「take it down a notch」の意味と使い方|『モダンファミリー』S10E18で学ぶ英会話

「take it down a notch」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

場が盛り上がりすぎたとき、「ちょっと抑えてほしい」と頼みたくなることがあります。そんな頼みごとを、角を立てずに伝えられる言い方があります。

その言い方「take it down a notch」を、『モダンファミリー』シーズン10第18話の中盤、ビールのリレー競技の場面で、ネイトの急かす声に言い返す発言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「take it down a notch」の意味とニュアンス

take it down a notch
意味:調子を少し落とす、ひかえめにする

take it down a notchは、声の大きさ、態度、勢いなどを、一段階だけ下げることを表す口語表現です。notchは「刻み目」のことで、目盛りの一つ分という感覚があります。down(下へ)とa notch(一目盛り)が組み合わさって、「それを一目盛り分だけ下げる」という文字どおりの意味から、「少し落ち着く」「ひかえめにする」という意味につながっています。

見出しの形はitを使っていますが、劇中ではitの位置にthatが入り、take that down a-a notchという形で登場します。a-aは言いよどみで、意味は変わりません。itやthatの部分には、下げたい対象が入ります。どの対象を下げるのかで、日本語の訳も変わります。

文の組み立ては、take + 対象 + down a notchです。相手に頼む形としては、You need to take it down a notch.のように命令に近い言い方が使えます。自分に言い聞かせる形で、I need to take it down a notch.とも言えます。対象のところに、the tone(口調)やthe volume(音量)を入れれば、何を下げるのかがはっきりします。

日本語に訳すときは、「落ち着いて」「ひかえめにして」「そのへんにして」のように、勢いを少し弱めてほしいという頼みが伝わる言葉を選びます。「やめて」と訳すと、すべてを止める意味になってしまうので、少しだけ下げるという加減が失われます。

【ここがポイント!】

  • 勢いや調子を、止めずに一段階だけ下げる表現
  • 見出しの形はitだが、劇中のようにthatや名詞に替えて、下げたい対象を示せる
  • 「やめて」ではなく「少し落ち着いて」の加減で訳すと、元の頼み方に近づく

『モダンファミリー』S10E18のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ビールのリレー競技の最中、ネイトが「赤ん坊みたいにちびちび飲むなよ」と急かす場面です。それに応えて、「調子を落としてほしい」と頼む発言が続きます。頼みごとの前に、どんな理由が置かれているかが聞きどころです。

— No?
(違うの?)

Nate: Come on, Mitch! Stop nursing it like a little baby!
(ほら、ミッチ! 赤ん坊みたいにちびちび飲むなよ!)

Mitchell: You know what, Nate? I don’t respond well to negativity, so you can all just take that down a-a notch.
(ねえ、ネイト。僕は否定的な言い方に弱いんだ。だから君たち全員、そのへんで少し調子を落としてくれないかな。)

— Here we go.
(さあ、始まるよ。)

Modern Family Season10 Episode18 (Stand by Your Man)

シーン解説と心理考察

ネイトの発言は、Come on, Mitch!という呼びかけから始まります。Come onは「ほら、さっさと」と相手を急かす言い方です。Stop nursing it like a little baby!のnurseは、飲み物を「ちびちび飲む」という意味で使われています。like a little baby(小さな赤ちゃんのように)が加わることで、飲み方が遅いことをからかう調子になっています。itは、手元の飲み物のことです。

これに続くYou know what, Nate?は、ネイトに呼びかけ返して切り出す形です。You know what,は「あのさ」と話の向きを切り替える前置きです。そのあとのI don’t respond well to negativity.は、「否定的な言い方には弱い」という意味です。respond well toは「〜にうまく反応する」ので、その否定形で「うまく反応できない」、つまり苦手だと伝えています。

so you can all just take that down a-a notch.の部分で、苦手だという理由が、頼みごとにつながります。soは「だから」で、前の理由を受けています。you can all justは、その場の全員に向けて「〜してくれていいよ、〜してくれないかな」と促す形です。thatは、直前に出てきたnegativity(否定的な言い方)を受けています。つまり、「否定的な言い方を、全員で一段階抑えてほしい」と頼んでいる発言です。

