海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン3第16話では、ヨガに行くと言って出かけたクレアのところへ、グロリアが突然やって来ます。頭痛を理由に帰ろうとするクレアに、グロリアはクレア自身の言葉を使って言い返します。誘う、断る、見抜くという一連のやり取りの中で、口実をめぐる言葉が次々に出てくる回です。
今回は、相手の口実を逆手に取る切り返しと、口実を見抜く側・明かす側の英語表現を、場面の順に見ていきます。
「we should definitely do that sometime」から始まる行き違い
きっかけは、クレアがヨガに出かけると告げる場面です。その場にいたグロリアとキャメロンが反応します。
Claire: I’m going to yoga.
(ヨガに行ってくるね。)Gloria: Ay! That sounds like so much fun.
(まあ! すごく楽しそう。)Cameron: Oh, you should go with her, Gloria!
(そうだ、一緒に行きなよ、グロリア!)Claire: Oh, we should definitely do that sometime.
(ああ、今度ぜひ一緒に行きましょう。)Claire: I would love it.
(すごくうれしい。)Claire: Bye!
(じゃあね!)Modern Family Season3 Episode16 (Virgin Territory)
sometime は日時を決めない「いつか、そのうち」で、we should definitely do that sometime は乗り気に聞こえる一方、具体的な約束にはしない言い回しです。英語でも、この形は社交辞令として受け取られることがあると言われます。キャメロンの you should go with her はその場で同行を持ちかける一言ですが、クレアはこれに正面から答えず、sometime でかわして「今日」とは言わずに出かけました。
このあとキャメロンは、グロリアに「You gotta break through those walls.」「Why don’t you go? Now.」と声をかけ、今すぐ追いかけるよう勧めます。break through those walls は「心の壁を破る」、Why don’t you ~? は「〜したら?」と軽く背中を押す言い方です。こうして、sometime のはずだった誘いが、その日のうちに実行されることになります。
「That sounds like yoga.」口実の言葉尻をとらえる
ヨガの場所に現れたグロリアに、クレアは帰る理由を伝えます。
Gloria: I came to do yoga with you.
(あなたとヨガをしに来たのよ。)Claire: I wasn’t expecting to see you here.
(ここで会うとは思ってなかった。)Gloria: Yeah, that’s why I say “surprise!”
(そうよ、だから「サプライズ!」って言ったの。)Claire: Oh, yeah.
(ああ、そうね。)Claire: This is awful, because I was just thinking I might have to bail on yoga.
(困ったな、ちょうどヨガはやめておこうかと思ってたところなの。)Claire: I have the worst headache all of a sudden.
(急にひどい頭痛がしてきて。)Modern Family Season3 Episode16 (Virgin Territory)
bail on ~ は、予定や約束を途中で投げ出す、抜けるという口語表現です。all of a sudden(急に)を添えて、ついさっき決めたことのように聞かせる効果があります。グロリアはここで引き下がりません。
Gloria: Oh, but yoga is good for that, Claire.
(でも、ヨガは頭痛にいいのよ、クレア。)Gloria: For the meditation, for the mmm
(瞑想とか、ほら、んー……)Claire: Yeah, yeah.
(うん、うん。)Claire: It’s just right now I wanna go lie down in a dark room and breathe.
(ただ今は、暗い部屋で横になって呼吸したいの。)Gloria: That sounds like yoga.
(それってヨガじゃない。)Claire: I I realize that.
(それは、分かってる。)Claire: Yes.
(そうね。)Claire: But still, I-I should go.
(でもやっぱり、もう行かなきゃ。)Modern Family Season3 Episode16 (Virgin Territory)
That sounds like ~. は「それって〜みたいだね」と、聞いた内容から受ける印象を伝える形です。グロリアは出かける前にも That sounds like so much fun. と同じ形を使っていました。今回は、暗い部屋で横になって呼吸したいというクレアの説明をそのまま受けて「それはヨガそのもの」と返し、断る理由を断らない理由に変えています。
その前のグロリアの Oh, but ~ も、相手の理由をいったん受けてから反対の見方を示す切り出しで、yoga is good for that と、頭痛という帰る理由をヨガに行く理由へ言い換えています。クレアは I realize that. で指摘を認めつつ、But still で結論だけは譲りません。このあとグロリアはマッサージやネイルサロンにも誘いますが、クレアは家に帰って横になると言い、グロリアは「Of course.」と答えて見送ります。
「She pretended to have a headache」と「It’s a cover」
別の場面で、グロリアはキャメロンに不満を打ち明けます。
Gloria: She pretended to have a headache, Cam.
(あの人、頭痛のふりをしたのよ、キャム。)Gloria: She doesn’t want to spend time with me.
(私と一緒にいたくないのよ。)Cameron: Maybe she just wanted to be alone.
(一人になりたかっただけかもよ。)Gloria: Why?
(どうして?)Cameron: Because some people really value their privacy, and you have to respect that.
(プライバシーをすごく大事にする人もいるんだよ。それは尊重しなきゃ。)Modern Family Season3 Episode16 (Virgin Territory)
pretend to ~ は「〜するふりをする」で、口実を見抜いた側の一言です。キャメロンの Maybe she just ~ は、相手の決めつけに別の見方を差し出す組み合わせで、グロリアの受け止めをやわらげる働きがあります。キャメロンの value their privacy は「自分の時間や領域を大事にする」という意味で、you have to respect that と続けて、相手の事情を尊重するよう促しています。
その後、グロリアは再びクレアの前に現れます。クレアはついに事情を明かします。
Claire: I didn’t come back here to do yoga.
(ヨガをしに戻ってきたんじゃないの。)Claire: I don’t do yoga.
(ヨガなんてやってないの。)Claire: It’s a cover, okay?
(口実なのよ、いい?)Modern Family Season3 Episode16 (Virgin Territory)
I don’t do yoga. は現在形で「ふだんからヨガはしない」という習慣を否定する形です。cover はここでは「隠れみの、表向きの理由」を指し、It’s a cover. で口実だったことをはっきり認める一文です。最初の I’m going to yoga. が表向きの理由だったことが、ここで分かる流れです。このあとクレアは、ストレスの多い毎日の中で、人には話していない自分だけの場所があることを打ち明けます。
まとめ|口実をめぐる3つの立場
That sounds like yoga. のように相手の言葉を受けて返す切り返し、pretend to ~ で見抜く言い方、It’s a cover. で明かす言い方が、同じ一日の中にそろっています。口実を使う側だけでなく、受け取る側の英語も見えてきます。
言い訳ひとつをめぐって立場ごとに言葉が変わる様子を、グロリアとクレアのやり取りが伝えています。
この回のほかのコラムやフレーズ記事でも、家族それぞれの場面の英語を取り上げています。


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