「fire up」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S06E18で学ぶ英会話

「fire up」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

面倒な用事をさっさと切り上げて、「よし、ゲームでもしようぜ」とパソコンやゲーム機を立ち上げたくなる瞬間は、誰にでもあるのではないでしょうか。

そんな気分にぴったりの「fire up」は、機械やソフトを勢いよく起動するという意味の口語表現です。『ビッグバン★セオリー』シーズン6第18話の冒頭、女性の科学進出を支援する委員会の作業を早々に切り上げようとするハワードが、ゲーム機に手を伸ばすシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「fire up」の意味とニュアンス

fire up
意味:(機械・ソフト・エンジンなどを)起動する、立ち上げる

fire はもともと「火」を表す言葉です。エンジンや機械に火を入れて動かす、というイメージから、パソコン・ゲーム機・アプリなどを「起動する」という意味の口語表現として広く使われるようになったとされます。

同じ「起動する」でも、start up や turn on が中立的で淡々とした響きなのに対し、fire up には火を入れて一気に動かすような勢いと、くだけた親しみやすさがあります。友人同士の会話や、ゲーム・バーベキューといったワクワクする場面と相性のよい表現です。

さらに「fire someone up(人を奮い立たせる)」のように、機械だけでなく人の気持ちに火をつける比喩としても使われます。物にも心にも「点火する」イメージを持っておくと、幅広い場面で応用が利きます。

【ここがポイント!】

  • 核は「火を入れて動かす」イメージ、機械でも人の気持ちでも点火できる一語
  • start up より勢いがあり、くだけて親しみやすい温度感が持ち味
  • ゲーム・エンジン・BBQなど、ワクワクする場面で生きるのが使いどころ

『ビッグバン★セオリー』S06E18のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

女性の科学進出を支援する大学の委員会に、契約で参加させられたレナードたち。真面目に取り組みたいレナードをよそに、ハワードは「今日はもう十分貢献した」とばかりに作業を切り上げ、ゲーム機に手を伸ばします。fire up が飛び出すのはこの一言です。

Howard: All right, I think we’ve really helped women today. Let’s fire up the old Xbox.
(よし、今日は女性のためにかなり貢献したろ。さあ、いつものXboxを立ち上げようぜ)

Leonard: Guys, please don’t make this a school project where I’m the smart kid doing all the work while the slackers sit back and watch.
(なあ、頼むからこれを学校のグループ課題みたいにしないでくれよ。賢い子の僕が全部やって、怠け者は座って見てるだけって構図にさ)

The Big Bang Theory Season6 Episode18(The Contractual Obligation Implementation)

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シーン解説と心理考察

ろくに議論もしないうちに「もう十分やった」と切り上げようとするハワードの軽さが、この一言ににじむ場面です。fire up the old Xbox という言い方には、面倒な作業から好きなゲームへ一気に気持ちを切り替えたい本音が表れています。

old Xbox の old は古さを責める言葉ではなく、「いつもの」「お馴染みの」という親しみの込もった呼び方です。手慣れた相棒に火を入れるような、軽やかな響きが伝わってきます。

それを受けるレナードの「学校のグループ課題にしないでくれ」という返しが、3人の力関係をくっきり描き出しています。賢い自分が全部やらされ、仲間は座って見ているだけ——その構図を先回りで牽制するレナードの諦め混じりの口ぶりが、会話の温度を変えています。やる気のないハワードと、巻き込まれるレナードの対比が見どころと言えます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

fire up は、エンジンや機械に「ボッ」と火が灯って動き出す映像で覚えるのがおすすめです。ハワードが面倒な委員会の話を放り出し、お馴染みのゲーム機に火を入れるように起動して逃げ込む——あの軽やかな身ぶりを思い浮かべてみてください。

スタートボタンを押した瞬間、機械の奥に小さな炎がポッと点る。そのイメージと「fire up=起動する」を重ねると、ただの暗記ではなく、勢いごと記憶に残ります。やる気のスイッチに火が入る感覚もセットにしておくと、人を奮い立たせる比喩用法にもすっと手が届きます。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「fire up」

機械の起動から人の士気まで、fire up は「火を入れて動かす」一語で幅広く使えます。3つの場面で感覚をつかんでみましょう。

Let me fire up my laptop and check the schedule.
(ノートパソコンを立ち上げてスケジュールを確認するね)
在宅ワークで作業を始めるときの一言です。start up より軽く、日常会話にすっとなじむ言い方です。

The mechanic fired up the engine to test the repair.
(整備士は修理を確認するためにエンジンをかけた)
車の整備を説明する場面です。エンジンに「火を入れる」という原義に最も近い、実感のこもった使い方です。

A: The team looks a little flat today.
B: Don’t worry, the coach’s speech will fire them up before the game.
(A:チーム、今日はちょっと元気がないね)
(B:大丈夫、試合前にコーチのスピーチがみんなを奮い立たせるから)
スポーツの場面の会話です。機械だけでなく「人の気持ちに火をつける」比喩用法が、会話の中でどう働くかが見えてきます。

あわせて覚えたい関連表現

start up
(起動する、始動する)
fire up とほぼ同じ「起動する」ですが、こちらはより中立的でフォーマル寄り。勢いや砕けた温度感を出したいときは fire up が向いています。

boot up
(パソコンを起動する)
boot up はコンピュータの起動に特化した表現です。fire up はゲーム機・エンジン・人の士気まで対象が広く、ぐっと使い回しが利きます。

power up
(電源を入れる、出力を上げる)
power up は「電源を入れる/パワーを上げる」が中心。fire up の「火を入れて勢いよく動かす」という躍動感とは、ねらいどころが少し違います。

Note|fire(火)が「起動する」を意味するようになるまで

fire up を直訳すると「火をつける」。それがなぜ「パソコンを起動する」にまでつながるのか、少し立ち止まると面白いテーマが見えてきます。

鍵になるのは、機械を動かすには文字どおり「火」が必要だった時代です。蒸気機関車も、初期の内燃機関も、まず燃料に点火してはじめて動き出しました。「火を入れる=機械を始動させる」という結びつきが、ここで生まれたとされます。やがて燃焼を伴わない電気機器にも比喩として広がり、現代ではゲーム機やアプリといったデジタル機器を「起動する」場面にまで転用されるようになったと考えられます。火種が実際にはどこにもないソフトウェアにまで fire という語が生き残っているのは、言葉が原義を超えてイメージだけを運んでいく、興味深い例と言えます。

ハワードが Xbox に「火を入れる」ように起動するこのシーンは、その長い来歴をそのまま体現しています。物理的な炎はなくても、起動の瞬間にある「動き出す勢い」だけは、しっかり受け継がれているわけです。

言葉の奥に、機械の歴史がそっと畳み込まれているのですね。

まとめ|ハワードのやる気のなさが教えてくれること

fire up は、機械やソフトを勢いよく起動する口語表現であり、人の気持ちに火をつける比喩としても使える、温度感のある一語です。

start up や turn on を fire up に置き換えるだけで、同じ「起動する」でも一気にくだけた躍動感が生まれます。ゲーム機を立ち上げる、エンジンをかける、チームを奮い立たせる——どの場面でも「火を入れる」イメージひとつでつながっていきます。

面倒なことを放り出してゲームに逃げ込むハワードの軽さの後ろに、火を入れれば物も心も動き出すという、この表現の核がちらりと見える場面でした。

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