「Had will have placed?」に見る、時制のねじれをおもしろがる架空の未来完了表現|『ビッグバン★セオリー』S08E05で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「Had will have placed?」に見る、時制のねじれをおもしろがる架空の未来完了表現|『ビッグバン★セオリー』S08E05で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン8 第5話に登場する、時制がどんどんねじれていく言葉遊びです。新しい発明のアイデアを出そうとしていた4人が、あるタイムトラベル映画をめぐる文法談義に脱線していく場面から見ていきます。

is placedから had will have placed へと変化していくやり取りを、一つずつたどっていきましょう。日常会話ではまず使わない組み合わせだからこそ、時制の仕組みそのものが浮かび上がってきます。

目次

“Is placed” は正しい時制なのか、という違和感

タイムトラベル映画をめぐる会話の途中、シェルドンはある一言に引っかかりを覚えます。日常の会話ではほとんど意識されない、動詞の時制そのものへの違和感です。

Sheldon: Wait. Whoa, whoa. Is placed right?
(待って。ちょっと待って。is placed は合っているのか?)

TBBT Season8 Episode5 (The Focus Attenuation)

is placedという現在形の受け身表現が、過去に起きた出来事の言い方としてふさわしいのか、という疑問です。何が引っかかるのか尋ねられたシェルドンは、さらに込み入った言い方でその疑問を言い換えます。

Sheldon: Is placed the right tense for something that would have happened in the future of a past that was affected by something from the future?
(未来から影響を受けた過去において、未来に起こるはずだった出来事を言い表すには、is placed が正しい時制なのか?)

TBBT Season8 Episode5 (The Focus Attenuation)

仮定法・完了形・未来形を次々に重ねていく問いかけそのものが、単純な現在形では収まりきらない時間関係を表そうとする試みになっています。would have happened(〜だったであろう)とwas affected(影響を受けていた)という二つの完了・受け身の形が一つの文の中に同居していること自体が、すでに普通の会話からは外れた領域に踏み込んでいる証拠です。

“Had will have placed?” が生まれ、加速していくまで

シェルドンの問いかけに、レナードが咄嗟に返した答えが、この場面のハイライトとなる架空の時制です。

Leonard: Had will have placed?
(had will have placed……とか?)

TBBT Season8 Episode5 (The Focus Attenuation)

has/hadとwill、haveを一続きに並べただけの、英文法のどのルールにも当てはまらない未来完了もどきです。もっともらしい響きを持ちながら、実際には存在しない組み合わせになっています。シェルドンはこの案を気に入り、話はさらに先へと進みます。

Sheldon: Yeah, but he had will haven’t placed it!
(ああ、でも彼は had will haven’t placed だったわけだ!)

TBBT Season8 Episode5 (The Focus Attenuation)

否定形のhaven’tまでこの造語に接ぎ木され、時制のねじれはさらに加速していきます。同じ疑問文の型は、その後も別の動詞に使い回されていきます。

Leonard: Wait. Is brought right?
(待って。is brought は合ってるのか?)

TBBT Season8 Episode5 (The Focus Attenuation)

Is placed right?と同じ問いかけの構文が、動詞をbroughtに入れ替えただけで繰り返されており、一つの言い回しのパターンが会話全体を支配していく様子が見えます。had will have placedという最初の造語が、その後の会話の基準点として機能し続けているのが分かります。

まとめ|架空の時制が教えてくれる英文法の骨組み

is placed、had will have placed、is broughtと、現在形・完了形・未来形を組み合わせながら時制への違和感を言葉にしていく過程をたどりました。ふだん意識しない時制の仕組みが、崩し方を通してかえって浮かび上がってきます。will、have、hadという助動詞をどう並べれば意味が通るのかという感覚は、正しい形を覚えるだけでなく、間違った形で遊んでみることでも磨かれていきます。

次回の『ビッグバン★セオリー』でも、会話のやり取りから英語表現を拾っていきましょう。

このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。

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