海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン10第9話では、様子のおかしいヘイリーに、アレックスとルークが声をかけます。打ち明け話のあと「自分はだめだ」と落ち込む姉を、2人は昔の思い出を一つずつ挙げて励まします。
「大丈夫だよ」と言うだけでなく、相手のこれまでの姿を具体的に示して支える英語は、家族や友人との会話で役立ちます。声かけから励ましの言葉まで、3人のやりとりを順に見ていきます。
「Are you okay?」と口止めの前置きで、打ち明け話が始まる
アレックスとルークの言い合いをヘイリーが収めたあと、アレックスはヘイリーの様子が気になって声をかけます。
Alex: Haley, what’s going on with you today? Are you okay?
(ヘイリー、今日どうしたの? 大丈夫?)
Haley: Okay, um So, no one else knows, especially Mom and Dad, so you can’t tell anybody, but I’m pregnant.
(わかった、えっと…。ほかには誰も知らないの、特にママとパパは。だから誰にも言っちゃだめ。でも私、妊娠してるの。)
Modern Family Season10 Episode9 (Putting Down Roots)
What’s going on with you? は「どうしたの?」「何かあった?」と、相手のいつもと違う様子に気づいたときの聞き方です。today を添えると「今日はなんだか変だよ」という観察が伝わります。続く Are you okay? は短い気づかいの一言で、二つを重ねることで、問い詰めるよりも心配している気持ちが前に出ます。
ヘイリーの返事は、打ち明ける前の前置きが丁寧に積み重ねられた形です。no one else knows(ほかに誰も知らない)で秘密の範囲を示し、especially ~(特に〜は)で知られたくない相手を名指しし、so you can’t tell anybody(だから誰にも言わないで)と口止めをしてから、but で本題に入ります。打ち明けたのは、自分が妊娠しているということです。
大事な話を切り出すときに「誰も知らない→だから言わないで→でも実は」という順で組み立てると、聞き手も心構えができます。秘密を共有するときの前置きとして、そのまま使える並べ方です。
「Okay, first」と「Remember how you used to ~?」で思い出を挙げる
このあと、ヘイリーは自信をなくした言葉を口にします。そこからの2人の返しがこちらです。
Haley: I’m gonna be a horrible mother.
(私、ひどい母親になっちゃう。)
Alex: Okay, first, it’s just a doll.
(いい、まず、あれはただの人形でしょ。)
Alex: And you’ve been taking care of us our whole lives.
(それに、お姉ちゃんはずっと私たちの面倒を見てきたじゃない。)
Luke: Yeah.
(そうだよ。)
Luke: Remember how you used to pick out my first day of school outfit so I wouldn’t get beat up?
(僕がいじめられないように、学校の初日の服を選んでくれてたの覚えてる?)
Alex: Or how you’d hold the book while I read myself a bedtime story? And you’re still doing it.
(それに、私が寝る前のお話を自分で読むとき、本を持っててくれたこととか。今だってそうしてくれてるでしょ。)
Modern Family Season10 Episode9 (Putting Down Roots)
アレックスの Okay, first, は「いい、まず一つ目」と、相手の思い込みを順番に崩していく合図です。最初に「あれはただの人形」と落ち込みのきっかけを小さくし、次に you’ve been taking care of us our whole lives で、ずっと続けてきたことを示します。現在完了進行形 have been ~ing は「これまでずっと〜してきた」で、一度きりではない積み重ねを表します。
ルークの Remember how you used to ~? は「前は〜してくれてたよね、覚えてる?」と、昔の習慣を思い出させる形です。
used to が「以前はよく〜した」を表し、how で「〜してくれた様子」をまるごと指します。アレックスは Or how you’d ~? と同じ形を短く受け継ぎ、would で過去の繰り返しを言い表します。最後の And you’re still doing it. で、その面倒見のよさが今も続いていると結びつけます。昔の話で終わらせず、現在形に戻して締めくくるところに、励ましとしての力があります。
「like a pro」と「She’s right.」で今日の姿をほめる
思い出に続けて、アレックスは今日の出来事にも触れます。
Alex: You just swooped in and handled our fight like a pro.
(さっきだって、さっと入ってきて私たちのけんかをプロみたいに収めたじゃない。)
Alex: And you’re understanding and loving and a total badass.
(それに、理解があって、愛情深くて、最高にかっこいいんだから。)
Luke: She’s right.
(アレックスの言うとおりだよ。)
Modern Family Season10 Episode9 (Putting Down Roots)
swoop in は鳥が急降下してくる様子から「さっと現れて対応する」を表す句動詞で、like a pro は「プロのように手際よく」です。昔の思い出だけでなく、ついさっき見た行動を挙げることで、「今のその人にもできている」という励ましになります。just は「ついさっき」を表し、出来事の新しさを強める働きを持ちます。
understanding(理解がある)、loving(愛情深い)と人柄を表す形容詞を並べ、最後の a total badass は「最高にかっこいい人」というくだけたほめ言葉です。badass は親しい間柄で使う口語なので、仕事の場では amazing などに置き換えるのが無難です。
ルークの She’s right. は「彼女の言うとおり」と相手の励ましに乗る短い同意です。2人目が同じ意見だと示すだけで、言葉に重みが加わります。過去の習慣、今の行動、人柄という三つの角度から根拠をそろえた励まし方だと分かります。
まとめ|思い出を根拠に励ます英語
Are you okay? の声かけ、口止めの前置き、Remember how you used to ~? と And you’re still doing it. で思い出を今につなぐ言い方、like a pro で今日の姿をほめる言い方を見てきました。相手の自信を取り戻す言葉がそろっています。
『モダンファミリー』のきょうだいのやりとりを観ながら、励ましの英語に耳を傾けてみる楽しみ方もあります。
同じ回のほかのコラムでは、昔の約束を持ち出す英語や、きょうだいの言い合いを止める英語も紹介しています。


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