海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
節目の誕生日には、前から決めていた計画を、気の合う相手と実行したくなるものです。
そんな計画を言い表す「hit the bars」を、『モダンファミリー』シーズン10第22話の中盤、アレックスがヘイリーとの約束を振り返って語る場面から、一緒に見ていきましょう。
「hit the bars」の意味とニュアンス
hit the bars
意味:バーに繰り出す、飲みに出かける
hit the barsは、バーへ飲みに出かけることを表す口語表現です。hitは「打つ」ですが、ここでは「その場所に出向く」という意味で、勢いよく向かうイメージがあります。barsと複数形になっているので、特定の一軒ではなく、バーという場所全般へ出かける言い方です。
hit+場所の形は、ほかにも使えます。hit the roadは「出発する」、hit the gymは「ジムに行く」、hit the beachは「ビーチへ出かける」という意味です。いずれもhitのあとに目的の場所が来て、そこへ向かう動きを表します。
hit the barsだけでは誰と行くのかが出てこないので、togetherやwith my friendsを足して同行者を示すこともあります。劇中でも、we’dとtogetherを添えて、二人で行く計画だと伝えています。
日本語にするときは、「飲みに行く」より少し勢いのある、「バーに繰り出す」「飲みに出かける」を基本にします。hitのあとに場所を置く形は、会話の中でも短く行き先を伝えられるので、予定を話す場面で便利な言い方です。
【ここがポイント!】
- hitは「打つ」ではなく、「その場所へ向かう」という動きを表す
- barsと複数形にして、バー全般へ出かける言い方になる
- hit the roadやhit the gymと同じ、hit+場所の形
『モダンファミリー』S10E22のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
アレックスが、ヘイリーと長年かけて立てていた計画を振り返って話す場面です。21歳になったら一緒にバーへ繰り出す約束で、そこにヘイリーの妊娠という事情が重なります。そのあとに続く二つの短い言葉は、どれも軽い調子です。
Alex: Haley and I have had this plan for years that when I turn 21, we’d hit the bars together.
(ヘイリーと私は何年も前から計画してたの。私が21歳になったら、一緒にバーに繰り出そうって。)Alex: But since she’s pregnant, I was drinking for two.
(でも彼女は妊娠してるから、私が二人分飲んだ。)Alex: Technically, four.
(正確には、四人分。)Modern Family Season10 Episode22 (A Year of Birthdays)
シーン解説と心理考察
have had this plan for yearsは、「何年も前からこの計画を持っていた」という現在完了の形で、計画が長く続いてきたことを表しています。続くthat以下は計画の中身で、when I turn 21(私が21歳になったら)、we’d hit the bars together(私たちは一緒にバーに繰り出す)という内容です。weはヘイリーとアレックスの二人にあたります。when I turn 21は、これから先のことを話していても、whenのあとは現在形を使う形です。we’dはwe wouldの短縮形で、「そのときはこうしようと決めていた」という計画の中身を表しています。
But since she’s pregnantは、「でも彼女は妊娠しているから」という理由づけです。sinceは理由を示し、sheは直前に出てきたヘイリーです。I was drinking for twoは、ヘイリーの分まで自分が飲んだ、という冗談めいた言い方になります。I wasと過去形で話すので、あとから振り返っている語りだとわかります。
最後のTechnically, four.は、二人分と言ったばかりの数を、四人分に言い直す一言です。Technicallyは「厳密に言えば」を表す語で、数字を足して笑いを取る軽口になっています。計画どおりにいかなかった残念さを、乾いた言い直しで流すところに、アレックスらしい皮肉屋の面が出ています。二人分から四人分へと数が増える、言い直しの間合いが見どころです。ヘイリーの名前から始まり、数字の言い直しで終わる短い語りの中に、二人の間柄がうかがえます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
hitを、ボールを打つ動作ではなく、勢いよくドアを押し開けて店へ入っていく動きとして覚えてみます。目的の場所に向かってまっすぐ踏み込む感覚が、hit+場所の芯です。
barsと複数形になっているぶん、扉が並ぶ通りの絵にしておくと、バー全般に向かう言い方だと思い出せます。アレックスが何年も温めていた計画も、扉を開けて夜の街へ出ていく絵と重ねておけば、シーンの様子とhit the barsの意味が一緒に頭に残ります。意味を忘れかけたときは、扉を押し開けて夜の通りへ踏み出す絵から思い出せます。hit the roadやhit the gymの場面も、同じ「向かって踏み込む」絵で覚えられます。
例文で覚える「hit the bars」
hit the barsは、お祝いや仕事終わりなど、人が集まる場面でよく使われる言い方です。試験後のお祝い、週末の予定を聞く往復会話、チームの打ち上げと、出かける場面を並べてみます。
After the exam, we’re going to hit the bars to celebrate.
