海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン11 第2話から、自分の成功をめぐる英語を取り上げます。研究予算に恵まれたエイミーと、製薬会社で働くバーナデットが、エイミーのラボで仕事の成功を隠すべきか話すべきかを語り合います。
成功は隠しても角が立ち、話しすぎても角が立つものです。2人の会話を場面の順に追いながら、その間合いを表す英語を見ていきます。
「hide your success」は気づかいか、ごまかしか
エイミーのラボの場面です。エイミーは、大学が自分の研究に気前よく予算を出していると話します。ラボにシェルドンが来ていないのを意外がるバーナデットに、エイミーは、物理学よりずっと多くの予算が出ているのでシェルドンが少し敏感になっていて、まだ話していないと明かします。
Bernadette: So you’re just gonna hide your success from him?
(じゃあ、自分の成功を彼に隠しておくつもり?)Amy: I know. Am I terrible?
(分かってる。私ってひどいかしら?)Bernadette: No. I do that, too.
(いいえ。私もそうしてるわ。)TBBT Season11 Episode02
hide your success from ~ は「〜に自分の成功を隠す」という言い方です。相手を傷つけないための気づかいとも、事実を伏せるごまかしとも取れる行動で、エイミー自身もその間で揺れています。
Am I terrible? は「私ってひどい?」と、自分の行動の是非を相手に確かめる問いかけです。返ってきたのは否定と、I do that, too. という「私も同じ」の一言でした。エイミーはこれを聞いて安心しつつも、シェルドンに対して公平でなかったのではという気持ちがあったことを口にしています。
「brag about」と「Tell me about it.」で自慢を認め合う
エイミーのラボの別の場面では、シェルドンに研究の話をしたら機嫌を損ねたとエイミーが打ち明けたあと、話題は自慢そのものに移ります。
Bernadette: You know, you’re a successful woman. You should be able to brag about your accomplishments once in a while.
(ねえ、あなたは成功した女性なのよ。たまには自分の業績を自慢したっていいはずだわ。)Amy: Well, so should you. I mean, the guys are never shy about bragging.
(それならあなたもよ。だって、男性陣は自慢することにまったく遠慮がないもの。)Bernadette: Tell me about it. Howie texts me every time his dog levels up in Warcraft.
(ほんとそれ。ハウィーなんて、ワークラフトで犬のレベルが上がるたびにメールしてくるのよ。)TBBT Season11 Episode02
brag about ~ は「〜を自慢する」という意味で、自分を大きく見せるニュアンスを含みます。エイミーの be never shy about ~ing は「〜するのにまったく遠慮しない」という言い方で、男性陣の様子を皮肉まじりに表しています。
Tell me about it. は文字どおりの「それについて話して」ではなく、「本当にそう」「よく分かる」と強く同意する決まり文句です。このあとエイミーが「お互いに自慢し合えばいい」と提案し、バーナデットも賛成します。自慢をためらう気持ちを、2人で言葉にして許し合う流れになっています。
遠回しな自慢と「We both do important work.」
自慢し合いはすぐに張り合いへと変わります。バーナデットが職場に助手が2人いると話したあとのやり取りです。
Amy: That’s great. I don’t have assistants.
(すごいわね。私には助手はいないわ。)Bernadette: Oh. I guess that’s one of the benefits of being in the private sector. That and all the money I make.
(あら。それが民間企業の利点のひとつなんでしょうね。それと、私が稼ぐお金も。)Amy: Yeah, you’ve got that. I’ve got my integrity. Hard to say which is better without making you feel bad.
(ええ、それはあなたの強みね。私には誠実さがある。あなたを傷つけずに、どちらが上かを言うのは難しいわ。)TBBT Season11 Episode02
エイミーの最後の一言は、相手を気づかう形をとりながら、実は自分の側が上だとほのめかす遠回しな自慢です。without making you feel bad という配慮の言葉が、かえって優位を際立たせているのが面白いところです。
さらに後の場面では、エイミーが「お金ではかなわなくても人の役に立っている」と言い、バーナデットも自分の仕事も役に立っていると言い返します。そこでエイミーは You’re right. と認め、We both do important work.(私たちはどちらも大事な仕事をしている)と続けます。
相手を認めてから自分の話につなげる、角の立ちにくい言い方です。ただしエイミーはこのあと、自分は脳の構造を解明しようとしていて、相手は髪のかゆみが実在すると人々に納得させようとしている、と対比してみせます。認め合いの形を借りた張り合いが続いていると読み取れます。
まとめ|成功の話し方にも幅がある
今回は、hide your successで成功を伏せる場面から、brag aboutとTell me about it.で自慢を認め合い、遠回しな自慢やWe both do important work.で張り合うところまでを見てきました。成功の話し方の幅を知ると、雑談の受け止め方も変わってきます。
エイミーとバーナデットの掛け合いからは、言葉の裏にのぞく本音も見えてきます。
同じエピソードのコラムやフレーズ記事からも、この回の会話を別の角度でたどれます。


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