海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン9 第1話を起点に、アメリカの結婚式場で見られる「パッケージ」という売り方と、elope(駆け落ち婚)という言葉の背景を見ていきます。レナードとペニーがベガスの式場で式の内容を選ぶ場面が入り口です。
音楽も花も生中継も、セットから選んで式を挙げる。そんな式のかたちは、日本の結婚式のイメージとは少し違って見えるのではないでしょうか。台本に描かれた範囲から、その仕組みを読み解いていきます。
音楽と花がセットになる「パッケージ」という売り方
冒頭の場面で、レナードとペニーは式場のパッケージを選んでいます。
Leonard: Mm, this one comes with music and flowers. Oh, they even stream the whole thing live on the Internet.
(うーん、これは音楽と花が付いてくるよ。ああ、式の一部始終をインターネットで生中継までしてくれるって。)TBBT Season9 Episode01
come with ~ は「〜が付いてくる」という言い方で、商品にセットで含まれる内容を説明するときの定番です。音楽・花・生中継といった項目が、ひとつの選択肢の中に束ねられて提示されている様子が読み取れます。
生中継の提案に、ペニーはコメント欄付きの結婚式にずっと憧れていたと軽口で応じます。式の様子そのものが商品の一項目になっているという点で、印象的なやり取りです。
パッケージの中身は、式の直前の場面でも話題になります。
Leonard: Oh, the package that we paid for said the aisle was supposed to be strewn with rose petals.
(ああ、僕たちが払ったパッケージには、通路にバラの花びらを撒くって書いてあったんだけど。)TBBT Season9 Episode01
strewn with ~ は「〜が撒き散らされて」という意味で、be supposed to(〜することになっている)と合わせて「そういう約束だったはず」という含みを作っています。花びらの演出まで契約の項目に入っているという細部に、パッケージという売り方の徹底ぶりが表れています。
順番待ちのあいだには、飲食店の呼び出しで見かける振動式のコースターを渡されたとレナードが語る場面もあります。式が次々と流れ作業のように進む式場の様子がうかがえる描写です。
「elope」が指す、ふたりだけで挙げる式
式の予定は電話でも伝わります。ペニーはエイミーとの電話で、いまベガスにいてこれから結婚すると告げ、招待されなかったことに驚くエイミーへこう説明します。
Penny: Well, it was kind of a spur-of-the-moment thing.
(まあ、ちょっと勢いで決めたことだったから。)TBBT Season9 Episode01
spur-of-the-moment は「その場の思いつきの・衝動的な」という形容で、計画を立てずに決めた行動を表します。kind of をはさんで断定をやわらげているところに、相手への気づかいがにじみます。
一方、エイミーが動揺していると聞いたシェルドンが自分のせいかと尋ねると、レナードは式のかたちを一語で言い表します。
Leonard: No, I think it’s because we’re eloping.
(いや、僕たちが駆け落ち婚してるからだと思うよ。)TBBT Season9 Episode01
elope は、周囲に知らせずふたりだけで式を挙げることを指す動詞です。日本語の「駆け落ち」は反対を押し切って逃げる印象の強い言葉ですが、英語の elope は、招待客を呼ばない小さな式を選ぶこと自体を指して使われる場面も見られます。
ベガスでの挙式、パッケージ、生中継、そして elope。この回に描かれる式のかたちは、思い立った日に式を挙げるという選択と結びついています。なお、婚姻の手続きや条件は州や時期によって異なるため、ここでは台本に描かれた範囲にとどめて紹介しています。
まとめ|台本から見えるアメリカの挙式事情
come with で説明されるパッケージ、spur-of-the-moment の即断、そして elope という語。シーズン9 第1話の式場の場面には、アメリカの挙式文化を映す言葉が並んでいます。ドラマのひとつの場面が、そのまま文化を知る窓になっているのが分かります。
『ビッグバン★セオリー』の世界を、これからも英語と一緒に楽しんでいきましょう。
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