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『ホワイトカラー』シーズン3第12話の後半には、捜査の手柄を自分も含めて語ろうとするニールを、ピーターが Stop digging という短い一言で止める場面があります。「穴を掘る」という意味の動詞が、なぜ相手の話を止める言葉になるのかが今回の中心です。
言い直し、食い下がり、制止、そして止められた側の返しまで、やり取りの流れに沿って見ていきます。
「us」を「the bureau」に言い直され、関係詞で食い下がる
話の中盤、ニールはモジーを相手に、ピーターに対して自分ができることを語っています。
Neal: All I can do is remind Peter that I am an asset, not a liability, starting with this case.
(僕にできるのは、自分がお荷物じゃなく戦力だってピーターに思い出させることだけさ。まずはこの事件からね。)White Collar Season3 Episode12 (Upper West Side Story)
asset は「財産、戦力になるもの」、liability は「負担、お荷物」を指す語で、A, not B の形で並べると自分の位置づけがはっきり伝わります。
後半、理事アンディ・ウッズの自宅での一件のあと、ピーターが捜査の進み具合を伝えると、ニールはその成果を手柄の話に結びつけます。
Peter: And Jones already pulled several account numbers from the drive that you copied.
(それに、お前が複製したドライブから、ジョーンズがもう口座番号をいくつか引き出した。)
Neal: Sounds like another win for us.
(また僕たちの勝ちってわけだね。)
Peter: For the bureau.
(局の、だ。)
Neal: Well, of which I am an integral member.
(まあ、僕はその局の欠かせない一員だけどね。)White Collar Season3 Episode12 (Upper West Side Story)
ピーターの For the bureau. は、ニールの another win for us の us の部分だけを the bureau(局)に差し替えた言い直しです。これに対するニールの of which は、前置詞 of と関係代名詞 which を組み合わせた形で、which はピーターが言った the bureau を指します。
I am an integral member of the bureau の of the bureau を of which に置き換えて前に出し、相手の言葉の直後に自分をつなぎ直しているのが面白いところです。
「Stop digging.」と「Stop. Don’t say anything else.」
ニールの食い下がりに、ピーターは短く返します。
Peter: Stop digging.
(掘るのはやめておけ。)
Neal: Digging?
(掘る?)
Peter: You know my statement for the Keller case is coming up.
(ケラーの件の俺の供述が近いのは分かってるだろ。)White Collar Season3 Episode12 (Upper West Side Story)
dig は「掘る」で、Stop digging. は、穴を掘り続けるほど自分が深みにはまるというたとえから、「それ以上言葉を重ねるな」という意味で使われます。英語には when you’re in a hole, stop digging(穴にはまったら掘るのをやめよ)という言い回しもあり、それを短くした形と受け取ることもできます。
ニールが聞き返すと、ピーターは近く控えている自分の供述の話を持ち出します。You know ~ は「〜なのは分かっているだろう」と、相手も承知している事情を思い出させる前置きです。
相手を止める言い方は、話の終盤にも出てきます。事件が片づいたあと、ニールが自分から話を向けると、ピーターはそれを途中で止めます。
Neal: I know I-I complicated your life.
(分かってるよ、僕、僕が君の人生をややこしくしたって。)
Peter: Stop. Don’t say anything else.
(やめろ。それ以上は何も言うな。)
Neal: Can I say thank you?
(ありがとうは言ってもいい?)White Collar Season3 Episode12 (Upper West Side Story)
Stop. の一語で遮り、Don’t say anything else. で「それ以上は何も言うな」と範囲まで示す二段構えです。止められたニールは Can I ~? で許可を求め、言いたいことを「ありがとう」の一言に絞り込んでいます。止める側の短い言葉と、止められても伝えたい一言だけは通そうとする返しが、一続きに並んでいるのが分かります。
まとめ|止める言葉と、止められた側の返し
for the bureau の言い直し、of which の食い下がり、比喩で止める Stop digging、範囲まで示す Don’t say anything else を見てきました。止められた側が Can I ~? で一言を通す返しも、会話の流れを保つ工夫と言えます。
『ホワイトカラー』の二人のやり取りを追いながら、英語の呼吸を味わっていきましょう。
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