海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン2の第1話は、ダンフィー家が長年置いたままにしていた古い車を売ることになる話です。売ろうと言い出したクレアが、車の中から思い出の品が次々に出てきたことで、手放すことに少しずつ寂しさを感じ始めます。
今回は車をめぐるクレアとフィルの会話から、子どもの成長の早さを大げさに嘆く言い方と、落ち込む相手に寄り添う言い方を、3つの場面から順に見ていきます。
「a minute ago」で成長の早さを誇張する言い方
車を売ると決めたのはクレアです。家族で車の中を片付けると、ヘイリーがかつてどこへ行くにも手放さなかった Blankety や、ルークが海に行った日に持ち帰りたがった「太陽の光」の瓶が出てきます。買い手が決まった後、クレアはフィルにこう打ち明けます。
Claire: When I woke up this morning, I hated that car.
(今朝起きたときは、あの車が大嫌いだったのよ。)Claire: And even thinking about it made me mad.
(考えるだけで腹が立ってたくらい。)Modern Family Season2 Episode1 (The Old Wagon)
When I woke up this morning, ~ は、朝の時点の気持ちを示して「今は違う」ことを予告する切り出し方です。even thinking about it は「考えることさえ」で、嫌いだった度合いを強めています。
この後クレアは、車を片付けながら出てきた品々に触れ、フィルは Blankety は取っておけると声をかけます。クレアの返事が次のやり取りです。
Claire: No.
(ううん。)Claire: Look at them.
(見てよ、あの子たち。)Claire: Come on, a minute ago, they were babies.
(ねえ、ついこの間まで赤ちゃんだったのに。)Claire: And now they’re driving, and soon we’ll all be dead.
(それが今じゃ運転してて、すぐにみんな死んじゃうのよ。)Phil: Whoa.
(おいおい。)Phil: You’re leaving out a few great minutes there.
(その間の最高の時間がいくつか抜けてるよ。)Modern Family Season2 Episode1 (The Old Wagon)
Look at them. は、話題の人を指し示して注意を向けさせる短い一言です。続く a minute ago は文字どおりには「1分前」ですが、ここでは「ついこの間」という意味の誇張です。a minute ago, ~ / now ~ と過去と現在を並べることで、時間が一瞬で過ぎたように感じている気持ちが伝わってきます。さらに soon we’ll all be dead まで一気に飛ぶところに、クレアの嘆きの大げささが表れています。
フィルの You’re leaving out ~ は「〜を抜かしている」。クレアの a minute を受けて minutes と返し、話の途中にあるはずの楽しい時間を指摘しているのが面白いところです。
落ち込む相手への申し出と、叶わない条件で答える言い方
少し後で、フィルはクレアの気持ちを軽くしようと声をかけます。
Phil: Well, what can I do to make you feel better?
(じゃあ、君の気分を良くするために俺に何ができる?)Claire: Nothing.
(何も。)Claire: Unless you can build me a time machine.
(タイムマシンでも作ってくれるなら別だけど。)Modern Family Season2 Episode1 (The Old Wagon)
What can I do to make you feel better? は、落ち込んでいる相手に手助けを申し出る定番の聞き方です。make you feel better は「気分を楽にする」で、家族や友人との会話でよく使われます。
クレアはまず Nothing. と答え、続けて Unless you can ~ と条件を付けています。unless は「〜でない限り」。実現しない条件をあえて出すことで、「どうしようもない」という気持ちを冗談めかして伝える形になっています。Nothing, unless ~ の組み合わせは、頼みごとを断るときや、どうにもならない状況を表すときにも応用が利きます。
「タイムマシン」という言葉からは、戻りたいのが車そのものではなく、子どもたちが小さかったころの時間だということが読み取れます。前の場面の a minute ago と、ここの time machine がひとつの気持ちでつながっている点も見どころです。
手放す寂しさを一般論で包む言い方
フィルは車を売る前の晩、家族でその車に乗り、ピクニックに出かける計画を立てます。終盤、長い間家族を楽しませてくれた車だと振り返ったうえで、フィルはこう続けます。
Phil: It’s gonna be tough to say good-bye.
(お別れするのはつらいだろうな。)Phil: It always is.
(いつだってそうさ。)Phil: Nobody loves change.
(変化が好きな人なんていないからね。)Modern Family Season2 Episode1 (The Old Wagon)
It’s gonna be tough to ~ は「〜するのはつらいだろう」と、これから来る気持ちを先に言葉にする言い方です。say good-bye は人だけでなく、物や場所との別れにも使えます。
It always is. は、目の前の別れを「いつもそういうもの」と一般化する短い一言です。そのうえで Nobody loves change. と、主語を nobody にして誰にでも当てはまる話へ広げています。自分だけの寂しさを、誰もが感じるものとして受け止め直す流れが分かります。
同じ形は、引っ越しや卒業、長く使った物を処分するときなど、さまざまな別れの場面に当てはめられます。It’s gonna be tough to ~ で気持ちを認め、It always is. で受け止める順番にすると、相手の寂しさを否定せずに寄り添う言い方になります。
まとめ|時間の早さを嘆く言い方と寄り添う言い方
a minute ago, ~ / now ~ で成長の早さを誇張し、You’re leaving out ~ で抜けている時間を指摘し、Unless you can ~ で叶わない願いを口にする。さらに Nobody loves change. で寂しさを一般論に包む。古い車一台から、家族の時間を振り返る言い方がいくつも見えてきます。
家族の何気ない会話に、時間の流れを表す英語がこれからも見つかりそうです。
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