「I’m terrible at breaking bad news.」に見る、言いにくい知らせを切り出す英語表現と、伝え損ねたときの言い訳|『モダンファミリー』S03E23で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「I'm terrible at breaking bad news.」に見る、言いにくい知らせを切り出す英語表現と、伝え損ねたときの言い訳|『モダンファミリー』S03E23で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン3第23話で、フィルは自分の会社の仕事を手伝ってくれているミッチェルに、もう来なくていいと伝えようとします。ところが、言いにくい話をなかなか切り出せないまま遠回しな言葉を重ね、2人の受け取り方は食い違っていきます。

切り出す前の相談、遠回しな言い回し、伝え損ねたあとの言い訳。悪い知らせをめぐる英語を、場面の順に見ていきます。

目次

「Just be direct.」──言いにくい話を前にした相談

フィルは、ミッチェルに伝える言葉を声に出してみます。聞いていたクレアは、それでは解雇なのかプロポーズなのか分からないとからかい、もともとパートタイムの約束だった仕事だと念を押したうえで、短く助言します。

Claire: Just be direct.
(ストレートに言えばいいのよ。)

Phil: I should have warned him.
(前もって注意しておくべきだったな。)

Phil: How do you tell someone they have a reputation for being lazy?
(怠け者だって評判が立ってるなんて、どうやって本人に言えばいいんだ?)

Claire: Mitchell? Lazy?
(ミッチェルが? 怠け者?)

Phil: Yeah.
(そう。)

Phil: Yeah.
(そうなんだよ。)

Phil: He handed in a couple of contracts late, but I didn’t want to say anything because he’s practically doing this for free.
(契約書の提出が何回か遅れたんだけど、ほとんどタダで手伝ってもらってるから、何も言いたくなかったんだ。)

Phil: I can’t do this! This isn’t the face of a cold-blooded hatchet man.
(俺には無理だ! これは冷酷な首切り役の顔じゃないよ。)

Modern Family Season3 Episode23 (Tableau Vivant)

be direct は「遠回しにせず、率直に言う」という意味で、Just を添えると「余計なことは考えずに」という後押しになります。フィルの How do you tell someone ~? は、伝える中身ではなく伝え方に迷っていることを示す問いかけです。

I should have warned him. は should have と過去分詞で「〜しておくべきだった」と悔やむ形で、遅れが出た時点で注意しなかったことを指しています。hatchet man は hatchet(手おの)から来た言葉で、解雇のような嫌な役回りを引き受ける人を指すくだけた呼び方です。自分はその顔ではないと言ったフィルは、このあとクレアに「Will you do it?」と代わりを頼みます。

遠回しな言葉が生んだ受け取り違い

別の場面で、フィルはコーヒーを2つ持ってミッチェルの家を訪ねます。ミッチェルは、自分の仕事ぶりが評価されて頼まれる量が増えたため、わざと提出をいくつか遅らせたと語っています。玄関先に立っていたフィルに気づいたミッチェルが声をかけます。

Mitchell: How– how long have you been standing here? Are– are you– are you all right?
(い、いつからそこに立ってたの? だ、大丈夫?)

Phil: Oh, yeah.
(ああ、うん。)

Mitchell: ‘Cause you’re– you’re really blinking.
(だって、すごくまばたきしてるから。)

Phil: I’m a stress blinker, um, and what really gets me going is confrontation.
(俺、緊張するとまばたきが増えるタイプでさ、えっと、一番こうなるのが人とぶつかる場面なんだ。)

Phil: I hate it.
(大っ嫌いなんだよ。)

Phil: I-I avoid it at all costs.
(な、何としても避けてる。)

Phil: Terrible at it.
(本当に苦手でさ。)

Modern Family Season3 Episode23 (Tableau Vivant)

confrontation は「面と向かって対立すること」で、avoid ~ at all costs は「どんな犠牲を払ってでも避ける」という強い言い方です。このあとフィルが本題の周りをぐるぐる回る場面は、同じ回のフレーズ記事でも扱っています。そのうえでフィルが口にするのが、次のほめ言葉です。

