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今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン6 第3話に登場する、専門知識を相手にかみ砕いて説明するやりとりです。シェルドンの実家から届いた子供時代の研究ノートを前に、ペニーへヒッグス粒子発見の経緯を語りながら、自分自身の思いつきへと話をつなげていく場面が描かれています。
相手の前提知識を確認する切り出し方から、仮説を語る硬い言い回し、他人の話を自分の思いつきに結びつける言い方まで、順番に見ていきます。
「Are you familiar with ~?」で、相手の前提知識を確認してから始める
母からの荷物に入っていた自分の子供時代の研究ノートを片手に、シェルドンはペニーへ思いがけない話題を切り出します。
Sheldon: I am glad you asked. Are you familiar with the Higgs boson?
(それはいい質問だ。ヒッグス粒子について知っているかい?)Penny: Of course, it is, it’s been in the news. And it’s a very famous boson.
(もちろん知ってるわよ、ニュースになってたじゃない。すごく有名なボソンよね。)TBBT Season6 Episode3 (The Higgs Boson Observation)
Are you familiar with ~? は、専門的な話に入る前に相手の前提知識を確認する切り出し方です。いきなり説明を始めるのではなく、相手がどこまで知っているかを先に尋ねることで、その後の説明の詳しさを調整しやすくなります。I am glad you asked は、質問を受けて話す準備ができていることを示す前置きで、これから語りが始まる合図として機能しています。
一方でペニーの it’s been in the news は、その話題が広く知られていることを伝える言い方です。ただしこの直後、シェルドンから「Nice try(いい線だけど、違うよ)」と切り返されるように、話題を耳にしたことがあるのと、正確に理解しているのとは別だという流れにつながっていきます。
学術的な仮説の語り方と、他人の話を自分の思いつきへつなげる言い方
前提知識の確認を終えたシェルドンは、ヒッグス粒子をめぐる経緯を語り始めます。
Sheldon: Nice try. Now, in 1964, Dr. Peter Higgs, accomplished self-promoter and physicist, he wrote a paper postulating the existence of a subatomic particle called the Higgs boson. Now, initially the paper was rejected, but recently, he was proven right, and now he’s on the fast track to win a Nobel prize.
(いい線だけど、違うよ。1964年、自己アピールに長けた物理学者ピーター・ヒッグス博士は、ヒッグス粒子と呼ばれる素粒子の存在を仮定する論文を書いたんだ。当初その論文は却下されたが、最近になって彼の説が正しいと証明されて、今やノーベル賞受賞に向けて着々と進んでいるところだ。)Penny: Yeah, that’s basically what I said.
(うん、私もだいたいそう言ったじゃない。)Sheldon: Yeah, the point is Higgs is being celebrated for work he did 50 years ago, so that got me thinking, perhaps I’ve already hit upon the idea that will win me my Nobel prize.
(まあね。要するに、ヒッグスは50年前にやった仕事で今こうして称えられているわけだ。それでふと思いついたんだが、僕はもうノーベル賞を取れるアイデアにたどり着いているのかもしれない。)TBBT Season6 Episode3 (The Higgs Boson Observation)
postulating the existence of は、まだ証明されていない対象の存在を仮定として述べる、論文調の硬い言い回しです。日常会話ではあまり使いませんが、仮説の段階であることを明確にしたい場面で役立ちます。続く initially the paper was rejected, but recently, he was proven right は、当初否定されたものが後に正しいと証明される経緯を語る型で、時系列を対比させることで説得力が増しています。
そして that got me thinking は、他人の話をきっかけに自分の思いつきへとつなげる言い方です。ヒッグスが何十年も前の仕事で今評価されていると聞いたシェルドンが、そこから自分自身のノーベル賞への望みへと話を持っていく流れに、この一言がうまくはまっています。
硬さの違いを表にまとめました。
| 表現 | 硬さ | 使う場面 |
|---|---|---|
| postulate the existence of | 非常にフォーマル | 論文・学術的な仮説の提示 |
| suggest that there might be | ややフォーマル | プレゼンや議論での提案 |
まとめ|専門知識は、前提確認と硬い言い回しで橋渡しできる
前提知識を確認する切り出し方、仮説を語る硬い言い回し、他人の話を自分の思いつきに結びつける言い方を見てきました。専門的な内容を伝える場面でも、これらの言い回しを押さえておくと、会話のリズムを保ったまま踏み込んだ話に進めそうです。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話とともに、英語表現の型を見ていきましょう。
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