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相手のやり方には賛成できないけれど、「この点だけは認めるよ」と公平に評価したくなる場面は、誰にでもありますよね。
そんなときに使える「give credit where credit is due」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン4第15話の中盤、シェルドンがペニーへの失礼な発言を「褒め言葉だ」と言い張るアパートのシーンから、一緒に見ていきましょう。
「give credit where credit is due」の意味とニュアンス
give credit where credit is due
意味:評価すべきところはきちんと評価する、功績を正当に認める
相手や物事の功績を、公平に認めることを表す定型句です。credit は「功績・称賛」、due は「当然支払われるべき」の意で、直訳すると「クレジット(称賛)が当然支払われるべきところに、きちんとクレジットを与える」となります。批判や不満を述べる場面でも、「ただこの一点については認めよう」と公平さを示すために使われることがよくあります。
口語では where it’s due と短く縮めたり、Credit where credit’s due. と単独で言ったりもします。誰かの手柄をはっきりさせたいときや、対立の中でもフェアな姿勢を見せたいときに便利な表現です。なお、同じ credit でも take credit for は「功績を自分のものにする」という反対方向の意味になり、give と take で向きが正反対になる点も押さえておきたいところです。
【ここがポイント!】
- 核は「功績の口座に、当然の分をきちんと振り込む」イメージ
- 批判の中でも「この点は認める」と公平さを示せる定型句
- give(人に与える)と take credit(自分が取る)で向きが逆になる点に注意
『ビッグバン★セオリー』S04E15のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
寄付獲得のため、シェルドンがレナードに「ラサム夫人と一夜を過ごしてこい」と勧め、その流れでペニーを引き合いに出す場面です。抗議したペニーに、シェルドンは悪気なく「褒め言葉だ」と返します。本人の中では筋が通っている、そのズレに注目です。
Penny: What was all that about me trading sexual favours for material gain?
(私が見返りに体を使う取引の専門家って、どういうこと?)Sheldon: It was a compliment. I believe in giving credit where credit is due.
(褒め言葉だよ。評価すべきところはきちんと評価する主義なんだ)The Big Bang Theory Season4 Episode15(The Benefactor Factor)
シーン解説と心理考察
シェルドンにとって give credit where credit is due は、「事実を公平に認める誠実な態度」の表明であり、侮辱の意図はまったくありません。だからこそ、ペニーが怒っている理由が本人には理解できないのです。本来は相手をフェアに評価する立派な定型句が、使う場面と相手を完全に間違えることで、これ以上ない無神経な発言に変わってしまう——その落差にこのシーンの可笑しさがあると言えます。シェルドンの一貫した「事実至上主義」が、社会的な文脈の中で見事に空回りしている様子がよく表れています。立派な言葉ほど、文脈を誤ると破壊力を持つのだと気づかされる場面です。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
credit を、銀行口座への入金だとイメージしてみてください。何かを成し遂げた人の口座には、本来その働きの分だけ credit(称賛)が振り込まれるべきです。その「当然支払われるべき(due)ところに、きちんと入金する」のが、このフレーズの発想です。シェルドンがそれを「公平に認めること」と本気で信じ、かえって失礼になっている場面を、功績の口座に律儀に振り込む絵と重ねてみましょう。「正当な評価を、あるべき相手に渡す」という構造が、イメージごと頭に残りやすくなります。
例文で覚える「give credit where credit is due」
批判と評価を両立させたい場面で力を発揮する表現なので、仕事の会話を中心に、軽い相づちの形もあわせて見ていきましょう。
I don’t like his methods, but give credit where credit is due — he gets results.
(彼のやり方は好きじゃないが、認めるべきは認めよう。ちゃんと結果は出している)
「批判」と「一点だけの評価」を両立させる、もっとも典型的な使い方です。ダッシュの後に、認める中身を具体的に続けると自然になります。
To give credit where credit is due, the whole team worked incredibly hard.
(公平に言えば、チーム全体が本当によく働いた)
文頭に置いて前置きにする形です。スピーチや総括の場面で、フェアな評価を示しながら話を切り出せます。
A: I hate to admit it, but her plan actually worked.
B: Credit where credit’s due — she saw it coming before any of us.
(A:認めたくないけど、彼女の計画は実際うまくいったね。)
(B:認めるべきは認めよう。僕らの誰よりも先に見通していたんだから。)
Credit where credit’s due. と短縮した形は、会話の中で軽く相づちのように差し込めます。素直に相手を立てるときに便利です。
あわせて覚えたい関連表現
take credit for
(〜の功績を自分のものにする)
同じ credit を使いますが、take は「自分が取る」方向の表現です。give credit が「人に与える」のに対し、credit の向きがちょうど逆になる点が、今回のフレーズとの大きな違いです。
to be fair
(公平に言えば)
to be fair も「公平のために一点認める」前置きとして使えますが、より短く軽い言い回しです。功績の帰属をはっきりさせたいときは、give credit … のほうが踏み込んだ含みを持ちます。
you’ve got to hand it to someone
(〜には素直に脱帽する、敬服せざるを得ない)
相手の実力を認めて称える口語表現です。give credit より感嘆のニュアンスが強く、「認めざるを得ない」という気持ちを率直に伝えられます。
Note|簿記の「貸方」から広がった credit
シェルドンが「giving credit where credit is due が信条だ」と言い張る場面ですが、この credit という語が、なぜ「功績・称賛」を意味するのかを見ていきます。
credit はラテン語の credere(信じる、信用する)に由来するとされています。そこから「信用」という意味が生まれ、やがて商業や会計の世界で「貸方」、つまり帳簿上で相手に記帳される側を指すようになったと言われています。お金の世界での「信用・貸方」が、人の働きに対する「功績・称賛」へと広がっていったわけです。give credit where credit is due という言い回しには、「その人の口座に、当然記帳されるべき功績を、きちんと記帳する」という会計的な発想が透けて見えます。さらに credit は、信用取引の credit card、映画の出演者一覧を流す credits(クレジット)など、現代のさまざまな場面でも「信用」と「功績の記録」という二つの顔を保ち続けています。
この成り立ちを知ると、give と take で credit の向きが反転する理由も腑に落ちます。功績という名の残高を、相手に渡すのか、自分が引き出すのか——その方向の違いが、二つの表現を分けているのです。
信じるという一語から、功績を記帳する文化が育ったのです。
まとめ|シェルドンの的外れな褒め言葉から学ぶ give credit where credit is due
give credit where credit is due は、功績を正当に認めることを表す定型句です。批判や不満の中でも「この点については認める」と、公平な姿勢を示したいときに力を発揮します。
このひとことを使いこなせれば、相手を立てる場面でも、対立しながらフェアさを保つ場面でも、自然に評価の言葉を添えられるようになります。反対方向の take credit for とセットで覚えておけば、credit の向きに迷うこともありません。
公平に誰かを認めたい場面を思い浮かべて、表現の引き出しに加えてみてください。


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