Phil: Mitchell, you’ve done a wonderful job for the agency since you decided you’d help us out for just a little bit.
(ミッチェル、少しだけ手伝うって決めてくれてから、会社のためにすばらしい仕事をしてくれたよね。)

Phil: And we couldn’t ask for more, could we? I wish it didn’t have to end.
(これ以上は望めないくらいさ、だろ? 終わりにしなきゃならないなんて残念だよ。)

Phil: In fact, if it was up to me, you’d stay on forever
(実際、俺が決められるなら、ずっといてもらうんだけど)

Mitchell: Phil, Phil
(フィル、フィル)

Phil: But it is not just up to me, is it?
(でも、俺だけで決められることじゃないだろ?)

Modern Family Season3 Episode23 (Tableau Vivant)

if it was up to me は「自分に決める権限があれば」と、決定が自分の手にないことをにじませる前置きです。フィルは終わりを伝えたつもりですが、ミッチェルの受け取り方は逆でした。

Mitchell: I made an excuse and left.
(口実を作って、その場を離れたんだ。)

Mitchell: But I-I-I’ve gotta be straight with him.
(でも、ぼ、僕はあの人に正直に言わなきゃ。)

Mitchell: Phil, I cannot stay on with your firm forever.
(フィル、君の会社にずっといるわけにはいかないんだ。)

Mitchell: Oh! God, it’s gonna crush him.
(ああ! もう、あの人、打ちのめされちゃうよ。)

Mitchell: Maybe I can get Claire to do it.
(クレアに言ってもらおうかな。)

Modern Family Season3 Episode23 (Tableau Vivant)

ミッチェルは引き留められたと受け取り、自分から辞めると伝える練習をしています。be straight with someone は「〜に包み隠さず言う」で、クレアの Just be direct. と同じ方向の言い方です。一方のフィルは、話がうまく伝わったと思い込んでいます。2人とも最後はクレアに頼ろうとする点が、この回らしいすれ違いです。

「I’m terrible at breaking bad news.」──伝え損ねたあとの言い訳

ミッチェルはフィルの職場を訪ね、自分の今後について話す必要があると切り出し、約束どおり7月までは続けると伝えます。フィルは「Okay, great.」と応じたあと、何かを思い出したように「you’re fired」と告げました。フィルの職場の人がミッチェルを怠け者と呼ぶのを聞いて、ミッチェルが声を上げます。

Mitchell: Lazy?!
(怠け者だって?!)

Phil: You handed in a couple of things late.
(提出がいくつか遅れてただろ。)

Phil: I should have warned you.
(前もって言っておくべきだったな。)

Phil: I’m terrible at breaking bad news.
(俺、悪い知らせを伝えるのが本当に下手なんだよ。)

Mitchell: Well, then why did you come over to my house and tell me how great I was?
(じゃあ、なんで僕の家まで来て、僕がどれだけすごいかなんて話したんだよ?)

Phil: That was me trying to fire you! I haven’t felt like this since I tried to break up with Claire 20 years ago.
(あれはクビにしようとしてたんだよ! こんな気持ち、20年前にクレアと別れようとしたとき以来だ。)

Modern Family Season3 Episode23 (Tableau Vivant)

break bad news は「悪い知らせを伝える」という決まった組み合わせで、be terrible at ~ing と合わせると「〜するのがひどく下手」という自己申告になります。前夜の I should have warned him. が、ここでは本人に向けた you に変わってくり返されているのが分かります。

That was me trying to ~! は「あれは〜しようとしていたんだ」と、相手が別の意味に受け取った行動の本当の狙いを明かす形です。

  • A: Why did you keep talking about the weather?
    (なんでずっと天気の話をしてたの?)
  • B: That was me trying to cheer you up.
    (あれは元気づけようとしてたんだよ。)

まとめ|率直に言うか、遠回しに言うか

Just be direct. や be straight with someone は率直に伝える言葉、I wish it didn’t have to end. は遠回しににじませる言葉です。I’m terrible at breaking bad news. まで並べると、伝え方で受け取り方が逆転する様子が見えてきます。

言いにくいことの伝え方を、これからも家族の会話から拾っていきましょう。

同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の別の場面の英語を取り上げています。

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