「in all fairness」の意味と使い方|『モダンファミリー』S02E18で学ぶ英会話

「in all fairness」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

相手の言い分にも一理あると認めつつ、それでも自分の主張を通したくなる場面が、日常にはよくあります。

そんな場面にぴったりの「in all fairness」を、『モダンファミリー』シーズン2第18話の中盤、近所のクリーザック氏の家に乗り込んだフィルとクレアが言い合う場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「in all fairness」の意味とニュアンス

in all fairness
意味:公平に言えば、公平を期して言うと

in all fairnessは、相手の言い分を一部認めたうえで、自分の主張や反論を付け加えるときに使われる談話標識です。fairnessは「公平さ」、allは「あらゆる点で」という意味を持ち、両方を組み合わせることで「あらゆる面で公平に見て」というニュアンスが生まれます。単に前置きとして口にするだけでなく、話し手自身が公平な視点を保とうとしている姿勢そのものを表す言葉でもあります。

反論や指摘の前に置くことで、一方的な物言いに聞こえないよう配慮する効果があります。相手の意見に一理あると認めつつ反論したいとき、議論の場で公平な立場を示したいとき、誰かをかばいながらも問題点を指摘したいときなど、対立を和らげながら自分の言い分を伝えたい場面でよく使われます。文全体の主張を和らげる働きを持つ言葉なので、強い口調で言い切りたい場面よりも、冷静に話し合いを進めたい場面に向いています。相手を頭ごなしに否定せず、まず認めるところから始めるという姿勢そのものが、この表現の芯にあります。

【ここがポイント!】

  • 「in all fairness」の核は、相手の言い分を認めたうえで反論を続ける姿勢
  • 一方的な物言いに聞こえないよう配慮する、クッションのような表現
  • 文頭に置いて、そのあとに自分の主張を続けるのが基本の型

『モダンファミリー』S02E18のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ルークが親しくしているクリーザック氏の家を訪れたフィルとクレアが、話がこじれかけたところで本人と直接言い合う場面です。互いに一歩も譲らない口論の中で、クレアが冷静に切り返す様子に注目です。息子を心配する親としての立場と、静かに暮らしたい隣人の立場が真っ向からぶつかります。

Phil: Probably not.
(たぶん、そうじゃないと思うよ。)

Mr. Kleezak: Look, I didn’t ask him to come over here. I was minding my own business, like you should be.
(いいか、私が彼をここに呼んだわけじゃない。私は自分のことだけをやっていたんだ、あんたらもそうすべきだろ。)

Claire: Okay. But in all fairness, our son is our business.
(わかったわ。でも公平に言えば、うちの息子のことは私たちの問題よ。)

Mr. Kleezak: Well, then keep him. And keep your daughter from driving into my garbage cans.
(だったら、彼をちゃんと見張っておくんだな。それと、お宅の娘にはうちのゴミ箱に車をぶつけさせないでくれ。)

Modern Family Season2 Episode18 (Boys’ Night)

シーン解説と心理考察

「私が彼をここに呼んだわけじゃない、私は自分のことだけをやっていたんだ、あんたらもそうすべきだ」と突き放すクリーザック氏に対し、クレアは「わかったわ」といったん引きつつも、「でも公平に言えば、うちの息子のことは私たちの問題よ」と、親としての立場を崩さず言い返します。相手の言い分を一部認めながらも自分たちの主張を通す、クレアらしい理詰めの切り返しが表れる場面です。

これに対しクリーザック氏は「だったら、彼をちゃんと見張っておくんだな」「娘にはうちのゴミ箱に車をぶつけさせるな」と、突き放すように応じます。頑固な高齢の隣人と、息子を心配する母親という二人のかみ合わないやり取りには、互いに一歩も譲らない意地の張り合いと、その裏にあるコミカルな緊張感がにじんでいます。クレアが冷静さを保って理屈で応じる一方、クリーザック氏は皮肉で切り返すという対照的な言葉選びも、このやり取りの見どころのひとつです。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

