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『モダンファミリー』シーズン5第6話では、婚約中のミッチェルとキャメロンが、友人のペッパーに式の準備を任せます。ところが、ペッパーの提案は2人の好みとかみ合いません。
仕事を頼んだ相手の案を断るのは、相手が友人ならなおさら気をつかうものです。相手の思い込みを打ち消し、返事をいったん保留し、最後は自分たちの希望を言い切ります。3人のやり取りには、関係を保ちながら断るための表現がそろっています。
「You think I’m an idiot.」と受け取られたときの打ち消し方
ペッパーは式の色に紫を考えています。乗り気でない反応が返ってくると、ペッパーの受け止め方は一気に大げさになります。
Pepper: No, I get it.
(いいの、分かってる。)Pepper: You think I’m an idiot.
(私のことをバカだと思ってるんでしょう。)Cameron: No.
(違うよ。)Mitchell: No! – No, we don’t, Pepper.
(違う! そんなこと思ってないよ、ペッパー。)Pepper: Well, obviously, you know better than I.
(ああ、そっちのほうがよく分かってるんだろうね。)Pepper: After all, I’ve only put on hundreds of magnificent weddings.
(なにしろ私は、何百もの見事な式を手がけてきただけですから。)Modern Family Season5 Episode6 (The Help)
No, I get it. は本来「分かったよ」と相手の言い分を受け入れる一言ですが、ここでは後ろに You think I’m an idiot. が続き、「言われなくても分かっている」とすねる響きになっています。同じ I get it でも、続く文によって受け止め方が変わるのが分かります。
これに対する No, we don’t は、相手の You think ~ をそのまま否定する短い返し方です。we と言うことで、2人とも同じ考えだと伝えています。断った直後に相手が自分を否定されたと受け取ったら、提案と人とを切り分けて、まずこうして打ち消すのが筋道と言えます。
you know better than I は、文字どおりには「あなたのほうがよく知っている」ですが、この場面では明らかな皮肉です。続けて、手がけた式の数を持ち出して自分の経験を強調しています。この後ペッパーは「Come, Ronaldo.」とアシスタントのロナルドを呼び、立ち去ろうとします。
「This is just a lot for us to take in.」で返事を保留する
立ち去ろうとするペッパーに、キャメロンが取りなします。
Cameron: We can consider purple.
(紫も考えてみるよ。)Cameron: This is just a lot for us to take in.
(ただ、僕たちには一度に受け止めきれなくて。)Pepper: Of course.
(もちろん。)Pepper: I get it.
(分かるよ。)Pepper: I Let the idea wash over you for a bit.
(しばらく、その案をじっくり味わってみて。)Ronaldo: We had also discussed a more neutral palette.
(もう少し落ち着いた配色の案も話していました。)Modern Family Season5 Episode6 (The Help)
We can consider ~ は「〜も検討できる」で、賛成はしないまま、話を打ち切らずにつなぎます。a lot to take in は「一度に受け止めるには多すぎる」という意味で、相手の案を否定せず、受け取る側の事情として間を取る働きをします。今度のペッパーの I get it. は、すねた響きではなく素直な受け入れと読み取れます。
実際に提案を受ける側に立ったときは、This is a lot to take in. のように主語を変えて使えます。即答を避けたいときに、角を立てずに考える時間をもらえる一言です。
ペッパーの Let the idea wash over you は、案が波のように押し寄せて体にしみこむのを待つ、というイメージの言い方です。ロナルドの We had also discussed ~ は「〜という案も出ていました」と、別案をさりげなく差し出す形です。
一方、別の場面では、返事を先に延ばす言葉が逆向きに使われます。
Pepper: I’ll come back tomorrow when you’re ready to be more constructive.
(もっと建設的な話ができるようになったら、明日また来るよ。)Cameron: Pepper, no.
(ペッパー、待って。)Mitchell: Pepper.
(ペッパー。)Pepper: Ronaldo, strike this.
(ロナルド、片づけて。)Modern Family Season5 Episode6 (The Help)
案への感想に疑問が混じると、ペッパーは when you’re ready to be more constructive という条件をつけて引き上げます。こちらは、相手に非があると示しながら話を持ち越す使い方です。strike には舞台のセットなどを片づける意味があり、ここではロナルドに引き上げを指示する一言と読み取れます。キャメロンとミッチェルは、短い言葉で引き止めようとします。
「take the lead」と「for us」で希望を通す
後の場面で、キャメロンがこう持ちかけます。
Cameron: Let’s just ask him to let Ronaldo take the lead.
(ペッパーに、ロナルドを中心にしてもらえないか頼んでみようよ。)Mitchell: And — and risk hurting Pepper? For all we know, Ronaldo hasn’t even given us a second thought.
(それで、ペッパーを傷つけるかもしれないのに? ロナルドのほうは僕たちのことなんて気にもかけてないかもしれないんだよ。)Modern Family Season5 Episode6 (The Help)
let ~ take the lead は「〜に主導してもらう」で、担当そのものは変えずに中心となる人を入れ替える頼み方です。risk ~ing は「〜する危険を冒す」で、ミッチェルは頼みごとの代償として、ペッパーの気持ちを気にかけています。For all we know は「ひょっとしたら」と、自分たちの思い込みに歯止めをかける前置きです。
仕事を頼んだ相手はそのままに、中心となる人だけを変えてほしいときは、Could we let ~ take the lead on this? のように頼む形にすると、相手を外すという印象を和らげられます。ミッチェルのように、頼む前に相手がどう受け取るかを考える視点も、言葉選びの手がかりになります。
終盤の打ち合わせでは、式で踊る曲や家族の反応が話題になる中、ミッチェルがこう言い切ります。
Mitchell: We’re not getting married for them.
(周りのために結婚するんじゃない。)Mitchell: We’re getting married for us.
(自分たちのために結婚するんだ。)Modern Family Season5 Episode6 (The Help)
for them と for us の対比は、周りの期待より自分たちの希望を優先すると示す、分かりやすい形です。遠慮しながら断る場面が続いた後だけに、この短い2文の強さが印象的です。
| 表現 | 場面での働き |
|---|---|
| No, we don’t | 相手の思い込みを打ち消す |
| We can consider ~ | 賛成せずに話をつなぐ |
| a lot to take in | 受け止める時間をもらう |
| let ~ take the lead | 中心となる人を入れ替える |
| for them / for us | 自分たちの希望を言い切る |
まとめ|断っても関係を保つための言い方
No, we don’t で思い込みを打ち消し、We can consider ~ や a lot to take in で返事を保留し、最後は for us で希望をはっきり示します。ペッパーとの打ち合わせからは、頼んだ相手との関係を保ちながら断る流れが見えてきます。
次回も『モダンファミリー』と一緒に、場面ごとの英語を味わっていきましょう。
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