「chip away at something」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E21で学ぶ英会話

「chip away at something」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

大きな課題を前にして、一気に片づけようとするより、少しずつ手をつけて減らしていったほうが進む、と感じたことはありませんか。

そんな場面にぴったりの「chip away at something」を、『モダンファミリー』シーズン5第21話の中盤、運転手の話を崩そうとするクレアの一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「chip away at something」の意味とニュアンス

chip away at something
意味:(相手の主張・問題・障害などを)少しずつ削り崩す、こつこつ取り組む

chip away at something は、大きなものに対して、小さな欠片を少しずつ削り取っていく、という言い方です。chip は「欠片、かけら」、away は「離れて」、at は「〜に向かって」の意味で、一度に壊すのではなく、目標に向かって少しずつ削り落としていく動きが、直訳から見えてきます。

使い方は大きく2つの方向に分かれます。1つは、相手の主張・自信・貯金といったものを少しずつ減らしたり、崩したりする使い方です。もう1つは、山積みの課題や作業に少しずつ取り組んで、片づけていく使い方です。どちらにも「一気にではなく、少しずつ」という共通点があります。

削る対象は at のあとに置きます。chip away at his story や chip away at my to-do list のように、名詞が続く形です。away のあとの at を落とさず、「at + 対象」でつなげる点が、構文上の目印になります。地道に、しかし確実に前へ進めるニュアンスがあるので、成果が目に見えるまで時間のかかる取り組みを語る場面にも合います。

【ここがポイント!】

  • 核は、大きなものから小さな欠片を少しずつ削り取っていくイメージ
  • 相手の主張や自信を崩す使い方と、課題に少しずつ取り組む使い方がある
  • 削る対象は at のあとに置く。away のあとの at が構文の目印

『モダンファミリー』S05E21のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

クレアが電話で責任者との取り次ぎを求めている場面です。同じ区間には、ルーク、フィル、アレックスの発言も挟まります。やがて会社が運転手は10時に来たと言い張っていることが伝えられ、クレアはその運転手に電話をつないでもらう、と話します。その最後の一言に、chip away at が入っています。

Claire: Yes, once again, I would like to speak to a supervisor. Listen, if my husband said nobody came, nobody came.
(もう一度お願いしますけど、責任者の方と話したいの。いい? 夫が誰も来なかったと言うなら、誰も来なかったのよ。)

Luke: Dad, it’s your move.
(パパ、次はパパの番だよ。)

Phil: No, I think I should just play it cool for now. I’m so sorry.
(いや、今はとりあえずクールにいくのがいいと思うんだ。ほんとにごめん。)

Alex: Score! I got a disease that’s rare and fun — narcolepsy.
(やった! 珍しくて面白い病気を引き当てたわ。ナルコレプシーよ。)

Claire: The company swears that the driver was here at 10:00. They’re putting him through to me right now. I’m gonna chip away at his story.
(会社は、運転手は10時にここへ来たって言い張ってるの。今、その運転手につないでもらってるところよ。彼の言い分を少しずつ崩してやるわ。)

Modern Family Season5 Episode21 (Sleeper)

シーン解説と心理考察

クレアは、責任者と話したいと繰り返し求めながら、「夫が誰も来なかったと言うなら、誰も来なかったのよ」と言い切ります。夫の言葉をそのまま事実として押し出す口ぶりに、相手の会社に対して一歩も引かない姿勢がにじんでいます。

その合間には、ルークがフィルに「パパの番だよ」と声をかけ、フィルが「今はクールにいくのがいいと思う。ほんとにごめん」と答える一幕や、アレックスの「やった!」という声が挟まります。クレアの電話と並行して、それぞれが自分のやり取りを進めている様子がうかがえます。

やがてクレアは、会社が運転手は10時に来たと言い張っていること、その運転手に今つないでもらっていることを伝え、「彼の言い分を少しずつ崩してやるわ」と宣言します。一気に決着をつけるのではなく、相手の説明を1つずつ突き崩していくという進め方が、この一言に表れています。少しずつという chip away at の性質が、粘り強く電話に向かうクレアの姿と重なっています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

