「pick on」と「boss around」はどう違う? 威圧してくる相手に向き合う英語|『モダンファミリー』S06E15で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「pick on」と「boss around」はどう違う? 威圧してくる相手に向き合う英語|『モダンファミリー』S06E15で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン6第15話では、料理教室で絡まれているマニーのことを、グロリアがジェイに相談します。やがて話は思わぬ方向に転がり、ジェイとマニーが2人でグロリアに言い返す場面まで続いていきます。

「いじめる」「威張る」と日本語ではひとまとめにしがちな振る舞いも、英語では相手との力関係によって言い方が変わります。この回の会話から、その違いを順に見ていきます。

目次

「pick on」——特定の相手にしつこく絡む

マニーが料理教室に行きたがらない理由を、グロリアはジェイにこう話します。

Gloria: He doesn’t want to go because a boy there is picking on him.
(あそこにいる男の子にいじめられてるから、行きたくないのよ。)

Jay: Cooking class? We’re running out of places to send him where he can be cool.
(料理教室でか? あいつがクールでいられる場所なんて、もう残ってないじゃないか。)

Gloria: I know.
(そうなのよ。)

Modern Family Season6 Episode15 (Fight or Flight)

pick on someone は「特定の人を狙って、しつこくからかったり意地悪をしたりする」という意味の句動詞です。ここでは is picking on と進行形になっていて、一度きりではなく、続いている状況として語られています。軽い tease(からかう)よりも相手を標的にする感覚が強く、立場の弱い相手に向けられることが多い言い方です。Stop picking on your little brother.(弟にちょっかいを出すのはやめなさい。)のように、親が子どもをたしなめる場面でも使われます。

ジェイの返しは、料理教室でさえ居場所がないのかという冗談まじりのぼやきです。run out of ~ は「〜が尽きる」で、行かせる先の選択肢がなくなってきたと嘆く一言です。さらにジェイは、マニーについてこう見立てます。

Jay: The kid is just not a fighter.
(あいつは、とにかくけんか向きじゃないんだよ。)

Jay: He gets squeamish pounding veal.
(子牛肉をたたくのにもびびるんだぞ。)

Modern Family Season6 Episode15 (Fight or Flight)

not a fighter は「戦うタイプではない」という性格の言い表し方です。get squeamish は「血や痛みなどに怖気づく、気分が悪くなる」という意味で、肉をたたく調理の場面を例に、マニーの気の優しさを大げさに表しているのが分かります。

「boss around」と「bully」——偉そうに指図する相手に言い返す

その後のいきさつを経て、ジェイとマニーは家でグロリアと向き合います。ジェイはマニーにすべて話したと告げ、こう言い放ちます。

Jay: I told him everything.
(こいつに全部話したんだ。)

Jay: And you know what we realized? There is a bully in our life, and it’s you.
(それで、俺たちが何に気づいたと思う? 俺たちの生活にはいじめっ子がいる。それはお前だ。)

Jay: You make the rules, you boss us around and we’re not gonna take it anymore.
(ルールを決めて、俺たちをあごで使う。もう我慢しないぞ。)

Manny: Yeah.
(そうですよ。)

Modern Family Season6 Episode15 (Fight or Flight)

boss someone around は「上司のように命令して、人を思いどおりに動かす」という意味です。pick on が弱い相手を標的にするのに対し、boss around は上の立場から指図するイメージで、家族や職場の人間関係でもよく出てきます。bully は名詞で「いじめっ子」のほか、「力を振りかざす人」も表し、ここではジェイがグロリアをそう呼んでいます。not gonna take it anymore は「もう我慢しない」という宣言です。

ジェイの抗議は、相手の振る舞いを You make the rules とまとめ、boss us around で具体的に責め、not gonna take it anymore で締めるという3段の並びになっています。不満を伝える文の組み立てとして、そのまま参考にしやすい形です。

グロリアの返事は、こうです。

Gloria: Ay, look at you two, standing up to the big, scary bully that loves you and protects you and wants you to be safe in this world.
(あら、2人とも見てよ。あなたたちを愛して、守って、この世界で無事でいてほしいと願ってる、大きくて怖いいじめっ子に立ち向かってるのね。)

Gloria: You’re just tiny, little men to me right now and you need to leave this house and come back with more respect! And a pizza.
(今の私には、あなたたちはちっちゃな男にしか見えないのよ。この家を出て、もっと敬意を持って戻ってらっしゃい! それとピザもね。)

Modern Family Season6 Episode15 (Fight or Flight)

stand up to someone は「力のある相手に立ち向かう」という意味です。グロリアは相手の bully という語をそのまま使いながら、愛して守ってくれる存在だと付け足して、2人の抗議を皮肉で受け流しています。come back with more respect は「もっと敬意を持って出直してきなさい」という意味で、最後に And a pizza. と加えることで、叱りながら用事まで言いつける流れになるのが面白いところです。

「I think we made our point」——引き下がりながら面子を保つ

家を出る前のやりとりは、次のとおりです。

Jay: We do need to eat.
(腹は減ってるしな。)

Manny: Yeah.
(はい。)

Manny: I wouldn’t mind some pizza.
(ピザなら、いただいてもいいですね。)

Jay: We’re not getting any pineapple.
(パイナップルは買わないからな。)

Gloria: You are getting pineapple!
(パイナップルは買うのよ!)

Jay: We’re taking it off our slices.
(俺たちの分からは取るからな。)

Gloria: Don’t waste any food, Jay!
(食べ物を無駄にしないで、ジェイ!)

Jay: I think we made our point.
(言いたいことは伝わったな。)

Modern Family Season6 Episode15 (Fight or Flight)

We do need to eat. の do は動詞を強める働きで、「確かに食事は必要だ」と、言いつけに従う理由を自分たちの側で用意しています。マニーの I wouldn’t mind ~ は「〜でも構わない」という控えめな賛成で、大人びたマニーらしい言い回しです。

ジェイは最後に I think we made our point.(言いたいことは伝わった)と締めます。make one’s point は「自分の主張をはっきり伝える」という意味ですが、結局はグロリアの言うとおりピザを買いに行く流れなので、引き下がりながらも面子を保とうとする一言と言えます。pick on、boss around、bully と同じ回で並べて見ると、威圧の種類と、それへの向き合い方が言葉の違いとして見えてきます。

表現 意味と力関係
pick on someone 弱い相手を狙ってしつこく絡む
boss someone around 上の立場から指図して従わせる
bully いじめっ子、力を振りかざす人
stand up to someone 力のある相手に立ち向かう

まとめ|威圧の種類と、向き合うときの英語

弱い相手に絡む pick on、上から指図する boss around、その両方を指せる bully、そして立ち向かう stand up to。言い返したあとに I think we made our point. で面子を保つまで、力関係の違いが言葉の選び方に表れています。

『モダンファミリー』の家族のやりとりを観ながら、言葉の選び方の違いまで味わえる回です。

フィルとクレアの機内の言い合いやマニーの断り方は同じ回のほかのコラムで、表現ごとの使い方はフレーズ記事で読むことができます。

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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



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