「thank you for all of your trust.」に見る、皮肉で相手を責めて話をそらす英語表現|『モダンファミリー』S02E18で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「thank you for all of your trust.」に見る、皮肉で相手を責めて話をそらす英語表現|『モダンファミリー』S02E18で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン2第18話では、外出禁止中のヘイリーが、ミッチェルとキャメロンの娘リリーの子守りを任されます。ところが、キャメロンがある場面を目にしたことから、ヘイリーとキャメロンの間で、「信用してくれない」をめぐる言い合いが始まります。

感謝の形を借りて相手を責める皮肉と、それを短いひと言で封じる返しを、子守りを頼む場面から順を追って見ていきます。

目次

「give her a shot」と、言葉をくり返す皮肉

ヘイリーにリリーの子守りを頼むことになり、キャメロンは不安を口にします。

Cameron: What are you thinking? Haley is a very sweet and fashionable girl but seems hardly a responsible caregiver.
(何考えてるんだよ?ヘイリーはすごくいい子でおしゃれだけど、責任ある子守りにはとても見えないだろ。)

Mitchell: You know what? We needed a sitter.
(あのさ、シッターが必要だったんだよ。)

Mitchell: She’s family.
(あの子は家族だ。)

Mitchell: I say we give her a shot.
(チャンスをあげてみようよ。)

Cameron: A shot.
(チャンス、ね。)

Cameron: Oh, with our only child.
(ああ、僕たちのたった一人の子どもでね。)

Modern Family Season2 Episode18 (Boys’ Night)

give someone a shot は「〜に試しにやらせてみる」「チャンスを与える」という意味で、shot には「試み」「挑戦の機会」という意味があります。I say we ~ は「〜しようよ」と自分の案を出すときの口語的な形です。

これに対するキャメロンの返しは、相手の言葉 A shot. をそのままくり返すところから始まります。続けて Oh, with our only child. と付け足すことで、「たった一人の子どもで試すの?」という不満を、相手の言葉を受ける形のまま伝えています。相手の言葉を拾ってくり返し、あとから条件を足して皮肉にする流れは、英語の会話でも見かけることがあります。

hardly は「ほとんど〜ない」という否定の意味を持つ副詞で、seems hardly a responsible caregiver は「責任ある子守りにはとても見えない」となります。not を使わずに否定を表すため、見落としやすい語です。

「thank you for all of your trust」で責め返す

夜、キャメロンがヘイリーに様子を尋ねます。

Cameron: Is everything okay?
(何も問題ない?)

Haley: Yeah.
(うん。)

Haley: Why?
(なんで?)

Cameron: Because I just saw a man walk through the living room.
(今、リビングを男の人が横切るのが見えたからだよ。)

Haley: What? Where are you?
(は?どこにいんの?)

Cameron: I can see through the camera on the computer.
(パソコンのカメラから見えるんだ。)

Haley: You’re spying on me? Oh, my God.
(あたしのこと見張ってたわけ?うそでしょ。)

Modern Family Season2 Episode18 (Boys’ Night)

spy on someone は「〜をこっそり見張る」という意味です。Where are you? と聞き返したヘイリーは、居場所よりも「見られていた」ことのほうに話の焦点を移しています。このあとヘイリーは、見間違いではないかと言い返したうえで、話の向きをキャメロンの行動のほうへ変えていきます。

Haley: This is the kind of thing that I expect from my mother, but not from my cool uncle.
(こういうのってママならやりそうだけど、イケてる叔父さんがやるとは思わなかった。)

Haley: So, thank you for all of your trust.
(だから、信用してくれてどうもありがとう。)

Cameron: Okay, um, sorry.
(わかった、その、ごめん。)

Cameron: Sorry.
(ごめんね。)

Haley: Unbelievable.
(信じらんない。)

Haley: You gotta go.
(もう行って。)

Dylan: Okay.
(わかった。)

Modern Family Season2 Episode18 (Boys’ Night)

thank you for all of your trust は形のうえでは感謝ですが、ここでは「全然信用してくれないのね」という非難を表す皮肉です。all of your を付けて量を強調することで、かえって「信用がゼロだ」という意味が際立ちます。the kind of thing that I expect from A, but not from B も、「Aならやりそうだけど、Bがするとは」と相手をがっかりさせた側に置く言い方です。キャメロンは謝りますが、直後のやり取りから、その場にディランがいたことが分かります。

  • A: You read my messages? Thank you for all of your trust.
    (私のメッセージを読んだの?信用してくれてどうもありがとう。)
  • B: I’m sorry. I was just worried.
    (ごめん。心配だっただけなんだ。)

「see it from my point of view」と、ひと言で封じる返し

後の場面で、ヘイリーがキャメロンたちに話を切り出します。

Haley: We need to talk.
(話があるんだけど。)

Haley: I know I freaked out on you last night, but you have to see it from my point of view.
(昨日の夜キレちゃったのはわかってる。でも、あたしの立場になって考えてよ。)

Haley: You were totally spying on me.
(完全にあたしのこと見張ってたじゃん。)

Cameron: I know.
(わかってる。)

Modern Family Season2 Episode18 (Boys’ Night)

We need to talk. は、改まった話を切り出すときの決まり文句です。freak out on someone は「〜に対して取り乱す」「キレる」、see it from my point of view は「私の立場から見て」と、相手に視点を移すよう求める表現です。まず自分の非を少し認め、but で自分の言い分に戻す流れになっています。

  • A: I know I was late, but you have to see it from my point of view. The train stopped.
    (遅れたのは分かってる。でも、こっちの立場になって考えてよ。電車が止まったんだから。)
  • B: Okay, I get it.
    (わかった、事情は分かったよ。)

このあとヘイリーは、信用されないことへの不満をさらに重ねます。

Haley: And especially you guys.
(特に2人からはね。)

Haley: I don’t think of you guys as my uncles.
(あたし、2人のこと叔父さんだなんて思ってないし。)

Haley: I think of you as my friends.
(友だちだと思ってるの。)

Haley: And if your friends don’t believe in you, then what else do you have?
(友だちに信じてもらえなかったら、ほかに何があるっていうの?)

Cameron: Dylan’s shoes.
(ディランの靴。)

Haley: Please don’t tell my mom.
(お願い、ママには言わないで。)

Cameron: Buckle up.
(覚悟しておいて。)

Modern Family Season2 Episode18 (Boys’ Night)

what else do you have? は本来「ほかに何が残るの?」と答えを求めない問いかけですが、キャメロンはこれに「ディランの靴」と、ある物の名前を文字どおりの答えとして返しています。問いかけの形を逆手に取った、短く効き目のある返しです。ヘイリーがすぐに Please don’t tell my mom. と頼むことからも、このひと言で言い分が崩れたことが読み取れます。最後の Buckle up. は「シートベルトを締めて」が元の意味で、「覚悟して」「心の準備をして」という意味で使われます。

まとめ|皮肉と、それを封じるひと言

give her a shot をくり返す皮肉、thank you for all of your trust で感謝の形を借りて責める言い方、see it from my point of view で自分の言い分に引き戻す言い方を見てきました。相手の問いかけに物の名前で文字どおり答えるキャメロンの返しの切れ味も印象的です。

ヘイリーとキャメロンのやり取りを観ながら、皮肉の英語の聞き分けを楽しんでいきましょう。

このエピソードのほかの場面の英語は、同じ回の別のコラムやフレーズ記事でも読むことができます。

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