「Your serve.」約束を果たしたあと、相手にも約束を守るよう迫る英語|『モダンファミリー』S10E09で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「Your serve.」約束を果たしたあと、相手にも約束を守るよう迫る英語|『モダンファミリー』S10E09で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン10第9話では、庭に植える木のことをきっかけに、ミッチェルとキャメロンが昔の約束を持ち出して言い合います。キャメロンが持ち出すのは、付き合い始めたころにミッチェルが口にした、いつかキャメロンの実家の農場に戻るという約束です。

約束を持ち出す側の言い方、自分の分は果たしたから次は相手の番だと促す言い方、そして最後に約束に乗る返事まで、2人のやりとりを順に見ていきます。

目次

「someday」と「kick ~ down the road」で先延ばしの約束を突く

言い合いは、庭に植える木のことでキャメロンが不満を口にしたところから始まります。ミッチェルがなぜこだわるのかと問うと、キャメロンは付き合い始めたころの約束を持ち出します。

Mitchell: Why are you being so difficult?
(なんでそんなに意地を張るんだよ?)
Cameron: Because when we first got together, you promised that someday we would move back to my family farm, and every year, the someday gets kicked further down the road like a nosy census taker.
(だって付き合い始めたころ、君はいつか僕の実家の農場に戻るって約束したじゃないか。なのに毎年、その「いつか」が、詮索好きな国勢調査員みたいに道の先へ蹴り飛ばされていくんだ。)
Modern Family Season10 Episode9 (Putting Down Roots)

kick ~ down the road は「〜を先送りにする」という口語で、缶を蹴って道の先へ転がすイメージから、問題や約束を片づけずに後回しにし続けることを表します。キャメロンはこの句に further(さらに先へ)を加え、受け身の gets kicked にすることで、「いつか」が毎年遠ざかっていく様子を言い表します。someday を名詞のように the someday と受け直しているのも、約束のあいまいさを突く言い方として読み取れます。

これに対して、ミッチェルは約束の話そのものを相手に返します。

Mitchell: And I-I-I don’t think you want to talk about promises we made back then.
(それに、あのころの約束の話は、き、君もしないほうがいいと思うけど。)
Cameron: What are you suggesting?
(どういう意味だい?)
Cameron: I’ve kept every promise I’ve made.
(僕は自分がした約束は全部守ってきたよ。)
Mitchell: Really? You promised me a rose a month for the rest of my life, so I guess I dropped dead 15 years ago.
(そう? 一生、毎月バラを1本くれるって約束したよね。じゃあ僕は15年前に死んだってことかな。)
Modern Family Season10 Episode9 (Putting Down Roots)

I don’t think you want to ~ は「〜しないほうが身のためだと思う」という、遠回しな警告の形です。I’ve kept every promise I’ve made. と言い切られたミッチェルは、You promised me ~ で相手の約束を具体的に挙げて反撃します。最後の一文は「15年前から約束が途切れている」ことを大げさに言う皮肉で、バラが届かなくなった年月を数字で突きつけます。相手の言い分を正面から否定せず、具体的な約束を一つ挙げて切り返す形は、言い合いで使える反撃の仕方です。

「I’m all caught up」と「Your serve.」で次は相手の番だと促す

ミッチェルはこのあと、自分の好きな映画 E.T. をキャメロンが見ると言っていた件も持ち出します。後の場面で、キャメロンは「180 months of roses」と言って、その映画を見たことを告げます。そのうえでこう続けます。

Cameron: I didn’t hate it.
(嫌いじゃなかったよ。)
Cameron: Anyway, I’m all caught up in the promises department.
(とにかく、約束の件については、僕はもう全部片づけたからね。)
Cameron: Your serve.
(次は君のサーブだよ。)
Mitchell: Cam, I just started at the D.A.’s office.
(キャム、僕は地方検事局で働き始めたばかりなんだよ。)
Mitchell: I I can’t move anytime soon.
(す、すぐには引っ越せないよ。)
Mitchell: Plus, what about Lily’s school?
(それに、リリーの学校はどうするんだよ?)
Cameron: They have schools in Grasshopper.
(グラスホッパーにだって学校はあるさ。)
Mitchell: Do they?
(そうかな?)
Modern Family Season10 Episode9 (Putting Down Roots)

be all caught up は「遅れを全部取り戻した」という意味で、仕事や連絡のたまっていた分を片づけたときにも使います。in the ~ department は「〜に関しては」とおどけて分野を区切る口語で、キャメロンは約束を一つの部署のように扱って「この部署の未処理はゼロ」と言い換えたわけです。

