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『モダンファミリー』シーズン7第8話では、家族セミナーの課題をきっかけに、フィルがクレアの口ぐせ「me likey」と、お気に入りのジョークに物申します。言われたクレアは、否定し、かばい、問い返します。
口ぐせや持ちネタにダメ出しされたとき、英語ではどう返すのでしょうか。セミナーでの夫婦のやり取りを、指摘する側の言い方と、ダメ出しを受けた側の返し方の両方からたどります。
「it makes me feel」と「hit my ear wrong」で口ぐせを指摘する
パートナーの気になるところを挙げる課題で、フィルはクレアにこう切り出します。
Phil: Okay, uh, Claire.
(えっと、クレア。)Claire: Yeah.
(うん。)Phil: I love you.
(愛してるよ。)Claire: I know.
(知ってる。)Phil: But when you use that expression, it makes me feel, um Icky.
(でも、君があの言い回しを使うと、なんていうか……むずむずするんだ。)Modern Family Season7 Episode8 (Clean Out Your Junk Drawer)
フィルは本題の前に I love you. を置き、続く But で指摘に入っています。when you ~, it makes me feel … は「あなたが〜すると、私は…な気持ちになる」と、相手の行動と自分の気持ちを結ぶ形です。icky は「気持ち悪い、むずむずする」という子どもっぽい響きの語で、深刻になりすぎない言い方を選んでいます。
Claire: But, I mean, I’ve hardly ever even used the expression
(でも、そんな言い回し、ほとんど使ったことも)Phil: Me likey Sushi, me likey “Game of Thrones”, me likey chardonnay. It does hit my ear wrong. But you know what? Forget it. I’m sorry. I got nothing to complain about. Me lucky.
(「スシ、すきすき」「『ゲーム・オブ・スローンズ』、すきすき」「シャルドネ、すきすき」。どうも耳に障るんだ。でもさ、もういいや。ごめん。文句なんてないよ。俺、ラッキー。)Modern Family Season7 Episode8 (Clean Out Your Junk Drawer)
hardly ever は「ほとんど〜ない」で、even を足すと「使ったことすらほとんどない」と否定が強まります。ところがフィルはすぐに三つの用例を並べ、否定は途中で打ち消されます。me likey は I like it を幼く崩した形で、フィルが子どもっぽさを感じている口ぐせです。
It does hit my ear wrong. の hit one’s ear wrong は「耳に障る」で、does を入れて「やっぱり」と強めています。その直後の Forget it.、I got nothing to complain about. は、言いかけた不満を引っ込めるときの言い方です。最後の Me lucky. は、me likey をもじった締めになっています。
持ちネタをかばう「I love that joke」と「To you.」
同じ課題で、フィルが書き出した項目をクレアが見つけます。
Claire: Why did you write down “teepee joke”?
(なんで「ティーピーのジョーク」なんて書いたの?)Phil: Debra said these are my personal and private thoughts.
(デブラが、これは俺の個人的で秘密の考えだって言ったんだよ。)Claire: I love that joke. I tell it all the time. It’s funny.
(あのジョーク、大好きなのに。いつも話してるし。面白いじゃない。)Phil: To you.
(君にとってはね。)Modern Family Season7 Episode8 (Clean Out Your Junk Drawer)
Why did you write down ~? は、書かれた内容を見つけて問いただす形です。フィルはセミナーで言われたことを持ち出し、「個人的な考えだから」と答えています。personal and private は似た意味の語を重ねて「ごく個人的な」と強める組み合わせです。
クレアの I love that joke. I tell it all the time. It’s funny. は、好きだ、よく話す、面白い、と短い文を重ねて持ちネタをかばう返しです。all the time は「いつも、しょっちゅう」で、この一言がかえってフィルの指摘を裏づける形になっているのも面白いところです。
フィルの To you. は、「It’s funny.」の後ろに to you を足して「君にとってはね」と範囲を限る、二語だけの切り返しです。It’s delicious.―To you, maybe. のように maybe を添えると、少しやわらかくなります。このあとクレアは、周りの参加者にそのジョークを話して聞かせることになります。
「It just seems a little childish」と、その先の本音
その後、me likey をめぐる言い合いが再び始まります。
Claire: What is wrong with “me likey”?
(「すきすき」の何がいけないの?)Phil: Claire
(クレア……)Claire: Yes.
(何?)Phil: I love you.
(愛してるよ。)Claire: Oh, then stop saying it!
(だったら、それ言うのやめて!)Phil: It just seems a little childish.
(ちょっと子どもっぽく聞こえるんだよ。)Modern Family Season7 Episode8 (Clean Out Your Junk Drawer)
What is wrong with ~? は「〜の何がいけないの?」と問い返す形です。フィルが再び I love you. から入ると、クレアは then(それなら)を使ってやめるよう求め、フィルは理由を It just seems a little childish. と答えます。seem と a little で言い切りを避けた言い方ですが、指摘の中身ははっきり伝わっています。
セミナーのあと、クレアはフィルに不安を打ち明けます。
Claire: I’m afraid I’m not fun enough for you.
(私、あなたにとって楽しい相手じゃないんじゃないかって。)Phil: Huh?
(え?)Claire: Yeah. My sayings aren’t cute, my jokes aren’t funny, and and you’re gonna get sick of me once the kids leave and you realize how truly crazy I am.
(そうよ。私の口ぐせはかわいくないし、ジョークも面白くない。それに……子どもたちが家を出たら、あなたは私に飽きて、私が本当にどれだけ変わってるか気づくのよ。)Phil: Really?
(本当に?)Claire: Mm-hmm.
(うん。)Phil: Honey, I already know how crazy you are.
(ハニー、君がどれだけ変わってるかなんて、とっくに知ってるよ。)Modern Family Season7 Episode8 (Clean Out Your Junk Drawer)
I’m afraid ~ は「〜ではないかと心配だ」で、怖がる意味ではなく不安を打ち明ける形です。my sayings aren’t cute, my jokes aren’t funny は、ダメ出しされた口ぐせとジョークをそのまま自分の不安として言い直しています。get sick of ~ は「〜に飽き飽きする」、once ~ は「いったん〜したら」で、先のことを心配するときにもよく使われます。フィルの already は「とっくに」で、「今さら知っても驚かない」という意味をこの一語が運んでいます。
まとめ|ダメ出しへの返しと、指摘のやわらげ方
it makes me feel、hit my ear wrong、seems a little childish で口ぐせを指摘し、hardly ever の否定、To you. の切り返し、I’m afraid ~ の打ち明けへと進む夫婦の英語を見てきました。
口ぐせ一つをめぐる会話にも、言い方の工夫が詰まっています。『モダンファミリー』を観ながら、こうしたやり取りを一つずつ拾っていきましょう。
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