海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン11 第23話から、一度断られた頼みごとを頼み直すときの英語を取り上げます。シェルドンは兄のジョージーに結婚式へ来てもらうため、テキサスにある兄の店を訪ねます。
ところが、同じ「来てほしい」という頼みが、1回目と2回目でまったく違う結果になります。二つの頼み方を並べて、何が加わったのかを英語の面から見ていきます。
「ask nicely」と言われたら――1回目の頼み方
店に現れたシェルドンに、ジョージーは10年以上話していないのに用があるときだけ来るのかと皮肉を返します。直前に「皮肉は見抜ける」と言ったシェルドンに、ジョージーはさらにこう続けます。
Georgie: Okay. You’re right. I’m sorry. Tell me what you need. Your wish is my command.
(わかった。おまえの言うとおりだ。悪かったな。何が必要か言ってくれ。何なりと仰せのままに。)Sheldon: That’s better. Thank you.
(それでいい。ありがとう。)TBBT Season11 Episode23
Your wish is my command. は「お望みのままに」「何なりとお申しつけを」という大げさな決まり文句で、ここでは皮肉として使われています。シェルドンはそれを額面どおりに受け取り、That’s better. と返します。頼む側と頼まれる側の気持ちがかみ合っていないことが、この短いやり取りから読み取れます。
別の場面で、母が来ないと分かったから来てほしいのかと確かめたジョージーは、条件を示します。
Georgie: Listen here. You want me at your wedding, all you got to do is ask nicely.
(いいか。結婚式に来てほしいなら、丁寧に頼めばいいんだ。)TBBT Season11 Episode23
all you got to do is ~ は「〜しさえすればいい」という意味のくだけた言い方です(all you have to do is ~ の口語形)。ask nicely は「丁寧に頼む」「感じよく頼む」で、言葉づかいだけでなく態度も含めた頼み方を指します。名前の呼び方をめぐる短いやり取りのあと、シェルドンが口にしたのがこの一文です。
Sheldon: I would like you at my wedding.
(僕の結婚式に来てもらいたい。)Georgie: Thank you, Sheldon. That is so nice to hear.
(ありがとう、シェルドン。そう言ってもらえるとうれしいよ。)TBBT Season11 Episode23
I would like ~ は I want ~ よりも丁寧な形で、文法のうえでは条件を満たしています。ジョージーも「うれしい」と受けますが、その直後に下品なたとえを使って断ります。形が丁寧でも、それだけでは頼みが通らないことがある、という場面です。
謝ってから頼み直す――2回目の頼み方
断られたあと、レナードと二人の場面で、レナードはシェルドンに申し出ます。
Leonard: Look, we don’t fly out until the morning. Why don’t I try and talk to him? Give it one more shot?
(ねえ、僕らが発つのは朝になってからだ。僕が話してみようか。もう一回やってみない?)TBBT Season11 Episode23
give it one more shot は「もう一度やってみる」で、shot は「試み」を表します。一度うまくいかなかったことに気軽に再挑戦するときに使えます。
ホテルの部屋の場面で、兄弟は家族のことで言い合いになります。そのあとのやり取りです。
Sheldon: I suppose I didn’t think about how it was for everyone else.
(ほかのみんなにとってどうだったのか、僕は考えていなかったのだろうな。)Georgie: No, that’s all right. I know you didn’t.
(いや、いいんだ。考えてなかったのはわかってる。)Sheldon: I’m sorry.
(すまなかった。)Georgie: Thank you.
(ありがとう。)Sheldon: And it would mean a lot to me to have my big brother at my wedding.
(それから、兄さんに結婚式に来てもらえたら、僕にとってはとても大きなことなのだ。)Georgie: I wouldn’t miss it.
(必ず行くよ。)TBBT Season11 Episode23
I suppose I didn’t think about ~ は「〜について考えていなかったのだと思う」という意味で、自分の見落としを認める働きをしています。そのうえで I’m sorry. と謝り、最後に「兄さんに来てもらえたら」と自分の気持ちを添えて頼んでいます。1回目が用件だけを伝える頼み方だったのに対し、2回目は見落としを認める、謝る、気持ちを伝えるという順に言葉が重なっているのが分かります。
ジョージーの I wouldn’t miss it. は「見逃すわけがない」、つまり「必ず行く」という招待への快い返事です。I’ll be there. よりも、楽しみにしている気持ちが伝わる言い方と言えます。
まとめ|頼み直すときに加えるもの
今回は、条件を示す ask nicely、丁寧な I would like ~、再挑戦の give it one more shot、見落としを認める I suppose I didn’t think about ~、快い返事の I wouldn’t miss it. を見てきました。
丁寧な形だけでなく、認める・謝る・気持ちを伝えるという順番が頼み直しの鍵になることが、兄弟の二つの場面から見えてきます。
このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、兄弟の和解までの流れがより立体的に見えてきます。


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