声を荒らげて「やめろ」と言うのではなく、自分の苦手なことを理由に挙げてから、少しだけ調子を落としてほしいと頼む組み立てです。take that down a notchは、「全部やめて」ではなく「少しだけ下げて」と加減を示す言い方なので、頼みごとの角が立ちにくくなっています。

最後のHere we go.は、何かが始まるときに使う言い方で、短い一言のまま場面が先へ進みます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

手がかりになるのは、ラジオの音量つまみを一目盛りだけ回して下げる動きです。音を消してしまうのではなく、大きすぎる音を少しだけ絞る動きです。この「一目盛りだけ下げる」という絵が、「調子を少し落とす」という意味に重なります。

ネイトの急かす声を音にたとえるなら、その音量を少し絞ってほしい、というのが場面の頼みごとでした。つまみの目盛り(notch)を思い浮かべれば、「少しだけ」という加減も一緒に覚えられます。

例文で覚える「take it down a notch」

take it down a notchは、騒がしさにも、言い方の強さにも使えます。静かにしてほしい場面、仕事の会話、往復会話の3つで、下げる対象の違いを見ていきます。

You need to take it down a notch. The baby is sleeping.
(少し落ち着いて。赤ちゃんが寝ているから。)
騒いでいる人に、静かにしてほしいと伝える場面です。itは、その人の騒がしさを指しています。

Could we take the tone down a notch in the meeting?
(会議では、少し口調を穏やかにしませんか。)
議論が白熱した場面です。itの代わりにthe tone(口調)を入れて、何を下げたいのかをはっきり示しています。

A: I’m so excited about the party!
B: Great, but maybe take it down a notch before we go in.
(A:パーティーが楽しみで仕方ない!)
(B:いいね。でも入る前に、少し落ち着いたほうがいいかも。)
はしゃぐ友人に声をかける往復会話です。maybeを前に置いて、頼み方をやわらげています。

あわせて覚えたい関連表現

tone it down
(ひかえめにする)
tone it downは、調子や強さを弱めることを広く指す言い方です。take it down a notchは、「一段階だけ」という加減があるので、少し落とせば十分という場面に合います。

calm down
(落ち着く)
calm downは、気持ちの高ぶり全般に使います。take it down a notchは、声の大きさや言い方など、調子そのものを下げる点に焦点があります。

back off
(手を引く、距離を置く)
back offは、相手に近づかないよう求める言い方です。take it down a notchは、距離ではなく、勢いや態度の強さを下げるよう頼みます。

Note|「一段階下げる」から「少し落ち着く」へ、take it down a notchの訳し分け

take it down a notchは、「それを一目盛り下げる」という文字どおりの意味が、何を下げるのかによって、日本語では違う訳になります。鍵になるのは、itやthatが何を指しているかです。

声や音量を下げる場合は、take your voice down a notchで「声を少し落として」となります。口調を下げる場合は、take the tone down a notchで「口調を少し穏やかに」となります。態度や興奮を下げる場合は、take it down a notchだけで「少し落ち着いて」と訳せます。itの中身が、声なのか、口調なのか、気持ちなのかによって、日本語の言葉が変わるわけです。

もう一つ、downをupに替えた形があります。take it up a notchは、「それを一段階上げる」という意味で、勢いや質を一つ上の段階に引き上げるときに使います。downとupを入れ替えるだけで、方向が逆になりますが、a notch(一目盛り)という加減は同じです。

劇中の発言は、thatがnegativity(否定的な言い方)を受けているため、「否定的な言い方を、少し抑えて」と訳せます。何を下げるのかを確かめてから訳を決める、という手順を押さえておくと、場面ごとに自然な日本語を選べます。

まとめ|止めるのではなく、少しだけ下げる

take it down a notchは、声の大きさ、態度、勢いなどを一段階だけ下げる口語表現です。itの部分に下げたい対象を入れられ、劇中のようにthatに替えることもできます。

tone it downやcalm downが調子や気持ち全般を指すのに対し、take it down a notchは「一段階だけ」という加減を持っています。「やめて」と止めるのではなく、「少しだけ下げて」と頼むため、角が立ちにくい頼み方になります。

ネイトの急かす声に続いて、「否定的な言い方に弱い」という理由を添えながら調子を落としてほしいと頼む発言は、この加減がよく表れた一言です。音量つまみを一目盛り回す絵が、この頼み方の加減を思い出す手がかりになります。

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