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『モダンファミリー』シーズン8第1話では、ニューヨークで過ごしたダンフィー家の親と子どもたちが、お互いに内緒で滞在を延ばします。家族どうしの電話も、居場所をごまかしながらのやりとりになります。
電話を切る間際に一言多く付け足して、かえって用事を増やしてしまう場面が、親の側にも子どもの側にも出てきます。切り上げの決まり文句と、それにあきれる言い方を順に見ていきます。
「I should get going」で切り上げ、説明を付け足す
まず取り上げるのは、フィルが電話を切り上げようとする場面です。相手はルークで、フィルとクレアは子どもたちに内緒でニューヨークに残っています。
Phil: Hey, buddy, I should get going.
(なあ相棒、そろそろ切らなきゃ。)Phil: There’s a cop walking towards us.
(警官がこっちに歩いてくる。)Phil: I guess it looks weird with us parked right here on the state border with me up here in Kentucky and your mom in the back seat over in West Virginia.
(州境ぎりぎりに車を止めて、俺はこっちのケンタッキー側、ママは後ろの席でウェストバージニア側にいるから、変に見えるんだろうな。)Modern Family Season8 Episode1 (A Tale of Three Cities)
I should get going. は「そろそろ行かなきゃ」という意味で、話を切り上げるときの決まった言い方の一つです。理由を自分の側の事情に置くので、相手を急かす響きになりにくいと言われます。ところがフィルは、車を止めている場所の説明まで続けます。実際にはニューヨークにいるため、この説明は居場所をごまかすための作り話です。
これにルークが答えます。
Luke: Got it.
(了解。)Luke: I should probably finish packing up the breakfast I’m bringing to the girls at the shopping mall where they’re shopping.
(僕もそろそろ、ショッピングモールで買い物してる姉ちゃんたちに持っていく朝ごはんを詰め終えなきゃ。)Phil: Okay.
(よし。)Phil: See ya, pal.
(じゃあな、相棒。)Luke: See ya.
(じゃあね。)Phil: That’s how you do that.
(こうやるんだよ。)Luke: Done.
(終わり。)Modern Family Season8 Episode1 (A Tale of Three Cities)
I should probably finish ~ も、自分の用事を理由に話を終える形です。ただ、ルークは誰に何をどこへ運ぶのかまで細かく並べ、かえって説明が長くなりました。子どもたちもニューヨークに残っているので、こちらの中身も作り話です。締めの See ya は See you のくだけた綴りで、pal は「相棒」に近い親しい呼びかけです。電話の後、フィルは That’s how you do that.、ルークは Done. とだけ口にし、どちらも切り上げは片づいたと言っている形です。
「All you had to do was say goodbye.」とあきれる
続いては、子どもたちが両親との通話を終える場面です。3人がそれぞれ締めの言葉を口にし、最後にルークが一言付け足します。
Haley: Love you both.
(2人とも大好き。)Alex: Bye.
(じゃあね。)Alex: We miss you guys.
(2人がいなくて寂しいよ。)Luke: Got to run outside and paint the mailbox.
(外に行って郵便受けを塗らなきゃ。)Haley: All you had to do was say goodbye.
(バイバイって言えばよかっただけでしょ。)Alex: Now we have to paint the mailbox when we get home.
(おかげで、家に帰ったら郵便受けを塗らなきゃいけなくなったじゃない。)Modern Family Season8 Episode1 (A Tale of Three Cities)
Love you both. と We miss you guys. は、離れた家族に向けて電話の終わりに添える言葉です。Got to run は I’ve got to run を縮めた口語で、「もう行かなきゃ」と急いで切り上げる響きがあります。ルークはそこに用事の中身まで足してしまいました。
All you had to do was ~ は「〜しさえすればよかった」、つまり「〜するだけで済んだのに」という形です。was の後ろに動詞の原形を置き、相手が余計なことをしたときのあきれた気持ちを表します。アレックスの Now we have to ~ は「おかげで〜しなきゃいけなくなった」で、付け足しの一言が帰宅後の用事に変わった流れが分かります。
日常で使うなら、All you had to do was ask.(頼んでくれればそれで済んだのに)のように、ask や call を入れる形も使えます。言い方しだいで、責めるよりも残念がる響きを帯びることもあります。
ルークは、その一言が出た理由をこう説明します。
Luke: Sorry.
(ごめん。)Luke: It just popped into my head when I saw the Statue of Liberty holding that paintbrush.
(自由の女神があの絵筆を持ってるのを見たら、ふと頭に浮かんだんだ。)Luke: You know, what she used to paint freedom in America.
(ほら、アメリカに自由を塗るのに使ったやつ。)Modern Family Season8 Episode1 (A Tale of Three Cities)
It just popped into my head は「ふと頭に浮かんだ」で、とっさに口にしたことの理由を説明するときに使えます。
「Couldn’t you just say goodbye?!」親の側でも
同じような流れは、両親の側でも起きます。次は、フィルが別の電話を終えるところを見ていきます。
Phil: Well, why don’t I stop talking about how good it is here and just bring you some?
(じゃあ、ここがどんなにいいか話すのはやめて、少し持って帰るよ。)Phil: Okay.
(うん。)Phil: Bye-bye.
(バイバイ。)Phil: We need to pick up a wheel of Arizona spicy sheep cheese.
(アリゾナの辛い羊のチーズをひと玉、買わなきゃ。)Claire: Couldn’t you just say goodbye?!
(さよならだけ言えなかったの?)Modern Family Season8 Episode1 (A Tale of Three Cities)
why don’t I ~? は「〜しようか」と自分から申し出る言い方です。フィルは土産を持って帰ると約束し、電話の後に「買わなきゃ」と続けます。車で移動しているという作り話に合わせた土産なので、ここでも付け足しが新しい用事を生んでいます。a wheel of cheese は円盤形のチーズひと塊を指す言い方です。Bye-bye. は Bye を重ねたくだけた形で、家族や親しい相手との電話の締めに使われます。
クレアの Couldn’t you just ~? は「〜だけできなかったの?」と、もっと簡単に済ませられたはずだと責める疑問文です。ヘイリーの All you had to do was say goodbye. とほぼ同じ気持ちを、問いの形で表した一言と言えます。Couldn’t you just text me?(メッセージを送るだけでよかったんじゃない?)のように、just の後ろを入れ替えれば日常のやりとりにも応用できます。親と子が別々の電話で同じ型のあきれた一言を口にするのが、この回の面白いところです。
まとめ|締めの一言と余計な付け足し
I should get going や Got to run で切り上げ、See ya や Love you both で締めるのが電話の終わり方の基本形です。そこに説明を足しすぎると、All you had to do was say goodbye. や Couldn’t you just say goodbye?! と返されることになります。
これからも『モダンファミリー』の家族の会話から、英語の言い回しを拾っていきましょう。
内緒の延泊が明るみに出る場面や、父の日をめぐる英語は、同じ回のほかのコラムで取り上げました。


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