「trick」と「pretend」はどう違う?口実でかわす人、だまされたと怒る人の英語|『モダンファミリー』S08E06で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「trick」と「pretend」はどう違う?口実でかわす人、だまされたと怒る人の英語|『モダンファミリー』S08E06で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン8第6話では、ジェイがカントリークラブへの入会を望むフィルを口実でかわそうとし、別の場面ではミッチェルがキャメロンに連れて来られた劇場で「だまされた」と抗議します。

どちらも「本当のことを言わない」話ですが、英語では pretend と trick で向きが変わります。この回の二つの場面から、ふりをする側の言葉とだまされた側の言葉を順に見ていきます。

目次

「Gee, I’d like to, but ~」で口実を作る

クラブでジェイを見つけたフィルは、新入会員の集まりの推薦人になってほしいと頼みます。

Phil: Um, I’m wondering if you’d, uh, sponsor me for the new-members thing tonight.
(えっと、今夜の新入会員の集まりで、僕の推薦人になってもらえないかなと思って。)

Jay: Gee, I’d like to, but they got rules about relatives sponsoring new members, so
(いやあ、そうしたいところだが、身内が新入会員を推薦するのには規則があってな、だから)

Anders: No, they don’t. I just did it.
(いや、ないよ。俺はやったばかりだ。)

Jay: Gee, they must have changed that.
(へえ、変わったんだな。)

Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)

I’m wondering if you’d ~ は「〜してもらえないかなと思って」と、頼みごとを遠回しに切り出す形です。

ジェイの Gee, I’d like to, but ~ は「そうしたいのはやまやまだが」と、まず気持ちだけは前向きに見せてから断る型です。they got rules about ~ は「〜には規則がある」で、自分ではなく決まりのせいにする口実になっています。ところがその場にいたアンダースが、自分は身内を推薦したばかりだと言ってしまいます。

崩された後の They must have changed that. は「規則が変わったに違いない」で、口実の続きを押し通す一言です。続く時間の確認でも、同じ流れが繰り返されます。

Phil: Oh, great, I’ll see you tonight. What time should I be here?
(よかった、じゃあ今夜。何時に来ればいい?)

Jay: Oh, I think it starts about 9:30.
(ああ、たしか9時半ごろからだ。)

Anders: No, it’ll be over by then. It starts at 7:00.
(いや、それじゃ終わってるよ。7時からだ。)

Jay: They must have changed that, too.
(それも変わったんだな。)

Phil: Thanks, Jay. See you at 7:00.
(ありがとう、ジェイ。7時にね。)

Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)

二度目の too が付くことで、苦しい言い逃れが重なっていく面白さが出ています。規則や予定のふりをして相手をかわす、これが pretend に近い振る舞いです。

「All I had to do was ~」に見える本音

口実の裏にある考えは、ジェイ自身の言葉で語られます。

Jay: I don’t know what I was worried about. All I had to do was let Phil be Phil. He’d never get past the vote.
(何を心配してたんだか。フィルをフィルのままにしておけばよかったんだ。投票を通るわけがない。)

Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)

All I had to do was ~ は「〜しさえすればよかった」で、思ったより簡単だったと振り返る言い方です。let someone be someone は「その人をその人らしくさせておく」という、名前を重ねた言い回しです。

口を出さずに好きにさせる、という意味で、ふだんは相手を尊重する前向きな場面でも使われます。ここでは逆に、放っておけば失敗するはずだという読みが込められています。get past ~ は「〜を通過する、乗り越える」で、ここでは入会の投票を指します。ジェイは、フィルが自分らしく振る舞えば投票で落ちると見込んでいたことが分かります。

ところが、集まりでのフィルの様子を語るジェイの言葉は正反対です。

Jay: It was a nightmare. Tumbling stories, bad jokes, and they ate it up!
(悪夢だった。体操の話にくだらない冗談、それで連中は大喜びだ!)

Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)

eat it up は「(話や芸を)大喜びで受け入れる」という口語です。食べ物を平らげる姿から、聞き手が夢中になる様子を表します。見込みが外れたことが、この短い一言に表れているのが印象的です。It was a nightmare. の「悪夢だった」も、フィルの話がうまくいった場面をジェイの側から見ると、こう言いたくなるという対比になっています。

「Stop pretending」と「You tricked me」の違い

一方、ミッチェルはキャメロンに連れられて劇場に来ています。

Cameron: I know it’s just community theater, but aren’t opening nights so exciting?
(ただの市民劇団だけど、初日ってわくわくしない?)

Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)

見知らぬ人たちに次々と話しかけられたミッチェルは、すぐに異変に気づきます。

Mitchell: Okay, what is going on? Why is everyone talking to me?
(ちょっと、どうなってるの? なんでみんな僕に話しかけてくるんだ?)

Cameron: I think they’re just being friendly.
(親切なだけじゃないかな。)

Mitchell: Cam, oh, my God. Is is this one of those interactive theater experiences?
(キャム、まさか。これって、あの参加型の演劇ってやつ?)

Cameron: Oh, do you mean where the audience participates and the line between performer and spectator is delightfully blurred? Mitchell, we’re at a high-school reunion!
(ああ、観客も参加して、演じる人と観る人の境目がいい感じにぼやけるっていうあれのこと? ミッチェル、僕たちは高校の同窓会に来てるんだよ!)

Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)

キャメロンは劇の設定に乗ってとぼけます。ミッチェルの返しはこうです。

Mitchell: Stop pretending, all right? You tricked me.
(とぼけるのはやめて。僕をだましたな。)

Cameron: I did not.
(だましてない。)

Mitchell: You always trick me. Every time we leave the house, it’s like a game of Three-card Monte.
(いつもだますじゃないか。出かけるたびに、まるでスリーカード・モンテだよ。)

Cameron: Interactive theater is fun.
(参加型の演劇は楽しいよ。)

Mitchell: It’s not fun. It’s never fun. It’s the worst thing that can happen to human during peace time.
(楽しくない。楽しかったためしがない。平和な時代に人間に起こりうる最悪の出来事だよ。)

Modern Family Season8 Episode6 (Grab It)

二つの動詞は、次のように整理できます。

語 主な意味 この回での使われ方
pretend (自分が)〜のふりをする Stop pretending(知らないふりはやめて)
trick (人を)だます、だまして〜させる You tricked me / You always trick me

pretend は自分の振る舞いを偽ることで、相手を目的語に取らないのが基本です。pretend to be ~(〜のふりをする)、pretend that ~(〜であるふりをする)の形でよく使われます。ミッチェルの Stop pretending は、キャメロンが同窓会に来ているふりを続けていることに向けた言葉です。

trick は相手を目的語に取り、trick someone into ~ing の形で「だまして〜させる」とも言えます。Three-card Monte は昔からあるカードのゲームの名前を借りたたとえで、出かけるたびに行き先でだまされる、という誇張です。always と every time を重ねることで、今回だけの話ではないという不満がはっきり伝わります。キャメロンの I did not. は短い否定で、Interactive theater is fun. と返します。

まとめ|ふりをする英語、だまされた英語

Gee, I’d like to, but ~ や They must have changed that. で口実を重ねる言い方、Stop pretending と You tricked me で「ふり」と「だまし」を言い分ける表現。同じごまかしでも、誰に向いた行為かで動詞が変わることが分かります。

これからも『モダンファミリー』の家族のやりとりを手がかりに、英語の言い回しを集めていきましょう。

クラブの入会の流れや、母と娘のすれ違いをめぐる英語は、同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。

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