大きな石にのみを当てて、小さな欠片を1つずつ打ち出していく手元を思い浮かべてみましょう。一度で割ろうとはせず、こつん、こつんと削っていくうちに、石の形が少しずつ変わっていきます。この「少しずつ削る」動きが、chip away at の芯にあります。

クレアが運転手の話を「少しずつ崩してやる」と言った場面は、相手の説明という大きな石に、質問という小さなのみを当てていく姿として重ねられます。崩す相手が話でも、貯金でも、やることリストでも、「欠片を1つずつ」と唱えておくと、at のあとに削る対象を置く形も一緒に思い出せます。

例文で覚える「chip away at something」

削る対象がさまざまに変わる chip away at を、3つの例文で確認していきましょう。

I’m chipping away at my to-do list a little every day.
(毎日少しずつ、やることリストを片づけているところです。)
日常のやるべきことを、少しずつ進めている場面です。a little every day のような表現を添えると、こつこつ続ける様子が伝わります。

Constant criticism can chip away at a person’s confidence.
(絶えず批判されると、人の自信は少しずつ削られていきます。)
言葉が気持ちに与える影響を語る場面です。自信のような目に見えないものが、少しずつ減っていく感覚を表しています。

A: How’s the presentation coming along?
B: Slowly, but I’m chipping away at it.
(A:プレゼンの準備はどんな感じ?)
(B:ゆっくりだけど、少しずつ進めてるよ。)
職場の同僚同士の会話です。it が準備の作業を指し、「遅いけれど止まってはいない」という前向きな進捗報告になります。

あわせて覚えたい関連表現

wear down
(徐々にすり減らす、弱らせる)
wear down は、時間や繰り返しによって、相手や物が徐々に弱っていくことに重点があります。chip away at は、少しずつ削り取る動作のイメージが強く、対象に向かっていく働きかけを表します。

whittle down
(少しずつ減らす、絞り込む)
whittle down は、候補や数を少しずつ減らして絞り込む場面で使います。chip away at は、量を減らすだけでなく、主張や自信を崩す場面にも使える点が違いです。

work on something
(〜に取り組む)
work on は、ある課題に取り組むという広い言い方です。chip away at は、大きな課題に少しずつ手をつけて進めていく、というニュアンスが加わります。

Note|「少しずつ削る」が指す2つの方向

chip away at something を日本語の「削る」と訳すと、意味が伝わる場面と、そのままでは伝わりにくい場面があります。2つの方向を並べてみます。

1つ目は、相手の主張・自信・貯金といったものを、少しずつ減らしたり崩したりする方向です。Small expenses can chip away at your savings. は「小さな出費が貯金を少しずつ削っていく」と訳せて、日本語の「削る」とそのまま重なります。劇中のクレアが運転手の話を「少しずつ崩す」と言った場面も、この方向です。2つ目は、大きな課題や作業に少しずつ取り組んで、片づけていく方向です。I’m chipping away at my to-do list. を「やることリストを削っています」と訳すと、リストそのものを短くしているように読めてしまい、「毎日少しずつ手をつけて進めている」という伝えたい意味が薄れます。この場合は「少しずつ片づけている」「こつこつ進めている」と訳したほうが自然です。同じ chip away at でも、対象が主張や貯金のように減っていくものなら「削る・崩す」、課題のように進めていくものなら「片づける・進める」と、訳し分けることになります。

クレアの I’m gonna chip away at his story. は、前者の「崩す」方向にあたります。at のあとに his story という対象を置き、「彼の話を、少しずつ削り崩す」と訳すと、劇中の意図に近くなります。

削る対象が何かによって、当てはめる日本語が変わります。

まとめ|少しずつ崩す、少しずつ進める、2つの「削る」

chip away at something は、大きなものから小さな欠片を少しずつ削り取っていくイメージの表現です。

相手の主張や自信を崩す場面にも、山積みの課題を少しずつ片づける場面にも当てはまります。at のあとに置く対象が何かを意識すると、「削る・崩す」と「片づける・進める」のどちらの訳が合うかを選びやすくなります。

電話で責任者を求め続けた末に、運転手の話を少しずつ崩すと言い切ったクレアの一言には、粘り強く事を進めていく姿勢がまっすぐに表れていました。表現の引き出しに加えてみてください。

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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



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