海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン7第8話では、グロリアが高校のオークションで落札した家族セミナーに、3組の夫婦が顔をそろえます。講師のデブラが求めるのは、相手を責めずに自分の気持ちとして不満を伝えることです。
同じ不満でも、「you always」で始めるか「I feel」で始めるかで、聞く側の受け取り方は変わります。セミナーの会話から、その違いと、決まりどおりにいかない言い合いの英語をたどります。
「the dumb things」と言った時点で逆効果になる
セミナーの途中、グロリアが講師のデブラにこう切り出します。
Gloria: When do we get to talk about the dumb things that our husbands do?
(いつになったら、夫たちのばかなところの話ができるの?)Debra: Gloria, thank you. I’m glad you said that.
(グロリア、ありがとう。言ってくれてよかったわ。)Gloria: You’re welcome. At least somebody’s helping.
(どういたしまして。少なくとも誰かは協力してるってことね。)Debra: Because that kind of language is counterproductive.
(ああいう言い方は逆効果だから。)Jay: Oh, snap.
(おっと、言われたな。)Modern Family Season7 Episode8 (Clean Out Your Junk Drawer)
When do we get to ~? は「いつになったら〜できるの?」と、待たされている気持ちを込めた尋ね方です。グロリアは夫たちの行動を the dumb things とひとまとめにしています。
デブラの I’m glad you said that. は、続く Because ~ と合わせると、ほめ言葉ではなく悪い例として取り上げる前置きだと分かります。counterproductive は「かえって逆効果の」という意味で、ねらいとは反対の結果を招くことを指します。グロリアが You’re welcome. と礼を受けたあとに、この一文が続く順序がおかしさを生んでいます。ジェイの Oh, snap. は、誰かがぴしゃりと言われたときに周りが口にする、くだけた反応として知られています。
このあとの課題で、デブラは言い方の決まりをこう示します。
Debra: Now, I’d like you both to think of a behavior of your partner’s that you would like to change. But we’re going to avoid phrases like “you always” and “you never”, and instead put it in terms of how we feel.
(では、おふたりとも、パートナーに変えてほしい行動をひとつ思い浮かべて。ただし「あなたはいつも」「あなたは一度も」のような言い方は避けて、自分がどう感じるかという形で伝えましょう。)Modern Family Season7 Episode8 (Clean Out Your Junk Drawer)
| 責める言い方 | 気持ちを主語にした言い方 |
|---|---|
| You always leave the lights on. | I feel frustrated when the lights are left on. |
| You never listen to me. | I feel ignored when I’m not heard. |
put it in terms of ~ は「〜という形で言い表す」です。相手を主語にして決めつけるのではなく、I feel ~ when … と自分を主語にする言い方は、英語で I statement(I メッセージ)と呼ばれることがあります。
「I hear you」は受け止めにも、切り返しにもなる
課題の実演では、相手の要望を聞いたと伝えてから歩み寄る返しが続きます。ところが照明の話になると、ミッチェルとキャメロンは言い合いになり、そこへクレアがひと言はさみます。
Claire: Here we go.
(ほら、始まった。)Mitchell: Okay, I don’t appreciate the smirking.
(ちょっと、そのにやけ顔はいただけないな。)Claire: I hear you, Mitchell, and I will try to smirk when you’re not looking.
(言いたいことは分かった、ミッチェル。あなたが見てないときに、にやにやするようにする。)Modern Family Season7 Episode8 (Clean Out Your Junk Drawer)
Here we go. は「ほら始まった」と、予想どおりの展開を迎えたときに口にするひと言です。言い合いが始まった直後に出ると、少し冷やかす響きになります。
ミッチェルの I don’t appreciate ~ は、直訳の「ありがたく思わない」から転じて、「〜は感心しない」「〜はやめてほしい」と相手の態度に抗議する控えめな言い方です。
クレアの返しは、I hear you で相手の言葉を受け止め、and I will try to ~ で歩み寄りを示す形をとっています。これは実演で出てきた「聞いた、努力する」という返しと同じ組み立てです。ところが努力する中身は「見ていないときににやにやする」で、受け止めの形のまま切り返しになっています。
I hear you. は「言いたいことは分かった」という意味で、必ずしも同意を表すわけではないと説明されることが多いフレーズです。I hear you, but I still think we should leave early. のように but を続けると、「分かるけど、それでも」と自分の考えを残せます。
「never」「always」の決まりと「it feels」の言い返し
フィルがクレアの口ぐせについて話したあと「I’m sorry.」と謝ると、デブラが声をかけ、ジェイがすかさず口をはさみます。
Debra: Phil, never apologize for your feelings.
(フィル、自分の気持ちを謝るなんて絶対にだめよ。)Jay: I thought we’re not supposed to say “never”.
(「絶対に」は言っちゃいけないんじゃなかったのか。)Debra: Good catch, Jay. Thank you. As the kids say, it’s going to get real up in here, but trust me, after that, once I’ve guided you through the extremely specific steps in deciding what goes back in the drawer and what gets thrown out, you will be the best version of yourselves. It always works.
(よく気づいたわね、ジェイ。ありがとう。若い子の言い方なら、ここから本気モードよ。でも信じて。何を引き出しに戻して何を捨てるか、すごく具体的な手順で導いたら、みんな最高の自分になれるから。いつもうまくいくの。)Jay: Don’t say “always”.
(「いつも」も言うなよ。)Debra: Thank you.
(ありがとう。)Modern Family Season7 Episode8 (Clean Out Your Junk Drawer)
be not supposed to ~ は「〜しないことになっている」で、決まりを持ち出して相手を指摘するときの形です。ジェイは、デブラ自身が示した never の決まりを、そのデブラに当てはめています。Good catch. は「よく気づいたね」と指摘を認める短いひと言で、会議などのくだけたやり取りでも耳にすることがあります。
終盤では、ミッチェルとキャメロンが気持ちの形を使って言い合います。
Mitchell: All right, Cam, it’s been a pet peeve of mine since I was a kid, and I’ve asked you so many times that when you ignore me, it feels a little passive-aggressive.
(いいかい、キャム。子どものころから気になってることなんだ。何度も頼んでるのに無視されると、ちょっと当てつけみたいに感じるんだよ。)Cameron: And when you nag me constantly, it feels like I’m talking to my mother.
(それに、しょっちゅう小言を言われると、母さんと話してる気分になるんだよ。)Modern Family Season7 Episode8 (Clean Out Your Junk Drawer)
when you ~, it feels ~ は、デブラの決まりに沿った「気持ちの形」です。ただし中身は、passive-aggressive(遠回しに不満をぶつける)や nag(小言を言う)という相手への評価で、constantly は always に近い決めつけを含みます。pet peeve はフレーズ記事で扱っています。形だけ I feel にそろえても、中身が相手への非難なら言い合いは収まらないことが、この場面から読み取れます。
まとめ|決めつけの言葉を避け、気持ちを主語にする
「you always」「you never」で決めつけず、I feel や when you ~, it feels ~ で気持ちを主語にする言い方、受け止めの I hear you、指摘を認める Good catch を見てきました。言い方の型と中身の両方に目を向けると、会話の温度が見えてきます。
次回も『モダンファミリー』の会話から、英語の言い回しを拾っていきましょう。
同じ回の別のコラムやフレーズ記事では、このセミナーのほかの場面の英語も扱っています。


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