海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン11 第8話から、誘いや期待が空振りしたときに引き下がる英語を取り上げます。この回には、断られた相手に理由を聞き出そうとしたり、頼みごとの中身を早合点したりと、思いどおりにいかない場面が続きます。
断られた後にどう引くかは、断り方と同じくらい会話の空気を左右します。登場人物たちの引き際の言葉を、順に見ていきます。
「Make a sad face, move on.」理由を聞かずに引き下がる
シェルドンに職場まで車で送ってほしいと頼まれたレナードは、それを引き受けたうえで、別の予定に誘います。
Leonard: Yeah, sure. Oh, hey, the guys and I were talking about going to see the Tesla coil at the observatory later on, if you want to join.
(ああ、いいよ。そうだ、後で仲間と天文台のテスラコイルを見に行こうって話してたんだ。よかったら来る?)Sheldon: Oh, I’m sorry, I can’t. I’m busy.
(ああ、すまない、行けない。忙しいんだ。)Leonard: Why? What are you doing?
(なんで?何するの?)Penny: Leonard, what are you doing? He said he can’t go. Make a sad face, move on.
(レナード、何やってんの?行けないって言ってるでしょ。悲しい顔して、次に行きなよ。)TBBT Season11 Episode08
if you want to join は、予定を伝えたうえで「よかったら」と相手に判断を委ねる誘い方です。シェルドンの I’m sorry, I can’t. I’m busy. は、理由の中身を言わない短い断りになっています。
レナードのWhat are you doing?は相手の予定を尋ねる質問ですが、ペニーは同じ言葉を「何をしているの」という意味で返し、レナードの深追いを止めています。Make a sad face, move on. は「残念そうな顔をして、次へ進む」という助言で、move on は「気持ちを切り替えて先へ進む」を表します。断られたら理由を詮索しないという線引きを、短い命令文で示しているのが分かります。
それでもシェルドンは話を続けます。
Sheldon: It’s fine. I couldn’t tell you even if I wanted to.
(構わない。言いたくても言えないんだ。)Leonard: What does that mean?
(どういう意味?)Penny: Leonard! Sad face, sad face.
(レナード!悲しい顔、悲しい顔。)TBBT Season11 Episode08
I couldn’t tell you even if I wanted to. は「言いたくても言えない」と、事情があることだけをほのめかす言い方です。ペニーはSad face, sad face.と助言を繰り返しますが、シェルドンはこの直後、極秘の仕事だと自分から明かし、秘密にしているのがつらかったと言います。引き下がるよう促される側と、話したくてたまらない側がすれ違う場面です。
期待外れを受け流し、話をそこで止める一言
別の場面では、バーナデットからのメッセージを受け取ったラージが、彼女のもとを訪ねます。頼みたいことがあると言われたラージは、出産の付き添い役を頼まれると早合点して喜びますが、そうではないと告げられます。
Raj: Okay, that hurts, but luckily I know how to breathe through it.
(そうか、それは傷つくな。でも幸い、呼吸で乗り切る方法は知ってるんだ。)TBBT Season11 Episode08
That hurts, but ~ は、がっかりしたことを認めたうえで「でも〜」と流す言い方です。breathe through itは「呼吸をしながら痛みをやり過ごす」という意味で、付き添い役の話にかけた冗談として読めます。期待外れを軽く受け止めて次へ移る返しです。
さらに後の場面では、ルチとの関係が終わったラージが、そのことをバーナデットに話します。バーナデットが「残念だったね」と声をかけると、ラージはこう聞き返します。
Raj: Because I’m in pain or because you don’t have a spy anymore?
(僕がつらい思いをしてるから?それとも、もうスパイがいないから?)Bernadette: Let’s just leave it at “I’m sorry.” You’re already sad.
(「ごめんね」で止めておきましょう。もう落ち込んでるんだから。)TBBT Season11 Episode08
ラージは、ルチの仕事ぶりを探るようバーナデットに頼まれていました。Let’s just leave it at ~ は「〜ということで止めておこう」と、話をそれ以上掘り下げずに打ち切る表現です。バーナデットはどちらの理由かには答えず、謝罪の言葉だけを残しています。
| 場面 | 表現 | 働き |
|---|---|---|
| 誘う | if you want to join | 相手に判断を委ねて誘う |
| 引き下がる | Make a sad face, move on. | 詮索をやめて切り替える |
| 受け流す | That hurts, but ~ | 落胆を認めつつ流す |
| 打ち切る | Let’s just leave it at ~ | 話をそこで止める |
まとめ|引き際の言葉で会話を軽くする
今回は、誘いを断られた後の引き下がり方を、Make a sad face, move on.を中心に見てきました。if you want to joinの誘い方から、That hurts, but ~の受け流し、Let’s just leave it at ~の打ち切りまで、断られた側の言葉にも型があります。
思いどおりにいかない場面こそ、登場人物の言葉選びが光ることが、この回のやり取りから見えてきます。
この回のほかのコラムやフレーズ記事でも、別の場面の英語を取り上げています。


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