海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン8 第21話に登場する、アパートでラージが提案した「相手の発言を否定せず、乗っかって続ける」という話し合いのルールを、4人が実践してみる場面の言い回しです。相手の発言を受けて話をつなげる言い方から、ルールに縛られすぎて話が空回りしていく言い方まで扱います。
ルールに忠実であろうとするほど、かえって話が脱線していく様子が、この場面の見どころです。
相手の発言を受けて話をつなげる言い方
ラージは、みんなが自分のアイデアを押し付け合うのではなく、直前の発言を尊重しながら話す新しいルールを提案します。
Raj: So, I’d like to try a technique where no one gets steamrolled. When you talk, instead of bringing up a new idea, respect what was just said by building on it.
(じゃあ、誰も踏みつぶされない話し方を試してみたいんだ。話すときは、新しい話題を持ち出す代わりに、直前に言われたことを尊重して、それに乗っかる形にしよう。)TBBT Season8 Episode21
respect what was just said by building on it は「直前に言われたことを尊重し、それに乗っかる」という、話し合いのルールを説明する言い方です。ラージの提案が終わるやいなや、シェルドンが早速このルールを実践してみせます。
Sheldon: Uh, building on that, we should order dinner.
(うむ、それに乗っかると、夕食を注文すべきだ。)TBBT Season8 Episode21
building on that は「それに乗っかって言うと」と、直前の相手の発言を受けて自分の話をつなげるときの定型的な言い方です。この後もハワードやラージが building on what X said という、誰の発言に乗っかっているかを名指しする形で次々と続き、ルールはひとまず順調に機能しているように見えます。
ルールに縛られすぎて話が空回りしていく言い方
ここでラージが、自分の発言には誰も乗っかっていないと不満げに指摘する一幕もありつつ、シェルドンはさらにルールへの忠実さを加速させていきます。
Sheldon: Building on building on that, there’s a new build-your-own pizza place on Colorado.
(それに乗っかったことにさらに乗っかると、コロラド通りに新しくできた、自分で好きに作れるピザ屋があるのだ。)TBBT Season8 Episode21
building on building on that は、乗っかるというルールそのものに、さらに乗っかってしまう言い方です。ルールを忠実に守ろうとするあまり、話の中身よりも「乗っかる」という形式そのものが目的化していく様子が伝わってきます。レナードが乳糖不耐症を理由に異議を唱え、ハワードが代案を出しますが、”building on” という決まり文句を言わなかったことを理由に、シェルドンは相手を失格にし始めます。
Sheldon: Bah, you didn’t say building on. You’re out.
(ふん、君は”building on”と言わなかった。失格だ。)TBBT Season8 Episode21
You’re out. は「失格だ」「アウトだ」と、ルール違反を理由に相手を除外する言い方です。この後シェルドンはラージのことも同じ理由でアウトと告げ、結局は自分の意見だけを押し通してしまいます。相手の発言を尊重するためのルールが、いつの間にか勝ち負けを競うゲームに変わっていく流れが面白いところです。
まとめ|乗っかる言い方が空回りするまで
building on that / building on what X said という相手の発言を受けてつなげる言い方から、building on building on that / You’re out. というルールに縛られすぎて空回りする言い方まで、同じ表現が使われ方ひとつで協調にも競争にもなっていく様子が見えてきます。話し合いの中で相手の発言を受け止めるときの言い回しとして、頭の片隅に置いておくと会話の引き出しが広がります。
次回も『ビッグバン★セオリー』と一緒に英語表現を見ていきましょう。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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