海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
シットコムの会話には、行き違いのあとで関係を立て直す言葉が数多く登場します。今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン9 第13話から、That’s very mature of you. という一言を起点に、自分から身を引く申し出と、それを評価する英語を取り上げます。
言いにくい決断をどう告げ、相手の決断をどう受け止めるか。短いやり取りの中に、覚えておきたい型がそろっています。
Look at him, ~ing ― ずれた共感と、事実だけの報告
仲間内で計画されたラスベガス旅行を前に、シェルドンの謝罪の旅は、エミリーとの間で思わぬこじれ方をしていました。アパートでペニーとレナードがその首尾を尋ねているところへ、ラージがやって来ます。
Raj: What is wrong with you?
(君は一体どうしてしまったんだ?)Sheldon: Look at him, caring about what’s wrong with me. That is some top-shelf empathy. Hey, well, we should start a club.
(彼を見たまえ、僕のどこがおかしいのかを気にかけている。これぞ一級品の共感だ。そうだ、僕たちで会を作るべきだな。)Raj: You went to Emily’s to apologise, and when you left, she was crying.
(君はエミリーの家に謝りに行った。そして君が帰るとき、彼女は泣いていたんだよ。)TBBT Season9 Episode13
What is wrong with you? は、不調を尋ねる文字どおりの意味から離れて、「一体どうしてしまったんだ」と相手の言動をとがめる決まり文句です。ところがシェルドンはこれを言葉どおりの気づかいとして受け取り、自分を心配してくれていると解釈してしまいます。
その返答に出てくる Look at him, ~ing は「彼を見たまえ、〜している」と、目の前の相手を指し示す言い方です。~ing の部分が、その人が今していることを添えます。
top-shelf は「一級の、上質な」を表す口語的な形容です。top-shelf empathy で「一級品の共感」となりますが、とがめられている本人が褒め言葉で返す、そのずれがこの場面の笑いを生んでいます。
一方のラージの報告は、went、left、was crying と事実を並べるだけの組み立てです。評価の言葉を足さず、君が帰るとき彼女は泣いていた、と過去進行形でそのときの状況を描く伝え方に、静かな重みがあります。
I won’t be joining you ― 未来進行形で告げる辞退
ペニーがエミリーの様子を尋ねると、ラージは、落ち着かせはしたものの、シェルドンが行くなら彼女はラスベガスに行かないつもりだ、と答えます。その言葉が、次のやり取りを引き出します。
Howard: Wait, that’s an option? I didn’t know that was an option.
(待てよ、それも選択肢としてありなのか?そんな選択肢があるなんて知らなかったぜ。)Sheldon: Well, that is fine, because I’ve decided that I won’t be joining you. I’ve realized that the most genuine way to demonstrate the remorse I feel is to let you have this weekend to yourselves.
(それなら構わない。僕は君たちに同行しないと決めたのだ。僕が感じている後悔の念を示す最も誠実な方法は、この週末を君たちだけのものにすることだと気づいた。)Raj: That’s very mature of you.
(それは、とても大人だね。)TBBT Season9 Episode13
Wait, that’s an option? は、示されていなかった選択肢に気づいた瞬間の問い返しです。その手があったのか、という驚きが短い一文で伝わります。
シェルドンの I won’t be joining you. は、未来進行形 will be ~ing を否定にした形です。意思を宣言する言い方に比べ、すでに固まった予定として淡々と告げる響きになり、その場の感情で拒んでいる印象が薄れます。
続く the most genuine way to demonstrate ~ is to ~ は、最上級と to不定詞で「〜を示す最も誠実な方法は〜することだ」と理由を組み立てる型です。文末の to yourselves は「君たちだけで」という意味で、have ~ to oneself(〜を自分たちだけのものにする)の形が土台にあります。
そして、それを受け止めるラージの That’s very mature of you. です。That’s + 形容詞 + of + 人 の構文は、mature や kind のような人柄を表す形容詞と結びついて、「そうするなんて〜だ」と相手の行いを評価します。
まとめ|身を引く言葉と、たたえる言葉
I won’t be joining you. と穏やかに辞退を告げ、That’s very mature of you. とその決断を受け止める。この場面には、こじれたあとの身の処し方をめぐる英語が並んでいます。of you の評価の型は人をたたえる場面で幅広く使えますから、会話の引き出しに加えてみてください。
シェルドンたちのにぎやかなやり取りを観ながら、身を引く言葉とたたえる言葉、二つの型を思い出してみてください。
この回の英語は、同じエピソードのコラムやフレーズ記事、まとめ記事でも角度を変えて扱っています。


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