「take a hit」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S08E05で学ぶ英会話

「take a hit」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

景気が落ち込んだとき、評判が傷ついたとき、英語ではそれを「一発食らった」と表現することがあります。そんな言い方、気になりませんか。

今回は「take a hit」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン8第5話、男性陣がハワードの昔の発明アイデアをからかうシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「take a hit」の意味とニュアンス

take a hit
意味:打撃を受ける、痛手を被る、損害を受ける

hit は「打撃・一撃」、take は「受ける」。直訳すれば「一撃を受ける」ですが、実際には物理的に殴られることよりも、売上・評判・自信・健康といった目に見えないものが「ダメージを受ける」という比喩で使われることがほとんどです。

ボクシングでパンチを食らってよろめくイメージが、そのまま「痛手を受ける」という意味に転化した表現です。特にビジネスやニュースの文脈で頻出し、Sales took a hit(売上が落ち込んだ)、His reputation took a hit(評判が傷ついた)のように、何かが一時的に大きなダメージを受けた状況を生き生きと描写します。深刻な「損失」を表す suffer a loss よりもくだけた響きで、会話でもニュースでも幅広く使われるのが特徴です。

【ここがポイント!】

  • ボクシングの「パンチを食らう」イメージが比喩の核
  • 売上・評判・自信など、目に見えないものの「ダメージ」を表す
  • ビジネスやニュースで頻出する、口語的で生きた表現

『ビッグバン★セオリー』S08E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

科学合宿に集まった男性陣が、昔のアイデアリストを読み返す場面。ハワードの独身時代の”きわどい”発明案が次々に飛び出し、一同があきれます。そこでラージが、ハワードが結婚して発明意欲を失ったことを、ロボット工学界全体の損失になぞらえてからかいます。

Howard: There’s just some things you don’t do with your robot girlfriend.
(ロボット彼女とは、やらないことってのがあるんだよ。)

Raj: Boy, when you met Bernadette, the field of robotics really took a hit.
(いやはや、君がバーナデットと出会って以来、ロボット工学の分野は大打撃だな。)

The Big Bang Theory Season8 Episode5(The Focus Attenuation)

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シーン解説と心理考察

ラージの the field of robotics really took a hit は、明らかな誇張がユーモアを生んでいます。ハワードが結婚で”変な情熱”を失っただけのことを、まるで学問分野全体が大損害を被ったかのように大げさに表現することで、軽いからかいが笑いに変わっています。

take a hit という本来はシリアスなビジネス用語を、仲間内のジョークに転用しているのがこの場面の妙です。深刻な響きを持つ言葉をふざけた文脈に置くことで、ハワードの独身時代と既婚後のギャップをからかう絶妙な一言として響きます。仲のよさゆえに許される、遠慮のない軽口が会話の温度をあたためています。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

take a hit は、ボクサーが顔面にパンチを受けて、ぐらりと後ろによろめく瞬間をイメージしてください。その「ガツンと一発食らう」体の感覚を、売上グラフが急降下する様子や、評判が地に落ちる様子に重ねると、比喩がすっと頭に入ってきます。

ラージが「ロボット工学界がハワードの結婚でノックダウンされた」と大げさに語る場面を思い出せば、take a hit が「目に見えない何かがパンチを食らう」表現だということが、ユーモアとともに記憶に残ります。

例文で覚える「take a hit」

take a hit は、何が打撃を受けたのかを主語に置くだけで、ビジネスから日常の心情までさまざまな場面を描けます。on を続けると「何で損をしたか」も示せます。

Our sales took a big hit during the pandemic.
(うちの売上はパンデミック中に大きな打撃を受けた。)
業績の落ち込みを説明する、最も典型的なビジネス用法です。big や major などの形容詞を挟むと、ダメージの大きさを強調できます。

His confidence took a hit after he failed the interview.
(面接に落ちて、彼の自信は打ち砕かれた。)
メンタル面のダメージにも自然に使えます。目に見えない「自信」が一撃を受けた、という比喩がそのまま生きる例です。

A: I heard the company lost a major client.
B: Yeah, their stock really took a hit this week.
(A:あの会社、大口の取引先を失ったらしいよ。)
(B:そうなんだ、今週は株価がかなり打撃を受けたよ。)
ニュースや時事を話題にする会話です。株価・経済の落ち込みは take a hit の定番の舞台で、ビジネス会話でそのまま使えます。

あわせて覚えたい関連表現

suffer a loss
(損失を被る)
こちらはよりフォーマルで深刻な響きを持ちます。take a hit が口語的で一時的な打撃を表すのに対し、suffer a loss は決算報告や正式な文書で使われる、重みのある表現です。

take a beating
(こてんぱんにやられる)
take a hit と同じ「打撃を受ける」系の表現ですが、beating(殴打)を使う分だけダメージが大きく、連続的に痛めつけられるニュアンスがあります。take a hit が一発なら、take a beating はめった打ちのイメージです。

bounce back
(立ち直る、回復する)
take a hit で受けた打撃から「跳ね返って戻る」という、対になる表現です。took a hit but bounced back(打撃を受けたが立ち直った)のように、セットで使うと損害とその後の回復を一続きで語れます。

Note|「打撃」と「大当たり」が同じ言葉? hit の二つの顔

take a hit の hit は「打撃」ですが、同じ hit が a hit song(ヒット曲)や a big hit(大当たり)のように「成功」も意味します。一つの単語が、痛手と成功という正反対の意味を持つのはなぜでしょうか。

hit はもともと「打つ・命中する」という動作を表す言葉です。ここから二つの方向に意味が枝分かれしました。一つは「打たれる側」の視点で、パンチや攻撃を受ける=ダメージを被るという take a hit の用法。もう一つは「命中させる側」の視点で、的に当たる=狙い通り成功する、という a hit の用法です。野球でボールをバットに「当てる」のが hit(ヒット)であり、矢が的に「命中する」のも hit。つまり「当たる」という一点から、当てられて痛い側と、見事に当てて成功する側の、両方の意味が生まれたわけです。同じ動作を誰の視点から見るかで、痛手にも成功にもなる。英語の単語が持つ多面性をよく表す例だと言えます。

この成り立ちを知ると、take a hit が「打撃を受ける(=打たれる側)」の表現だということが、単語のイメージから腑に落ちてきます。

一つの「当たる」から、痛手と栄光が分かれていく。言葉の奥行きを感じさせる一語です。

まとめ|目に見えないダメージを描く一言

take a hit は、売上・評判・自信といった目に見えないものが「一撃のダメージを受ける」様子を、ボクシングの比喩で生き生きと描く表現です。深刻な損失を表す堅い言葉よりもくだけていて、ニュースから日常会話まで幅広く登場します。

何かがうまくいかず痛手を被ったとき、この一言があれば、状況の厳しさを簡潔かつ的確に伝えられます。took a hit but bounced back のように回復の表現と組み合わせれば、苦境とその後をひと続きの物語として語ることもできます。

景気や評判、心の状態が「パンチを食らった」と感じたとき、この表現を会話の引き出しに加えてみてくださいね。

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