海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
一週間を乗り切ったあと、家にまっすぐ帰らずに、夜の街へ出かけて気分を切り替えたいと思う夜があります。
そんな気分にぴったりの「out on the town」を、『モダンファミリー』シーズン5第6話の前半、ジェイがフィルに「今夜は、お前と俺とフランクで街に繰り出すぞ」と持ちかけるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「out on the town」の意味とニュアンス
out on the town
意味:街に繰り出して遊ぶ・楽しむ
out on the townは、家を出て繁華街に繰り出し、食事や飲み物、ショーなどを楽しむことを表す口語表現です。単なる「外出」ではなく、日常から離れて楽しむ気分が含まれます。the townは特定の町の名前ではなく、盛り場や繁華街を漠然と指す言い方です。
out(外に)とon the town(町の中で)を組み合わせた文字どおりの意味は、「町に出て」です。この形はgoやbeと組み合わせて使うのが基本で、go out on the townなら「繰り出す」動作、be out on the townなら「繰り出している」状態を表します。
お祝いの外出や旅先の夜の計画のように、思いきり楽しみたい気分のときに合う表現です。「今夜は出かけよう」という誘いの一言にも、「昨日は出かけていた」という報告の一言にも使えるため、予定と思い出のどちらの話にも顔を出します。用事を済ませる目的の外出ではなく、出かけること自体を楽しむ場面で使う点が、辞書的な意味の中心です。
【ここがポイント!】
- 「out on the town」の核は、家の外の町全体を遊び場にして楽しむイメージ
- 単なる外出ではなく、日常から離れて楽しむ気分がこもる表現
- goを添えれば動作、beを添えれば状態を言い分けられるのがコツ
『モダンファミリー』S05E06のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
フィルが賛成の言葉を口にしたあと、ジェイが今夜の計画を言葉にしてまとめる場面です。計画を告げる一言と、それを受けたフィルとジェイの反応の違いに注目です。
Phil: Oh, I agree. Claire was wrong.
(ああ、俺もそう思う。クレアが間違ってたよ。)Jay: I’ll tell you what. I know a fun place. Tonight, you, me, and Frank out on the town.
(こうしようじゃないか。楽しい店を知ってる。今夜は、お前と俺とフランクで街に繰り出すぞ。)Phil: Oh, fun! A three-way!
(おお、楽しそう! 三人組だ!)Jay: I already regret this.
(もう後悔してきたぞ。)Modern Family Season5 Episode6 (The Help)
シーン解説と心理考察
計画を持ちかけるジェイの言葉づかいは、簡潔でぶっきらぼうです。「こうしようじゃないか」と切り出し、知っている店があることを伝え、今夜の顔ぶれを並べていきます。細かい説明を省いて、予定をぱっと決めてしまう段取りのよさが、ジェイらしい話し方になっています。
とりわけout on the townの一言は、動詞を置かずに、今夜の顔ぶれを並べた形になっています。you、me、Frankと名前を並べ、最後に「街に繰り出す」と言い切ることで、細かい理由を語らずに予定だけを告げる響きが生まれています。
ジェイの言葉には、行き先の名前も、出かける理由も添えられていません。「楽しい店を知ってる」という一点だけを手がかりに、街に繰り出す計画が成り立つところに、この誘い方の勢いがあります。
それを受けたフィルは、「おお、楽しそう!」とすぐに反応します。冒頭で「クレアが間違ってた」と同意した流れのまま、提案をそのまま楽しみに変える身軽さが伝わってきます。
一方のジェイは、「もう後悔してきたぞ」とつぶやきます。自分から持ちかけた計画でありながら、はしゃぐフィルの反応を受けて、早くも気持ちが引き気味になっています。楽しそうに応じるフィルと、ぶっきらぼうに構えるジェイという、義理の親子の温度差が、この短いやり取りに表れています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
夜のにぎやかな通りに、自分が「外に(out)」出て、「町(the town)」の上に乗っている絵を思い浮かべてみましょう。家の中ではなく、町全体が遊び場になっている様子が、out on the townの芯にあります。
ジェイの「今夜は、お前と俺とフランクで街に繰り出すぞ」は、家の外へ向かう3人の姿を思い浮かべやすい一言でした。out on the townという語の並びが、家を出て通りへ向かう動きをそのまま絵にしています。
日本語の「街に繰り出す」も、家という小さな場所から、通りという大きな場所へ出ていく動きを含む言い方です。英語のout on the townも、その日本語とほぼ同じ絵を思い描けば、迷わずに意味が浮かびます。
町という大きな舞台の上に立つイメージを持っておくと、単なる外出ではなく、楽しむために出かけるのだという気分まで、一緒に思い出せます。
例文で覚える「out on the town」
夜の街に繰り出して楽しむ場面で使えるout on the townを、3つの例文で確認していきましょう。
We’re going out on the town tonight to celebrate your promotion.
