海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン6第24話では、クレアがフィルの提案をあっさり断ったあと、状況が変わって同じことを頼み直す流れが描かれます。出張先からロボットを通して参加しているフィルとの、夫婦らしいやりとりです。
一度断ったことを頼み直すのは、どの言語でも少し気まずいものです。断る、なだめる、頼み直す、受け止めるという順に、使える英語を見ていきます。
提案を断るときの「lame」
アレックスへの贈り物を用意したクレアに、フィルがこう持ちかけます。
Phil: Why don’t we just sing that song I wrote her?
(俺が書いたあの歌を、一緒に歌えばいいじゃないか。)Claire: Uh, because I don’t want to sing that lame song.
(えっと、あんなダサい歌は歌いたくないからよ。)Phil: Oh. Lame. Okay.
(ああ。ダサい、ね。分かったよ。)Modern Family Season6 Episode24 (American Skyper)
Why don’t we just ~? は「〜すればいいじゃない」と軽く提案する形です。just が入ることで、「難しく考えずに」という気軽さが加わります。
クレアの返事は because I don’t want to ~ で、提案された「なぜ〜しないの?」という問いの形に、理由で答える構造になっています。lame は「ダサい・さえない」を表すくだけた形容詞で、物や考えをはっきり低く評価する言葉です。親しい間柄で使われることが多く、言われた側には少しこたえる響きがあります。
英語で提案を断るときは、I’d rather not.(できれば遠慮したい)のように柔らかく言う方法もあります。クレアのように理由をはっきり添えると、断る意思は明確に伝わる一方で、相手の提案そのものを否定する響きが強くなります。
フィルの Oh. Lame. Okay. は、相手の言った lame をそのままくり返して受け止める反応です。言い返さずに一語ずつ区切ることで、傷ついた気持ちを控えめに表していると読み取れます。
断ったあとになだめる言葉
クレアはフィルの反応を受けて、こう続けます。
Claire: Phil, really? Come on.
(フィル、本気? ちょっと。)Phil: Only you could hurt a robot!
(ロボットを傷つけられるのは君くらいだよ!)Modern Family Season6 Episode24 (American Skyper)
Come on. は場面によって意味が変わる表現で、ここでは「そんなことで落ち込まないで」と相手をなだめる働きをしています。直前の really? と組み合わせることで、「本気でそれで傷ついたの?」という軽い突っ込みにもなっています。Come on. は、急かす「早く」、疑う「まさか」、励ます「がんばって」など幅広く使われるため、前後の言葉と口調で意味を判断することが欠かせません。
フィルの Only you could ~! は「〜できるのは君だけだ」という形で、相手のしたことを大げさに言い立てる言い方です。ロボットを通して参加している自分を a robot と呼び、冗談に変えて受け流しているのが面白いところです。断る側も断られる側も、深刻にならないまま会話を収めている場面と言えます。断られた側が冗談で返すと、断った側も気まずさを引きずらずに済みます。親しい相手との会話では、こうした軽い返しが関係をこじらせない役目を果たしています。
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| Why don’t we just ~? | 気軽に提案する |
| because I don’t want to ~ | 理由を添えて断る |
| Come on. | なだめる・軽く突っ込む |
| Only you could ~! | 冗談めかして言い立てる |
状況が変わって頼み直すとき
ジェイがアレックスにヨーロッパ旅行を贈ったと知ったあと、クレアはフィルにこう話します。
Claire: There’s no way I can now give her a weekend of Dutch pancake balls after that.
(あれのあとじゃ、オランダ風パンケーキの週末なんて、もうあげられるわけないわ。)Phil: Can you open the door? I’m feeling claustrophobic.
(ドアを開けてくれる? 閉所恐怖症になりそうだ。)Claire: Phil, you’re in a hotel room in Seattle. I’m desperate. Just teach me the song.
(フィル、あなたはシアトルのホテルの部屋にいるのよ。こっちは必死なの。とにかくあの歌を教えて。)Modern Family Season6 Episode24 (American Skyper)
フィルの冗談をかわしたクレアは、そのまま本題に入ります。これに対するフィルの返事と、クレアの言葉が続きます。
Phil: Well, well, well. Look who came crawling back.
(おやおやおや。誰が這って戻ってきたのかな。)Claire: Just teach it to me.
(いいから教えて。)Modern Family Season6 Episode24 (American Skyper)
頼み直すときにまず大切なのは、状況が変わった理由を示すことです。There’s no way I can ~ after that. は「あれのあとでは、とても〜できない」と、気持ちが変わったきっかけを伝える形です。続く I’m desperate. は「必死なんだ・切羽詰まっている」で、前に断ったことを持ち出されても頼むしかない、という立場をはっきりさせています。
Just teach me ~. の just は「余計なことは言わずに、とにかく」という意味合いです。一度目の Just teach me the song. に続いて、二度目は Just teach it to me. と短く言い直し、話を早く進めたい様子が伝わってきます。
迎えるフィルの Well, well, well. は、思ったとおりの展開を前にした「おやおや」に当たる言い方です。Look who came crawling back. は「誰が這って戻ってきたか見てごらん」という意味で、一度断った相手が頭を下げて戻ってきたときに、からかい半分で使われます。言われた側は、長く言い返さずに用件だけを伝えると、話がこじれずに済みます。
まとめ|断ったあとに頼み直す英語
because I don’t want to ~ で断り、Come on. でなだめ、There’s no way I can ~ after that. と I’m desperate. で頼み直す流れには、それぞれの場面に合った言い方がそろっています。気まずい頼み直しも、言葉の選び方で軽やかに収められることが分かります。
次回も『モダンファミリー』の家族と一緒に、毎日の会話に使える英語を探していきましょう。
仕事を失ったことを打ち明ける英語や、卒業祝いの文化については、同じ回のほかのコラムで読むことができます。


コメント