海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
しばらく連絡を取っていなかった相手と話し始めた途端、空白の時間がなかったかのように会話が進んだ経験はありませんか。
そんなときに使える「pick up where we left off」を、『モダンファミリー』シーズン7第6話の中盤、ヘイリーがディランとの現在を一言で伝える場面から、一緒に見ていきましょう。
「pick up where we left off」の意味とニュアンス
pick up where we left off
意味:中断したところから再開する、(関係・会話などを)前の続きから再開する
pick up where we left off は、いったん途切れたことを、空白がなかったかのように、前の続きから再開することを表す表現です。pick up は「拾い上げる」から転じて、止まっていたものを手に取り直して続ける意味を持ち、where we left off は「私たちが中断した地点」を指します。
where は、あとに続く節を導いて、場所を表す語です。we left off は、leave off(途中でやめる)の過去形を使った節で、「私たちが途中でやめたところ」という意味になります。つまり全体では、「私たちが途中でやめたところから、また拾い上げて始める」という動きを言い表しています。
会議や作業の再開にも、久しぶりに会った相手との会話にも、人間関係の再開にも使える幅の広さがあります。続きの内容が決まっているものを、前の地点から動かし始めるという点が、この表現の中心です。
このシーンでの実際の形は picked up right where we left off で、過去形に変わり、right が間に入っています。right は「ちょうど」という意味で、「まさにそこから」と強める働きをします。見出しの形は、この実形から時制と強調を取り除いた形です。
【ここがポイント!】
- 「pick up where we left off」の核は、中断した地点から、続きを拾い上げて再開するイメージ
- 会話にも作業にも関係にも使える、前の続きから動かす表現
- 過去形や right を挟んだ形に変わっても、「中断した地点から」という中心は変わらないのがコツ
『モダンファミリー』S07E06のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
映画の話題が出ていた会話の中で、ヘイリーが、恋人のディランとの現在を短く伝える場面です。今回のフレーズは、ヘイリーの発言の中に出てきます。ヘイリーの言葉の前には「大丈夫」という念押しがあり、そのあとには、様子を確かめていただけだという言葉が続きます。
— No, I mean, I am good.
(いや、つまり、大丈夫ってこと。)Haley: Dylan and I picked up right where we left off.
(ディランと私は、前に中断したところからそのまま続けているの。)— I was just checking on you.
(ちょっと様子を確かめたかっただけ。)Modern Family Season7 Episode6 (The More You Ignore Me)
シーン解説と心理考察
ヘイリーの一言は、Dylan and I と、二人を主語にそろえて、関係の現状を報告する形になっています。picked up right where we left off が表しているのは、いったん途切れた関係を、空白がなかったかのように前の続きから進めているという状態です。ふたりの関係が、中断した地点から動き出していることが、この一言にまとまっています。
直前の「No, I mean, I am good.」は、自分は大丈夫だと念を押す発言です。「いや、つまり」という言い直しの形で、自分の状態を、はっきりした言葉に言い換えています。そのあとにヘイリーの報告が続くので、会話は「大丈夫」という状態の確認から、ディランとの関係の説明へと進んでいきます。
続く「I was just checking on you.」は、様子を確かめていただけだ、という言い方です。just が入ることで、深い意図があるわけではなく、ちょっと気にかけただけだという軽い響きが加わっています。相手の状態を確かめるという、さりげない気づかいの一言として響きます。
この短いやり取りでは、念押し、報告、確認が順に交代していきます。言葉数は少なくても、お互いの状態をそっと確かめ合う流れができています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
pick up where we left off は、しおりを挟んだ本を思い浮かべて覚えられます。途中まで読んだページにしおりを挟んでおき、次に本を開いたとき、そのページからそのまま読み始める。しおりの位置が where we left off で、そこから読み進める動作が pick up です。
ヘイリーの発言に出てきた「picked up right where we left off」は、ふたりの関係というしおりが挟まれていたページから、読み直さずにそのまま読み進めたという報告になっています。right が間に入ることで、「しおりのまさにそのページから」という感覚が強まります。
会議でも、旧友との会話でも、中断した場面のしおりの位置を思い浮かべると、この表現が自然に浮かびます。
例文で覚える「pick up where we left off」
中断したことを再開する場面で使う pick up where we left off を、3つの例文で確認していきましょう。
We hadn’t talked for years, but we picked up right where we left off.
(私たちは何年も話していなかったが、前の続きのように話し始めた。)
旧友との再会を語る、感情表現の場面です。but でつないで、長い空白があったことと、それを感じさせなかったことを対比させています。
The new season picks up where the last one left off.
(新シーズンは、前シーズンの終わりから話が続く。)
ドラマの続きを説明する、エンタメの場面です。主語が the new season で、人ではなく作品が続きを拾い上げる形になっています。
A: Sorry I had to leave the meeting.
B: No problem. We’ll pick up where we left off tomorrow.
(A:会議を途中で抜けてごめん。)
(B:大丈夫。明日、続きからやろう。)
中断した会議の再開を約束する、ビジネスの会話です。未来の形の will のあとに続けて、再開の約束を伝えています。
あわせて覚えたい関連表現
resume
((中断したことを)再開する)
resume は、一語で「再開する」を表す動詞です。pick up where we left off は、再開する地点が「中断した場所」であることまで言い表す点が違います。
carry on
((中断せずに、または中断後に)続ける)
carry on は、「続ける」全般を表し、中断の有無を問いません。pick up where we left off は、「中断した地点から」という始まり方がはっきりしています。
get back to
((話題・作業に)戻る)
get back to は、元の話題や作業に戻ることを表します。pick up where we left off は、戻る先が「中断した地点」であることまで含めて言い表す表現です。
Note|「拾い上げる」では伝わりにくい pick up の訳と、left off の読み方
pick up という言葉を辞書で引くと、最初に出てくるのは「拾い上げる」という訳です。ここでは、その訳から「前の続きから再開する」という意味にたどり着く道筋を、構成語の文字どおりの意味で整理します。
pick up は、落ちているものや置いてあるものを手に取る動作を表します。そこから、止まっていたものを手に取り直して動かし始める、という意味に広がります。left off は、leave off(途中でやめる)の過去形で、「やめた地点」を指します。where we left off は、その地点を場所として示す形です。
この3つをつなげると、「やめた地点で止まっているものを、手に取り直して動かす」という流れになります。「拾い上げる」と訳すと、物を拾う動作だけが残ってしまいますが、「前の続きから再開する」と訳せば、地点と動作の両方が日本語に収まります。
今回のヘイリーの発言は、過去形の picked up に right が加わり、中断した地点から始めたという内容を言い切っています。構成語を一つずつ訳して、最後に自然な日本語へ整える。この手順を踏むと、表現の形が変わっても読み取れます。
まとめ|中断した地点から、続きを動かす
pick up where we left off は、中断したことを、前の続きから再開することを表す表現です。where we left off が中断した地点を指し、pick up がそこから動かし始める動作を表しています。
会議や作業の再開、旧友との会話、関係の再開と、続きの地点がはっきりしている場面で使えます。right を加えれば「まさにそこから」と強められ、過去形にすれば「続けた」という報告になります。
ヘイリーの短い一言からは、中断した関係を前の続きから進めているという近況が、一文に収まる様子が見て取れます。再開したい場面を思い浮かべながら、会話のレパートリーに加えてみてください。


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