(昇進のお祝いに、今夜は街に繰り出すよ。)
お祝いの外出に相手を誘う場面です。goを添えて、これから繰り出す動作を伝える形になっています。
I’m too tired to go out on the town tonight.
(今夜は疲れすぎていて、街に繰り出す気になれない。)
遊びの誘いを断る場面です。too tired toという言い方が、繰り出すだけの余力がないことを、そのまま理由として添えています。
A: Where were you last night?
B: We were out on the town until midnight.
(A:昨日の夜はどこにいたの?)
(B:夜中まで、みんなで街に繰り出してたよ。)
前夜の行動を友人同士で話す会話です。beを添えると、繰り出していた状態を言い表す形になります。
あわせて覚えたい関連表現
hit the town
(街に繰り出す)
意味はほぼ同じで、hit the townは「繰り出す」という動作の側から言う形です。out on the townは「繰り出している」状態にも使える点が、使い勝手の違いです。
paint the town red
(街で派手に遊び回る)
out on the townよりも、羽目を外して騒ぐ派手な遊びを強調する言い方です。楽しく出かけるという点は共通しています。ただし、羽目を外して騒ぐ点まで含むのはpaint the town redのほうで、out on the townはもう少し幅のある言い方です。
a night out
(夜の外出、夜遊び)
夜に出かけること自体を名詞で言う表現です。out on the townは、出かけて遊んでいる様子を動詞のように描く点で違いがあります。
Note|go out on the townとbe out on the townの違い
out on the townは、goやbeと組み合わせて使う形が中心の表現です。
go out on the townは、家を出て街に繰り出す動作を表します。We’re going out on the town tonight.のように、これから出かける予定を伝える場面によく合います。一方、be out on the townは、すでに繰り出している状態を表します。They were out on the town until late.なら、「彼らは遅くまで街に繰り出していた」と、出かけた先で過ごしていた状態を言う形になります。動作を言うか、状態を言うかで、添える動詞が変わります。
ジェイの言い方は、そのどちらの動詞も置かない形です。「Tonight, you, me, and Frank out on the town.」と、今夜の顔ぶれを並べたあとにout on the townを続けています。動詞を置かずに名詞を並べて言い切ることで、細かい説明を省いて予定を告げる、ぶっきらぼうな響きが出ています。動詞を補うなら、これから出かける予定なのでwill goのような形が合います。
goを添えれば動作、beを添えれば状態。この使い分けを頭に置いておくと、out on the townが出てきたときに、動きなのか状態なのかを読み分けられます。
短い言い方の裏側にも、動詞の選び方が隠れている。そう考えて聞くと、会話の受け取り方が変わります。
まとめ|家の外の町全体を、今夜の遊び場に
out on the townは、家を出て街に繰り出し、楽しむことを表す口語表現です。goを添えれば繰り出す動作、beを添えれば繰り出している状態を言い分けられます。
ジェイは、動詞を置かない形で、今夜の予定をぶっきらぼうに告げました。それを楽しそうに受け取るフィルと、早くも後悔を口にするジェイの温度差が、この一言のあとに続いていました。短い誘いの言葉のなかに、その人らしい話し方がにじむ点も、この場面の見どころです。
お祝いの夜や、旅先での夜の計画、友人との週末の予定など、街に出て楽しみたい場面を思い浮かべながら、表現の引き出しに加えてみてください。


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