海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン8第6話の舞台の一つは、ジェイが通うカントリークラブです。ルークがそこで働くなか、フィルもこのクラブへの入会を望みます。
会員制のクラブには、日本ではあまりなじみのない入会の手順や言葉があります。フィルの入会をめぐる場面を手がかりに、推薦人や投票といった仕組みと、クラブが「自分の居場所」として語られる英語を見ていきます。
「sponsor」と「vote in」で知る入会の流れ
ルークは、クラブでの仕事についてこう語ります。
Luke: Grandpa got me a job at his country club, and I’ve been cleaning up in tips.
(おじいちゃんがカントリークラブの仕事を紹介してくれて、チップでがっぽり稼いでるんだ。)Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)
clean up には「大もうけする」というくだけた意味があり、in tips で「チップで」と稼ぎ方を示しています。
クラブを訪れたフィルは、そこに集まる人たちを見て期待をふくらませます。
Phil: Well, all these powerful guys. You can make connections here that’ll last forever.
(いやあ、力のある人ばかりだね。ここで作った人脈は一生ものだよ。)Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)
make connections は「人脈を作る、つながりを持つ」です。そして入会の仕組みを尋ねたフィルに、ルークが説明します。
Phil: How’s that work?
(それってどういう仕組み?)Luke: You find a member to sponsor you, come have some drinks with the committee, and they vote a few people in.
(推薦してくれる会員を見つけて、委員会の人たちと一杯やって、それで何人かが投票で入会を認められるんだ。)Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)
sponsor は「推薦人になる、後ろ盾になる」、the committee は「委員会」、vote ~ in は「投票で〜を選び入れる」です。sponsor は名詞でも「推薦人」の意味で使え、member は「会員」、membership は「会員資格」を指します。ルークの説明は「推薦人を見つける」「委員会と顔を合わせる」「投票で決まる」の三段階で、手順を順番に並べる英語の見本にもなっています。
カントリークラブは一般に会員制で、入会には既存会員の推薦と委員会の選考を経ることが多いと言われます。細かな手順はクラブや地域によって異なりますが、ルークの説明はその流れを短くまとめたものと言えます。この後、フィルは推薦人になってほしいとジェイに頼みます。フィルの言葉では、その場は the new-members thing(新入会員の集まり)と呼ばれています。
入会の集まりでの「tell us about yourself」
新入会員の集まりでは、その場の人たちがフィルに質問します。州議会の議員だというモーリー議員と、ルイス判事が同じ場にいます。
Congressman Morley: So, tell us about yourself, Phil.
(それで、君のことを聞かせてくれ、フィル。)Phil: Well, uh, you and I have something in common, actually. We’re both Congressmen.
(ええと、実は僕たちには共通点があるんです。二人とも「議員」なんですよ。)Jay: Go on, with that, Phil.
(続けろよ、フィル。)Phil: You’re in the State Congress, and I was in the Junior Tumbling Congress.
(あなたは州議会、僕はジュニア体操会議にいたんです。)Judge Lewis: I was in Tumbling Congress. You trampoline?
(私も体操会議にいたよ。君、トランポリンをやるのか?)Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)
Tell us about yourself. は面接や顔合わせで最初に向けられる定番の問いかけです。you and I have something in common は「あなたと私には共通点がある」で、初対面の相手との距離を縮める切り出しとして使えます。
フィルは Congress という語の重なりを使い、思いがけずルイス判事との共通点まで引き出しています。Congressman はふつう議員を指す語で、それを子ども時代の体操の団体名と並べたところに、フィルらしい冗談が表れています。ルイス判事の You trampoline? は、trampoline を動詞のように使った短い問いかけです。
話題はフィルの仕事にも及びます。
Phil: So, I go back to the seller with an all-cash no-contingency offer that’d pay off both his mortgages and leave enough after capital gains to put a down payment on a condo. I give him an hour or I’m pulling the offer.
