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『モダンファミリー』シーズン6第15話では、森で3日間を過ごした週末のあと、飛行機の座席をめぐってフィルとクレアがぶつかります。週末のあいだ笑顔で付き合ったのに、お礼の一言もなかったというのがクレアの言い分です。
尽くしたことを認めてほしいとき、英語ではどう切り出し、言われた側はどう返すのか。不満の伝え方から、遅れて届く感謝の言葉まで、場面の順に見ていきます。
「Some credit.」——認めてほしいと切り出す
搭乗口で、係員が2人に思いがけない申し出をします。
Gate Attendant: Oh! I do have an open seat in first class if one of you would like a free upgrade.
(あら! お一人様が無料のアップグレードをご希望でしたら、ファーストクラスに空席がございますよ。)Phil: No, thank you.
(いえ、けっこうです。)Phil: I think we’ll sit together.
(2人で一緒に座ろうかと思って。)Phil: After the amazing weekend we just had
(最高の週末を過ごしたばかりだし)Claire: I’ll take it.
(それ、私がもらう。)Modern Family Season6 Episode15 (Fight or Flight)
フィルの No, thank you. I think we’ll ~ は、申し出を断ってから自分たちの予定を添える丁寧な返し方です。ところがクレアは、フィルが言い終わる前に I’ll take it.(それ、私がもらう)と申し出を受けてしまいます。お店で品物を決めるときにも使える一言で、ここでは空席を即座に押さえる宣言になっています。
その裏にあるクレアの本音は、次のとおりです。
Claire: I smiled through the whole thing.
(最初から最後まで笑顔で通したのよ。)Claire: Problem is I was so convincing Phil thought I was having a great time.
(問題は、それがうますぎて、フィルは私が楽しんでると思い込んじゃったってこと。)Claire: What do I want? Some credit.
(私が何を求めてるかって? 少しは認めてもらうことよ。)Claire: When do I want it? Now.
(それはいつ? 今すぐよ。)Modern Family Season6 Episode15 (Fight or Flight)
smile through ~ は「〜のあいだずっと笑顔で耐える」という意味で、through が「最後まで」の感覚を添えています。Problem is ~ は The を省いた口語の前置きで、話の核心に入る合図です。
credit は「功績を認めること」を表し、give someone credit for ~ の形で「〜について人を評価する」とも言えます。自分の頑張りを伝えるなら、I’d like a little credit for planning this.(これを計画したことを、少しは認めてほしいな。)のように使えます。自分で問いを立てて自分で答える組み立てから、溜めていた不満の大きさが伝わってきます。
「You didn’t even thank me once」——言い合いで不満をぶつける
前方の席で過ごしていたクレアは、やがて後方のフィルの席までやって来ます。そこでフィルが手品とマッサージを楽しんでいたことを知り、こう問いただします。
Claire: This is why you had to race back to your hellish seat for back rubs and card tricks? Do you have any idea what I’m going through up there?
(地獄みたいな席に急いで戻ったのは、マッサージと手品のためだったのね? 私が向こうでどんな目に遭ってるか、分かってるの?)Modern Family Season6 Episode15 (Fight or Flight)
Do you have any idea ~? は「〜が分かっているの?」と、相手の無理解を責める問いかけです。ここから2人の言い合いが始まります。
Phil: You’re the one who grabbed that seat.
(あの席を取ったのはそっちだろ。)Phil: That was a pretty selfish move.
(かなり自分勝手な行動だったよね。)Claire: Yeah, I did grab that seat, because I spent the entire weekend being selfless and you didn’t even thank me once.
(ええ、取ったわよ。だって週末のあいだずっと自分を後回しにしてきたのに、あなたは一度もお礼を言わなかったじゃない。)Phil: Why would I thank you for giving you an awesome weekend?
(最高の週末をあげたのに、なんで俺がお礼を言うんだよ?)Modern Family Season6 Episode15 (Fight or Flight)
You’re the one who ~ は「〜したのはそっちだ」と責任を相手に返す型です。クレアの not even ~ once は「一度も〜しない」を強める言い方で、不満の中心がお礼の言葉だったことをはっきりさせています。フィルの Why would I thank you for ~? は「なぜ感謝する必要があるのか」という反語で、楽しい週末を用意したのは自分の方だという言い分が表に出ます。同じ週末を、2人がまったく逆の側から見ていたことが分かるやりとりです。
クレアはこの言葉に、すぐさま反論します。
Claire: Awesome? You spent the whole weekend rehashing stories about Itchy, Rusty and Loveboat.
(最高? 週末じゅう、イッチーとラスティーとラブボートの昔話を蒸し返してたじゃない。)Claire: How is that fun for me?
(それのどこが私にとって楽しいのよ?)Phil: They were always getting into stuff!
(あいつら、いつも何かやらかしてたんだって!)Claire: I came back here for some compassion and all you did was lie to me and blow me off so you could keep having your fun while I suffer up there in first class.
(私は少し優しくしてほしくてここに来たのに、あなたは嘘をついて私をあしらって、自分だけ楽しんでたのよ。私が向こうのファーストクラスでつらい思いをしてるのに。)Modern Family Season6 Episode15 (Fight or Flight)
クレアは Awesome? と相手の語を問い返し、How is that fun for me? で自分の側から見た週末を突きつけます。blow someone off は「人をあしらう、相手にしない」という口語です。I came back here for some compassion と、来た目的を先に言ってから相手の態度を責める順番も、不満を伝える組み立てとして参考になります。
「I should have said that earlier」——遅れたお礼を伝え直す
後の場面で、フィルはファーストクラスのクレアのもとを訪れます。自分の席で人が待っていると伝えたフィルに、クレアはこう返します。
Claire: You don’t have to do this.
(そんなことしなくていいのに。)Phil: You didn’t have to be so great this weekend but you were, so thank you.
(この週末、あんなに素敵でいてくれなくてもよかったのに、そうしてくれた。だから、ありがとう。)Phil: And I should have said that earlier.
(それに、もっと早く言うべきだった。)Phil: Mwah! Go enjoy the rest of your flight.
(チュッ! 残りのフライトを楽しんで。)Phil: I’ll deal with this.
(こっちは俺が引き受けるから。)Modern Family Season6 Episode15 (Fight or Flight)
クレアの You don’t have to do this. は「そこまでしなくていい」と相手の申し出に遠慮する一言です。フィルはその have to を受けるように、You didn’t have to ~, but you were, so thank you. と応じます。「〜する必要はなかったのに、そうしてくれた」と、相手の頑張りを具体的に認めてから礼を言う組み立てで、クレアが求めていた credit にそのまま応える形です。
I should have said that earlier. の should have + 過去分詞 は「〜すべきだった」という後悔を表し、お礼が遅れたことを自分から認めています。最後の I’ll deal with this. は「この件は自分が引き受ける」という意味です。自分の席をクレアに譲り、代わりに前方の席を引き受ける申し出だと読み取れます。
まとめ|認めてほしい気持ちと、遅れて届く感謝
Some credit. で認めてほしいと切り出し、You didn’t even thank me once. で不満をぶつけ、I should have said that earlier. で遅れた感謝を伝え直します。感謝をめぐるすれ違いと仲直りが、短い言葉でたどれる場面です。
次回も『モダンファミリー』と一緒に、気持ちを伝える英語を見つけていきましょう。
マニーとジェイ、グロリアをめぐる英語は同じ回のほかのコラムで、一つひとつの表現の使い方はフレーズ記事で扱っています。


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