天秤(fairness)の両方の皿がぴったり釣り合うように保ちながら発言している様子をイメージしてみましょう。一方に偏らず、あらゆる面(all)で公平さを保とうとする姿勢が、そのまま「公平に言えば」という意味につながります。

クレアが口にした「でも公平に言えば、うちの息子のことは私たちの問題よ」という一言も、相手の言い分をいったん天秤に乗せたうえで、自分の側の重みを示すような響きを持っています。反論したいけれど角を立てたくない場面で、この言い方が役に立ちます。天秤の針をまっすぐに保ちながら言葉を続けるイメージを持っておくと、いきなり強い調子で反論してしまうことも防げます。

例文で覚える「in all fairness」

相手の意見を認めつつ反論したい場面で使いやすいin all fairnessを、3つの例文で確認していきましょう。

In all fairness, he did apologize before we found out.
(公平に言えば、私たちが知る前に彼はちゃんと謝っていたんだ。)
誰かをかばいつつ事実を説明する場面です。did apologizeのように動詞を強調する形にすると、相手の誠意をより印象づけられます。

In all fairness, the deadline was moved up without much notice.
(公平に言えば、締め切りはほとんど予告なく前倒しされたんです。)
会議で状況を弁護する場面です。without much noticeという具体的な状況を添えることで、弁護の説得力が増します。

A: You always take his side.
B: In all fairness, he wasn’t even there when it happened.
(A:あなたっていつも彼の肩を持つよね。)
(B:公平に言えば、それが起きた時、彼はその場にいなかったんだよ。)
身内の肩を持っていると指摘された時に反論する会話です。in all fairnessをまず置くことで、感情的な反論ではなく冷静な指摘として伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

to be fair
(公平に言うと)
in all fairnessよりもさらに口語的でカジュアルな場面で使われやすく、日常会話での前置きとして頻度が高い表現です。

in fairness
(公平を期して)
in all fairnessのallを省いた言い方で、意味はほぼ同じですが、in all fairnessの方がやや強調のニュアンスを持ちます。

give credit where it’s due
(評価すべきところは評価する)
in all fairnessが反論・指摘の前置き全般に使えるのに対し、give credit where it’s dueは特に相手の功績や良い点を認める場面に限定して使われます。

Note|反論の前に一呼吸置く、英語のクッション表現

in all fairnessという表現は、議論や口論の場面でたびたび登場します。

英語には、相手の立場を認めてから反論する、こうしたクッション表現がいくつも存在します。ビジネスの場では、to be fairよりもやや改まった響きを持つin all fairnessが好まれる傾向があり、契約や交渉のようなフォーマルな会話にもなじみます。一方、友人同士の会話ではto be fairの方が軽く使われることが多く、場の空気や相手との関係性によって選ばれる表現が変わってきます。いきなり反論を始めるのではなく、まず相手の言い分を受け止める一言を挟む、この順番そのものが英語での言い争いの作法の一つです。日本語で言えば「たしかにそうかもしれないけど」と前置きしてから本題に入る話し方に近く、対立を避けながら自分の意見を伝える工夫として捉えると理解しやすくなります。

クリーザック氏との口論でクレアが見せた切り返しも、いきなり反論するのではなく、まず「わかったわ」と受け止めてから主張を続ける形でした。in all fairnessという表現は、まさにこの受け止めと主張のあいだをつなぐ言葉として機能しています。

反論の前のひと呼吸が、会話の印象を大きく変えることもあります。

まとめ|言い争いの中にも公平さを持ち込むということ

in all fairnessは、相手の言い分を一部認めながら、自分の主張や反論を続けるときに使われる表現です。

一方的な言い分に聞こえないよう配慮しつつ、それでも伝えたいことをきちんと伝えられる、バランスの取れた言い回しと言えます。感情的になりがちな場面でこそ、その落ち着いた響きが生きてきます。

クリーザック氏との激しい口論の中でも、クレアは相手の言い分を切り捨てず、まず受け止めてから自分の主張を続けていました。感情的になりやすい場面ほど、こうした一呼吸が話し合いの行方を左右します。反論したいときほど、相手を認める一言を挟む姿勢を、表現の引き出しに加えてみてください。

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