海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン11 第23話から、言い過ぎた相手を横からたしなめる英語を取り上げます。結婚式に兄のジョージーを招こうとテキサスまで出向いたシェルドンは、肝心の場面で余計なひと言を重ねてしまいます。
そのたびに隣で口を開くのがレナードです。短いひと言で止める、言い過ぎたかを確かめる、謝るよう促すという三つの段階に分けて、彼の言葉を見ていきます。
「Not helping」と「come on」――短く止めるひと言
ジョージーの店での場面です。母が来ないと分かった途端に来てほしいと言うのか、とジョージーが問いただすと、シェルドンはこう答えます。
Sheldon: I know you don’t hear this a lot, but that is exactly right. Good job.
(あまり言われ慣れていないだろうが、まさにそのとおりだ。よくできた。)Leonard: Not helping, Sheldon.
(シェルドン、それ逆効果だよ。)TBBT Season11 Episode23
シェルドンの返事は皮肉ではなく、問いに正しく答えた相手を褒める形になっています。ただ、招待を頼みに来た場面にはそぐわない返事です。そこでレナードが挟むのが Not helping で、You’re not helping.(助けになっていない=状況を悪くしている)を縮めた言い方です。相手を責め立てるのではなく、「今の発言は役に立っていない」と事実を指摘する形なので、短くても角が立ちにくいのが特徴です。
その後、シェルドンが招待を頼み、ジョージーがそれを断ると、シェルドンはさらにこう言います。
Sheldon: It is fitting that you got into tires, because you are tiresome.
(タイヤの仕事に就いたのは似合っている。兄さんは実にうんざりさせる人間だからな。)Leonard: Sheldon, come on.
(シェルドン、よせよ。)TBBT Season11 Episode23
tires と tiresome(うんざりさせる)をかけた皮肉に対して、レナードは名前を呼んでから come on と続けます。come on は「さあ」「早く」の意味でも使われますが、名前と組み合わせて落ち着いた調子で言うと、「よしなよ」「それはないでしょう」というたしなめになります。Not helping が発言の効果を指摘するのに対し、come on は発言そのものをやめるよう促す響きを持ちます。
| 表現 | 働き | 強さの目安 |
|---|---|---|
| Not helping. | 状況を悪くしていると指摘する | 軽め |
| (名前), come on. | 発言をやめるよう促す | 中くらい |
| You need to apologize. | 謝るよう求める | はっきり |
「Was that too mean?」から謝罪を促すまで
come on と言われたシェルドンは、レナードに確かめます。
Sheldon: Was that too mean?
(今のは意地悪すぎたか?)Leonard: No, not too mean. Not too good either.
(いや、意地悪すぎはしない。でも、いいとも言えないな。)TBBT Season11 Episode23
Was that too mean? は、自分の発言が度を越していたかを相手に尋ねる問いです。レナードの答えは not too ~ を二つ重ねた形で、「意地悪すぎはしない」といったん否定しておきながら、either を添えた二文目で「でも良くもない」と釘を刺しています。真っ向から否定せずに評価を下げる、遠回しなたしなめと言えます。
ホテルの部屋の場面では、レナードがはっきりと切り出します。
Leonard: Sheldon, you need to apologize to your brother.
(シェルドン、お兄さんに謝らなきゃだめだ。)Sheldon: I’m sorry?
(何だって?)Leonard: Yes, like that but nicer and that way.
(そう、その調子。でももっと感じよく、あっちに向かってね。)Sheldon: I have nothing to apologize for.
(僕には謝ることなど何もない。)TBBT Season11 Episode23
you need to ~ は「〜しなきゃだめだ」と必要性を伝える言い方で、should よりも差し迫った響きがあります。シェルドンの I’m sorry? は語尾を上げる聞き返しで、「何だって?」という意味です。レナードはそれを謝罪の言葉として扱い、like that but nicer(その調子で、もっと感じよく)と返しています。聞き返しの I’m sorry? と謝罪の I’m sorry. が同じ形であることを使った切り返しで、言い方と向きまで注文をつけるのが面白いところです。
三つのやり取りを並べると、レナードは軽い指摘から始め、相手の問いには遠回しに答え、最後に必要性をはっきり伝えるという順で言葉を強めていることが分かります。
まとめ|止める・確かめる・促す
今回は、状況を悪くしていると伝える Not helping、発言をやめるよう促す come on、遠回しに評価する not too ~. not too ~ either、そして you need to apologize を見てきました。強さを段階的に選べると、場を壊さずに相手を止められます。
隣で言葉を選び続けるレナードのたしなめ方にも注目しながら、次回も『ビッグバン★セオリー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、テキサスでの兄弟と友人のやり取りを別の角度から取り上げています。


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