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『モダンファミリー』シーズン10第6話では、クレアが学生時代に書いた歴史の論文を、改めてきちんと評価してもらおうとします。ところがその論文には、思わぬところで別の人の手が入ってしまいます。
息子に少し変わった頼みごとを切り出す言い方、手間を軽く言い直す言い方、そして自分の作品に手を出されたときの不満の言い方まで、クレアの台詞を場面の順に追っていきます。
「could you possibly ~?」と「second opinion」で頼みごとを切り出す
話の発端は、ルークが歴史の授業をやめようか迷っている件です。課題の論文の題目を聞いたクレアは、自分の昔の論文をこう語ります。
Claire: Junior year history class, I wrote the perfect paper.
(3年生のときの歴史の授業で、私は完璧な論文を書いたの。)
Claire: Strong thesis, impeccable supporting arguments.
(論旨は明快、裏づけの議論も非の打ちどころなし。)
Modern Family Season10 Episode6 (On the Same Paige)
それでも成績は C だったと、クレアは続けます。その後クレアはルークの通う短大に立ち寄り、頼みごとを切り出します。
Claire: Well, anyhoo, since we’re here, before you drop that history class, could you possibly turn in an old paper of mine? I would love to get a second opinion on it.
(まあ、それはともかく、せっかく来たんだし、その歴史の授業をやめる前に、私の昔の論文を出してもらえないかしら? 別の人の評価も聞いてみたいの。)
Luke: Sure, but you know you just did something weird and I didn’t ask a single follow-up question?
(いいよ。でもさ、今なんか変なことしたのに、こっちは突っ込んだ質問をひとつもしなかったって分かってる?)
Claire: Yeah.
(ええ。)
Luke: You owe me one of those.
(その「聞かないでおく」ひとつ分、貸しだからね。)
Luke: How’d you even get an old paper on a thumb drive?
(そもそも、昔の論文をどうやってUSBメモリに入れたの?)
Claire: It was easy.
(簡単だったわ。)
Modern Family Season10 Episode6 (On the Same Paige)
could you possibly ~? は could you ~? に possibly を足して、「もしできたら」と遠慮を強めた頼み方です。少し無理のある頼みほど、この形が合います。
second opinion は医療の文脈でよく知られた語ですが、ここでは「別の人の評価」という一般的な意味で、頼む理由を添える働きです。get a second opinion on ~ の形で「〜について別の意見をもらう」と言え、仕事の企画書や原稿にも使えます。成績が C だった論文を、別の目で見てほしいという動機がこの一語に込められています。
ルークの follow-up question は「重ねて聞く質問」で、詮索せずに引き受けたことを、わざわざ言葉にした一言です。続く You owe me one. は「一つ貸しだよ」の決まった言い方で、ルークは of those を付けて「質問しないでおく分」を貸しにする言い方へ変えています。頼みを引き受けつつ冗談まじりに見返りを求める返しで、家族や友人同士の気安いやりとりによく合います。
「It was easy. Ish.」で手間を言い直す
「簡単だった」と答えたクレアは、そのすぐあとにこう言い足します。
Claire: Ish.
(……まあ、それなりに。)
Claire: The old paper was on an old format, but it was a simple matter of stringing a couple of old machines together to get what I needed.
(昔の論文は古い形式だったけど、古い機械を何台かつないで、必要なものを取り出すだけの簡単な話だったのよ。)
Modern Family Season10 Episode6 (On the Same Paige)
-ish は本来 reddish(赤っぽい)のように語尾に付けて「〜くらい」を表しますが、口語では Ish. と単独で言い、直前の言葉を「まあ、だいたいね」と弱めることがあります。easy と言い切ったあとに Ish. を足すと、実は手間がかかったことを認める言い直しになります。
a simple matter of ~ing は「〜するだけの簡単なこと」という言い方です。ここでは古い機械を何台もつなぐ作業を「簡単な話」とまとめており、前の Ish. と合わせると、軽く言いながら手間の大きさがにじむ流れが見えてきます。こうした言い直しは、自分の苦労を大げさにせずに伝えたいときにも使えます。
ところが論文は結局提出されず、パソコンで開かれていた論文を見たペイジが、ルークのものだと思って手を加えていたことが分かります。ペイジはフィルの講座の学生です。
Phil: Oh, good, you’re okay.
(ああ、よかった、大丈夫そうだな。)
Claire: I’m not that okay.
(そんなに大丈夫じゃないわ。)
Claire: I’m not a fan of this Paige.
(あのペイジって子、好きになれないの。)
Modern Family Season10 Episode6 (On the Same Paige)
I’m not a fan of ~ は「〜はあまり好きではない」を、hate より穏やかに言う形です。人にも物にも使え、I’m not a big fan of ~ とすると、さらに角が立ちにくくなります。フィルの you’re okay に not that okay と返す流れも、「そこまで大丈夫じゃない」と気持ちを小出しにする返しとして参考にできます。
「something that doesn’t belong to her」で、手を出された不満を言う
フィルを前に、クレアは不満をさらに具体的に口にします。
Claire: Oh, I’m aware.
(ええ、分かってるわよ。)
Claire: I’m aware that she has no problem putting her grubby, little paws all over something that doesn’t belong to her.
(あの子が、自分のものでもないものに平気で汚い手をべたべた触れるってことはね。)
Phil: I can see you’re upset.
(動揺してるのは分かるよ。)
Claire: I am.
(してるわよ。)
Claire: I’m upset because I basically took the most boring thing in history and made it interesting.
(腹が立つのは、要するに私が、歴史で一番退屈な題材を面白くしてみせたからよ。)
Claire: She thinks she can just come in here and just make it hers.
(あの子、ここに入ってきて、それを自分のものにしていいと思ってるの。)
Claire: No.
(だめよ。)
Modern Family Season10 Episode6 (On the Same Paige)
put one’s paws all over ~ の paws は動物の足を指す語で、人の手をこう呼ぶと「汚い手でべたべた触る」という不快感が強く出ます。something that doesn’t belong to ~ は「〜のものではない物」で、勝手に触れられた側の言い分を簡潔に示せます。
締めの make it hers は「それを自分のものにする」で、手を加えた相手が作品の持ち主のように振る舞うことへの反発を表します。in history には「歴史の中で」と「歴史という科目で」の両方が重なり、題材の退屈さを強調する言い方として読み取れます。
フィルの I can see you’re upset. と、クレアの I am. の短い肯定も、感情を受け止める短い返しとして役立ちます。相手が怒っているときに理由を問いただす前に、まず I can see ~ で気持ちを言葉にする形は、日常の場面でも使いやすい言い方です。
まとめ|頼みごとと不満を伝える英語
could you possibly ~? と second opinion で頼み、Ish. で言い直し、I’m not a fan of ~ や doesn’t belong to her で不満を伝える流れを見てきました。頼む側と怒る側の両方の言い方がそろった回です。
クレアの論文がどうなっていくのか、『モダンファミリー』の物語を追いながら台詞に耳を傾けてみるのも楽しみ方のひとつです。
同じ回のほかのコラムでは、約束を守らせたい親の英語や、人前で恥ずかしがる人をめぐる言い合いも取り上げています。


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