海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン4 第11話で、大晦日の仮装コンテストに向けてシェルドンたちが繰り出す、チームの結束を盾にした言い回しです。コミックブックストアでの配役決めから当日のウィッグをめぐるやり取りまで、”weak link”や”there’s no I in team”といった団体戦の決まり文句が、都合よく使い回されていきます。
一つの言い回しが、場面ごとにどう形を変えて使われるのかを見ていきます。
「shore up our weak link」に見る、弱点を名指しする言い方
コミックブックストアで店主のスチュアートから大晦日の仮装コンテストの誘いを受けたシェルドンたちは、去年と同じ顔ぶれのグループ仮装での優勝を狙い始めます。すると、シェルドンがチームの構成そのものに口を出します。
Sheldon: To that point, it occurs to me that we might have an opportunity to finally snare Best Group Costume if we shore up our weak link, which is clearly Leonard as Superman.
(その点について言うと、僕たちの弱点――明らかにスーパーマン役のレナードだが――を補強すれば、ついにベスト・グループ・コスチューム賞を勝ち取れるかもしれないと思いついたんだ。)TBBT Season4 Episode11 (The Justice League Recombination)
shore upは「(弱った部分を)補強する、支える」という意味の句動詞です。シェルドンはour weak link(僕たちの弱点)という表現でチームの中の特定の一人を名指しし、それをshore upするという言い方で、まるで戦略的な提案であるかのように仲間の交代を切り出しています。
すぐさま、名指しされたレナードに代わる候補として、ザックの名前が挙がります。
Howard: He is the only person we know with actual muscles.
(実際に筋肉のある知り合いは、あいつしかいないからな。)TBBT Season4 Episode11 (The Justice League Recombination)
the only person we know with actual muscles(実際に筋肉のある唯一の知り合い)という言い方で、ハワードは能力を根拠にメンバーの入れ替えを正当化しています。弱点の名指しから始まり、代役の資質を挙げて後押しするという流れそのものが、この一連のやり取りの型になっています。
「There’s no I in team」をもじる、団体戦の定番フレーズ
大晦日のパーティー当日、衣装に黒いウィッグが必要だと知ったペニーが着用をためらう場面で、ザックは同じ理屈をもう一度持ち出します。
Zack: Come on. We’re trying to win a contest here.
(頼むよ。僕たちはコンテストで優勝を狙ってるんだから。)TBBT Season4 Episode11 (The Justice League Recombination)
We’re trying to win a contest here.(コンテストで優勝を狙ってるんだ)という一言で、ザックは個人の好みより団体の目的を優先させるよう求めています。ペニーがそれでもウィッグを拒むと、ザックはさらに定番のフレーズをもじって畳みかけます。
Zack: Penny, there’s no I in Justice League.
(ペニー、「ジャスティス・リーグ」に「私」はいないんだよ。)Howard: Well, actually.
(いや、実を言うと。)Sheldon: Don’t. He’s making our case.
(よせ。彼は僕たちの主張を後押ししてくれているんだから。)TBBT Season4 Episode11 (The Justice League Recombination)
There’s no I in team.(チームに「私」はいない)という定番フレーズの team を、劇中のグループ名に置き換えたのが、この一言のもじりです。うんちくで水を差しかけたハワードを、シェルドンがHe’s making our case.(彼は僕たちの主張を後押ししてくれている)と即座に制する掛け合いにも、団体戦の名目を都合よく使い回す姿勢が表れています。
まとめ|団体戦の名目を、都合よく使い回す言い方
shore up our weak link、there’s no I in team。「チームのため」という理屈は、メンバーの交代を切り出すときにも、衣装を強いるときにも、形を変えながら持ち出されています。団体戦を盾にした決まり文句のパターンが、この一連のやり取りから見えてきます。
『ビッグバン★セオリー』のこうしたやり取りを追っていくと、英語の言い回しの幅がまた一つ見えてきます。
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