(それで売り主のところに戻って、条件なしの全額現金で申し込んだんです。それなら住宅ローン二つを完済して、譲渡益を引いてもマンションの頭金が残る。返事は1時間以内、さもなきゃ申し込みは取り下げる、ってね。)Congressman Morley: I love this story. It’s like a western.
(いい話だ。西部劇みたいだな。)Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)
all-cash は「全額現金の」、pull the offer は「申し込みを取り下げる」で、不動産取引でよく使われる語です。I give him an hour は「1時間の猶予を与える」で、期限を切って相手に決断を迫る表現です。モーリー議員の反応から、フィルの話がその場で好意的に受け止められている様子が分かります。
「This is my place」― クラブは誰の居場所か
別の場面で、ジェイはクラブの中でフィルに本音を明かします。
Jay: Listen, Phil, I can’t do this.
(いいか、フィル、やっぱり無理だ。)Phil: You’re leaving me here?!
(僕をここに置いていくの?!)Jay: No, I can’t have you at this club! This is my place, damn it.
(違う、お前をこのクラブに入れるわけにはいかないんだ! ここは俺の場所なんだよ。)Phil: No!
(そんな!)Jay: I’m sorry, Phil. Can’t you find another club? I mean, look at my life. I mean, I built my house, and before I even lived in it, I got married. And that’s fantastic.
(すまん、フィル。ほかのクラブを探せないか? 俺の人生を見てくれ。家を建てて、住む前に結婚した。それは最高だ。)Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)
ジェイは、自分の書斎も今はジョーの部屋になったと続けます。
Jay: And now it’s Joe’s room, and that’s fantastic. But this is the only place I have left that I don’t have to share with my family.
(今じゃジョーの部屋だ。それも最高だ。でも、家族と分け合わなくていい場所は、もうここしか残ってないんだ。)Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)
フィルが口を挟んだ後も、ジェイは続けます。
Jay: The one place I feel special they call me “Ace” and “Jay Boy” and “Pritch.” I’m not comfortable other places, okay? But you you fit in everywhere. The whole world is your club! But I have this place! You get that, right?
(ここは俺が特別でいられる唯一の場所だ。「エース」とか「ジェイボーイ」とか「プリッチ」とか呼ばれてな。俺はほかの場所じゃ落ち着かないんだ。でもお前はどこにでもなじむ。世界中がお前のクラブだ! でも俺にはここしかない! 分かるだろ?)Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)
This is my place は「ここは自分の場所だ」と、居場所としての愛着を示す言い方です。call me ~ は呼び名を紹介する形で、クラブ仲間だけが使うあだ名が、ジェイにとって特別な意味を持っていることが伝わります。fit in は「なじむ、溶け込む」で、The whole world is your club! はフィルの社交性をクラブにたとえた一言です。会員制のクラブが、仕組みだけでなく人の居場所として語られている場面と言えます。
the only place I have left は「自分に残された唯一の場所」で、that I don’t have to share with my family が「家族と分け合わなくていい」と中身を説明しています。家を建て、結婚し、書斎がジョーの部屋になったという流れを、ジェイはそのたびに that’s fantastic と肯定しながら話します。そのうえで、ここだけは譲れないと伝える組み立てになっている点が見どころです。
I feel special の「特別だと感じる」や I’m not comfortable other places の「ほかでは落ち着かない」も、居場所を語るときにそのまま使えます。
まとめ|カントリークラブをめぐる英語
推薦人を表す sponsor、委員会の投票を表す vote ~ in、顔合わせの Tell us about yourself.、そして居場所を語る This is my place。入会の流れとクラブへの思いの両方から、会員制のクラブを語る英語が見えてきます。
ジェイとフィルのやりとりを観返すと、クラブという場所の手ざわりも英語と一緒に伝わってきます。
同じ回のほかのコラムでは、母と娘のすれ違いや口実をめぐる英語を、フレーズ記事では個々の表現を扱っています。


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