(試験が終わったら、お祝いにバーへ繰り出すつもりだよ。)
試験後の予定を友人に話す場面です。to celebrateを添えると、繰り出す理由まで伝わります。
A: What are you doing this weekend?
B: Some friends and I are gonna hit the bars.
(A:週末は何するの?)
(B:友達と飲みに繰り出す予定だよ。)
週末の予定を聞かれたときの往復会話です。gonnaはgoing toの口語形で、近い予定をくだけて伝えています。
After the project wrapped up, the whole team hit the bars.
(プロジェクトが終わって、チーム全員でバーに繰り出した。)
仕事の区切りに同僚で出かけた場面です。過去形のhitは現在形と同じ綴りなので、前後の時制の言葉で見分けます。
あわせて覚えたい関連表現
go out for drinks
(飲みに出かける)
go out for drinksは、改まった場面や同僚との軽い飲み会にも使える中立的な言い方です。hit the barsは、勢いのあるくだけた口語です。
hit the town
(街に繰り出して遊ぶ)
hit the townは、バーに限らず食事やクラブなど、夜の街で遊ぶ全般を表します。hit the barsは、行き先をバーに絞った言い方です。
hit the road
(出発する、旅に出る)
hit the roadも同じhit+場所の形ですが、意味は「出発する」です。形が同じでも、あとに来る場所によって意味が変わります。場所の語を入れ替えるだけで行き先が変わるので、短い会話で予定を伝えるときに向いています。
Note|「打つ」から「向かう」へ広がる、hit+場所の形
hit the barsのhitは、辞書の最初に載っている「打つ」から少し離れた使われ方をしています。hitのあとに場所を置くと、何が起こるのかを整理してみます。
hitには、ボールや相手を「打つ」「たたく」という動作のほかに、「ある場所へ向かう、そこに着く」という意味があります。hit the roadは「道へ出る」から「出発する」、hit the gymは「ジムへ行く」、hit the beachは「ビーチへ出かける」、hit the barsは「バーへ繰り出す」です。どれもhitのあとに場所を置く形で、その場所へ向かう動きが中心になります。同じ形でも、the以降の名詞が何かで行動の中身が変わるので、意味はあとの名詞で決まります。
ドラマのhit the barsも、この形のひとつです。barsは複数形で、飲みに出る行動全体を指しています。ヘイリーとアレックスの計画は、特定の一軒ではなく、バーへ出かけること自体だったと読めます。
hitを「打つ」とだけ覚えていると、hit the barsを「バーを打つ」と誤解しかねません。直訳のままでは意味が通らないので、そのときはhitの別の意味を辞書で確かめる合図になります。hitのあとに場所が来たら、「そこへ向かう」と読み替えると、意味がつかみやすくなります。
まとめ|計画を振り返るアレックスの、乾いた一言から
hit the barsは、バーへ飲みに出かけることを表す口語表現です。hitのあとに場所を置く形で、「その場所へ向かう」動きを勢いよく表します。
お祝いのあとの予定にも、仕事の区切りの打ち上げにも使えます。hit the roadやhit the gymと並べておくと、同じ形から意味を推測する手がかりになります。
何年も温めてきた計画を、二人分から四人分へと乾いた冗談で言い直すアレックスの語りは、hit the barsが「飲みに出かける行動全体」を指す言葉であることを、そのまま見せていると言えます。


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