きから始めましょう)
会議の冒頭で進行役が口にする一言です。前回の要約を省いて本題へ入る合図になり、時間が限られている場面で重宝します。

We hadn’t seen each other in ten years, but we just picked up where we left off.
(10年ぶりに会ったのに、まるで空白がなかったみたいに話せた)
旧友との再会を振り返る場面です。空いた年数に触れながら、それが関係に影響しなかったことを一文で示せます。

A: Sorry, my call ran long. Where were we?
B: No problem. Let’s pick up where we left off.
(A:ごめん、電話が長引いて。どこまで話したっけ?)
(B:大丈夫。さっきの続きからいこう)
中断をはさんだ打ち合わせの場面です。相手の遅れを責めない返しとして、そのまま定型で使えます。

あわせて覚えたい関連表現

resume
(再開する)
一語で同じ内容を表す、書き言葉寄りの動詞です。pick up where one left off が「どこから」を明示するのに対し、resume は再開という事実だけを伝えます。

take it from here
(ここから先は引き継ぐ)
同じく中断地点を起点にしますが、続けるのが別の人である点が違います。担当が交代する場面で使われる表現です。

start from scratch
(一からやり直す)
積み上げをすべて捨てて最初に戻る言い方で、pick up where one left off とはちょうど逆の方向を向いています。二つを対にして覚えると輪郭がはっきりします。

Note|会議でも取調室でも使える、再開の一言

pick up where one left off は、会議室で聞いても取調室で聞いても違和感のない表現です。同じ一言がここまで幅広い場面をまたげるのは、英語の言い回しとしてはむしろ珍しい部類に入ります。

理由は、この句が評価を含んでいないところにあります。再開の是非にも、空いた期間の長さにも、話し手の判断が入りません。あるのは「止まった地点から続ける」という手続きの説明だけです。そのため、議事録に書いても不自然にならず、友人との雑談でも硬くなりません。let’s pick up where we left off はビジネスメールの定型として広く使われ、社内会議の再開連絡から国際交渉の再開報道まで、同じ形のまま登場します。

比較のために、近い意味を持つ語を並べてみます。resume は硬く、日常会話ではやや事務的に響きます。get back to it はくだけすぎて、公式な文書には使いにくくなります。その中間を広く覆っているのが pick up where one left off で、上にも下にも寄り切らない位置にあることが、この表現が生き残っている理由です。

もっとも、幅の広さは裏を返せば曖昧さでもあります。劇中でチョウがこの句を選ぶのは、まさにそこを利用してのことです。何が再開したのかを明言しないまま、相手に埋めさせる。中立な言葉ほど、置かれる場所によって重さが変わります。

同じ一言が、進行の合図にも追及の道具にもなります。

まとめ|空白を飛び越えて続きに戻る一言

pick up where one left off が伝えているのは、再開したという事実だけではなく、これまでの積み上げが生きているという前提です。しおりを挟んだページを開き直す動きが、そのまま言葉になっています。

この一言があると、会話の切り替えが軽くなります。中断の言い訳も、前回の要約も省いて、止まった地点へ一足で戻れます。相手の遅れを責めずに進行を戻したいときにも、そのまま使えます。

会議の再開にも、久しぶりの相手との会話にも、表現の引き出しに加えてみてください。空いた時間を説明しなくても話を進められる、そんな一言です。

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