「It’s getting kind of cheesy」に見る、歯が浮くような言葉をどう評するか|『ビッグバン★セオリー』S09E02で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「It's getting kind of cheesy」に見る、歯が浮くような言葉をどう評するか|『ビッグバン★セオリー』S09E02で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回はシットコム『ビッグバン★セオリー』シーズン9 第2話から、甘すぎる言葉を評する cheesy を中心に、評価を伝える言葉を取り上げます。仲直りの大事な場面なのに、褒め言葉が過剰になった瞬間、ペニーは「歯が浮いてきた」とはっきり口にします。

言い訳を切り捨てる lame から、「もっと来るぞ」と身構えさせる buckle up まで、レナードとペニーの和解の場面に沿って見ていきましょう。

目次

lame から the most beautiful thing まで ― 評価の言葉が動く仲直り

ペニーの部屋で、レナードは「式を壊そうとしているんじゃないか」と言われた件を考え続けたと打ち明け、「今でも君に釣り合わない気がしている」と理由を明かします。ペニーの返事は手厳しいものでした。

Penny: Okay, that is the lamest excuse you could’ve possibly come up with. But I get it.
(オーケー、それは考えつく限りで一番苦しい言い訳ね。でも、分かるよ。)

TBBT Season9 Episode02

lame は、言い訳や理由に向けて「説得力がなく、お粗末だ」と評価を下す形容詞です。ここでは最上級の the lamest excuse に you could’ve possibly come up with(あなたが考えつき得た中で)という関係節が続き、言い訳の出来を最大級に低く査定しています。

その直後の But I get it. が、この返しの要です。get it は「分かる、のみ込める」という口語表現で、一度ばっさり切り捨ててから、短い一言で理解を示して着地させています。

評価は辛口のまま、相手の気持ちは受け取る。この二段構えの返しが、仲直りへの流れを作っていきます。

わだかまりが解けると、レナードは「出会った瞬間から君を愛してきた、時の終わりまで愛し続ける」と言葉を重ねます。ペニーの反応は劇的でした。

Penny: Oh. Oh, my God, that is the most beautiful thing anyone’s ever said to me.
(えっ。ちょっと、うそでしょ、今まで人に言われた中でいちばんきれいな言葉よ。)

Leonard: Yeah? That’s because you’re beautiful, and your beauty fills my heart with love and song.
(そう?それは君がきれいだからだよ。君の美しさが、僕の心を愛と歌で満たすんだ。)

TBBT Season9 Episode02

the most beautiful thing anyone’s ever said to me は、最上級に anyone’s ever said(誰かがこれまでに言った)という現在完了の関係節を組み合わせた、感激を伝える定番の型です。

cheesy と buckle up ― 甘すぎる言葉への返し方

感激の場面はここまででした。レナードがさらに言葉を盛った瞬間、ペニーの評価が切り替わります。

Penny: It’s getting kind of cheesy, Leonard.
(だんだん、ちょっと歯が浮いてきたよ、レナード。)

Leonard: Huh? If you think that’s cheesy, buckle up. Penny Hofstadter, will you please stay married to me?
(え?今のが安っぽいと思うなら、身構えてて。ペニー・ホフスタッター、どうか僕と、結婚したままでいてくれる?)

TBBT Season9 Episode02

cheesy は「安っぽい、わざとらしくて歯が浮くような」という評価語で、褒め言葉や演出が過剰になった瞬間によく向けられます。It’s getting kind of ~(だんだん〜になってきた)との組み合わせで、「今のはまだしも、この先は行き過ぎ」という進行中の変化として伝えているのが巧みなところです。

kind of がクッションになっているため、水を差しながらも刺々しくなりません。lame と cheesy は、どちらも相手を責めるより先に、言葉そのものの出来を評する形容詞だと言えます。

評価語 向けられる対象 ニュアンス
lame 言い訳・理由 説得力がなく苦しい
cheesy 褒め言葉・演出 甘すぎて歯が浮く

レナードの buckle up は、本来「シートベルトを締める」という意味の表現です。ここでは「これからもっとすごいのが来るから身構えていて」という予告として使い、そのまま Penny Hofstadter, will you please stay married to me? という問いかけにつなげています。

stay married(結婚したままでいる)という言い方で、始まったばかりの結婚を続けてほしいと頼む形になっているのが分かります。

まとめ|切り捨てる言葉と受け止める言葉のバランス

lame は言い訳の出来を、cheesy は言葉の甘さを評する形容詞で、どちらも But I get it. や kind of のような和らげる言葉と組み合わせて使われていました。辛口の評価と受け止めをひとつの返事に同居させる話し方は、親しい相手との会話でこそ生きる技術です。

甘い言葉に「歯が浮く」と笑い合える二人の空気ごと、『ビッグバン★セオリー』の世界をこれからも楽しんでいきましょう。

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