Your serve. はテニスなどで「そっちのサーブの番」を指す言い方です。自分の分を終えたあとに相手へ番を回すときに、会話でも使えます。ここでは、バラと映画の約束を果たしたキャメロンが、今度はミッチェルが農場の約束に向き合う番だと促す一言になっています。

これに対するミッチェルの返事は、I just started ~(〜を始めたばかり)と Plus, what about ~?(それに〜はどうするの)で事情を重ねる形です。すぐには動けない理由を一つずつ並べる言い方として、そのまま応用できます。Do they? は相手の言葉を受けて「そうかな?」と疑問を返す短い相づちで、言い返しの締めにも使われます。

「Just admit it」から「I’m in.」まで、約束を認めて乗る返し

話はさらに進み、キャメロンは本音を言わせようとします。

Cameron: Just admit it you have no intention of keeping your promise of moving to Missouri.
(正直に認めなよ、ミズーリに引っ越すっていう約束、守る気なんてないんだろ。)
Mitchell: You know what? You’re right.
(あのさ、君の言うとおりだよ。)
Mitchell: I I can’t ever imagine myself living on that farm.
(ぼ、僕があの農場で暮らすなんて、どうしても想像できないんだ。)
Mitchell: I’m sorry.
(ごめん。)
Cameron: Well, there it is.
(ほら、やっぱりね。)
Cameron: I’m just glad E.T. didn’t land at your house.
(E.T. が君の家に降りてこなくてよかったよ。)
Modern Family Season10 Episode9 (Putting Down Roots)

Just admit it. は「認めちゃいなよ」と相手に白状を迫る決まり文句です。have no intention of ~ing は「〜するつもりはまったくない」で、約束を守る気がないと言い当てるときに使えます。ミッチェルが認めると、キャメロンは Well, there it is.(ほら、やっぱりね)と受け止め、E.T. を引き合いに出した皮肉で締めます。there it is は、予想していた答えが相手の口から出たときに「それ見たことか」と受ける一言になります。

ところが終盤、ミッチェルは考えを改めます。

Mitchell: I guess w-when I look at things from your point of view, I I made a promise.
(君の立場から見てみると、ぼ、僕は約束をしたんだよな。)
Mitchell: When your dad needs you to take over the farm, I’m in.
(お父さんが君に農場を継いでほしいってときが来たら、僕も行くよ。)
Cameron: Mitchell, that means so much to me, and you’re gonna love it.
(ミッチェル、それはすごくうれしいよ。それに、きっと気に入るさ。)
Cameron: The fresh air, and there’s no traffic.
(新鮮な空気に、渋滞もないし。)
Modern Family Season10 Episode9 (Putting Down Roots)

look at things from someone’s point of view は「相手の立場から物事を見る」です。I’m in. は「乗った」「参加する」という短い返事で、誘いや計画に加わると伝えるときの定番として知られています。条件を When ~ で先に示してから I’m in. と言い切るため、いつ約束を果たすのかもはっきり伝わります。

まとめ|約束を持ち出し、迫り、乗る英語

kick ~ down the road で先延ばしを突き、I’m all caught up と Your serve. で次は相手の番だと促し、I’m in. で約束に乗る流れを見てきました。約束をめぐる言い合いから歩み寄りまでの英語がそろっています。

ミッチェルとキャメロンの応酬を、『モダンファミリー』の場面とあわせて味わってみるのもおすすめの楽しみ方です。

同じ回のほかのコラムでは、きょうだいの言い合いを止める英語や、落ち込む相手を思い出で励ます英語も取り上げています。

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